イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

指揮官の選択は高機能より低リスク!? 代表落選が噂されるアーノルドの価値を現地記者が力説!

「アレクサンダー=アーノルドの弱点を嘆くのは、リオネル・メッシのヘディング能力にフォーカスする人や、ジミ・ヘンドリックスがチューバの名手ではなかったと語る音楽評論家と同様の侮蔑に値する」

「名目上は、アレクサンダー=アーノルドはDFだが、リヴァプールにおいてそれは彼の機能ではない。簡単にいえば、彼は物事が起こるのを防ぐためではなく、起こるようにするためにピッチにいるのだ」

いや、おっしゃるとおり。「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者の指摘に、深くうなずかされます。トレント・アレクサンダー=アーノルドは、イングランドにおいては数少ないワールドクラス。ワールドカップロシア大会以降、彼が残したプレミアリーグのスタッツを見れば、大半のファンが「カタールに赴く23人に入れるべき」と思うのではないでしょうか。

少し、先走りしすぎたかもしれません。話を整理しましょう。イングランド代表のガレス・サウスゲート監督が、ネーションズリーグのドイツ戦のメンバーからアーノルドを外したのが発端です。ワールドカップ前のラストゲームでベンチにいなかった選手は、主力にトラブルがない限り、本番のリストには入らないと考えるのが妥当でしょう。

指揮官のファーストチョイスは、チェルシーのリース・ジェームズ。バックアッパーとして呼ばれているのは、プレースキックのスペシャリストでもあるキーラン・トリッピアーです。32歳のベテランSBは、攻守のバランスに長けています。高機能より低リスクという観点で、リヴァプールよりニューカッスルを優先したのでしょう。選ぶ基準としては、充分理解できます。

しかしそれでも、アーノルドを外すのはあまりにも惜しい!冒頭で触れた彼の数字を紹介しましょう。ロシア大会以降のプレミアリーグで44アシスト&チャンスクリエイト315回は、いずれもデブライネに次ぐ2位。セットピースからの16アシストと、クロス成功310本は文句なしの1位です。

プレミアリーグで最もアシストの期待値が高い選手は、「残り20分で、2点が必要」「延長後半もあと5分、苦手なPK戦にもつれ込みたくない」といったシーンで強力な武器になるのではないでしょうか。アダム・ベイト記者は、「ユルゲン・クロップは、直観的にアーノルドの価値を理解している」といい切り、イングランド代表監督との違いを端的に表現しています。

「彼を型にはめようとするのではなく、強みを活かせるチームを構築し、特殊なスキルセットを最大限に活用している。その姿勢のおかげで、アレクサンダー=アーノルドはベストな状態でいられるのだ」

敏腕記者も評論家も、多くのプレミアリーグファンも、もちろん私も、ワールドクラスのSBが最高のステージに立てないという事実を嘆くしかないとわかっています。アーノルドの魅力を語り続けた情熱的なレポートは、悔しさが滲む筆致で「彼の不在は解決策ではなく、問題提起だ」と主張しています。

「アレクサンダー・アーノルドには、そのパスワークで魅了し続けることを期待したい。右サイドの高い位置からクロスを送り、アシストを重ねることだろう。ネガティブな注目を集めた守備のミスも避けることができるはずだ」

「しかし、彼はイングランドに存在しないという役割でもって、それを証明することになるだろう」

「この国は今、ブレントフォードのストライカーがバックアップのオプションであるべきか、中途半端なゴールキーパーの相対的な価値をどう評価するのかといった話題で、気を紛らわせている。そんななかで、このスペシャルなフットボーラーは、外から眺めているだけの存在になりそうだ」


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“指揮官の選択は高機能より低リスク!? 代表落選が噂されるアーノルドの価値を現地記者が力説!” への1件のコメント

  1. 飯田 より:

    ここ最近のレッズでのパフォーマンスも影響したのだとは思いますが、一発で流れを変えうるカードなので、選外となると残念です。
    イングランドはここから上乗せできる要素が少なく本大会も心配ですねぇ。

コメントを残す