偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ開幕節のエヴァートン戦は、0-1で勝利。指揮官が準備不足を認めていたチェルシーにとって、最高の滑り出しといっていいのではないでしょうか。

4連敗中だったグディソン・パークで、5年4ヵ月ぶりの3ポイント。最前線をまかされたスターリングは流動的なポジショニングでトフィーズの守備陣を攪乱し、安定的な守備を見せたカリドゥ・クリバリは、ジョルジーニョの決勝PKにつながる素晴らしいスルーパスをチルウェルに通しました。

エドゥアール・メンディは、相変わらずの安定感。タルコフスキのヘッドを上に弾き出すビッグセーブと、ドゥクレの決定的な一撃に飛び込んだ勇敢なプレイは、チームの士気を高めました。プレミアリーグの先発出場66試合で、クリーンシート率は47%。50試合以上に出場した選手のなかで、彼を上回るのは、シュートが飛んでこない試合も多いマン・シティのエデルソンだけです。

ククレジャを含む3人の新戦力は、上々のデビュー。昨シーズンの大半を欠場したチルウェルは、ドゥクレのファールを誘って唯一のゴールを呼び込みました。次節はいきなり難敵トッテナムとのロンドンダービーですが、いいコンディションでゲームに入れるのではないでしょうか。この試合のスカッドにも、マルコス・アロンソ、マラング・サール、ハドソン＝オドイ、ティモ・ヴェルナーの名前はないでしょう。

ここからは、チェルシーの補強と売却の動向をレポートします。移籍が確実視されているのは、ヴェルナーとサール。ドイツ代表のストライカーは、ライプツィヒ復帰でほぼ決まりといわれています。ドイツの「スカイ」によると、2020年に4750万ポンドでブルーズに加わったヴェルナーは、2530万ポンド（約41億円）とアドオンでクラブ間合意に至ったそうです。

ライプツィヒでは159試合95ゴール、チェルシーでは89試合23ゴール。ロンドンではうまくいかなかったストライカーには、ユーヴェが関心を示していると伝えられていたのですが、本人は勝手知ったるドイツでワールドカップをめざしたいという気持ちが強いようです。おお、「スカイ」の最新レポートは、「移籍金は1650万ポンドまで減額となる可能性あり」といっています。既にヴェルナーはドイツに到着しており、破談はないでしょう。

マラング・サールの移籍についてレポートしているのは、フランスの「レキップ」。モナコからオファーをもらっていたクラブは、ククレジャの入団とアスピリクエタの契約延長を受けて、ゴーサインを出したようです。

アドオン込みで1260万ポンド（約20億円）の買い取りオプション付きのローン。フランスメディアは、「チェルシーが63万ポンド（約1億円）のレンタル料を受け取る」というレベルまで、口頭合意に達したと報じています。メディカルチェックのスケジュールも決まっているディールは、今週中に成立する見通しです。

行き先が決まっている2人に対して、ハドソン＝オドイはドルトムント、ユヴェントス、レスター、サウサンプトンの争いといわれています。プレミアリーグの中堅クラブはローン希望で、本命視されているドルトムントが不調に終われば、チャンスがまわってくるという図式です。

レスターのウェズレイ・フォファナをほしがっているチェルシーは、ハドソン・オドイを付けて移籍金を下げるという手に出る可能性があり、着地がどうなるかはわかりません。

マルコス・アロンソのスペイン復帰は既定路線。具体的なオファーがあれば、話はすぐにまとまるでしょう。ケパはナポリとローン移籍の交渉中。ミランに行くといわれていたツィエクに、マンチェスター・ユナイテッドが関心を示しているというゴシップもあります。

さらなる新戦力は、フォファナ、フレンキー・デ・ヨング、オーバメヤンか。最前線の候補として、ジェイミー・ヴァーディーの名前も挙がっています。ノースロンドンのライバルたちは閉店間際で、レッズとマン・シティは欠員が出た際の補充のみ。8月の主役は、マンチェスター・ユナイテッドと彼らです。サプライズの予感漂うブルーズの動向に、引き続き注目しましょう。