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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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彼らしく冷静に戦ってほしい…非難の声を浴び続けるハリー・マグワイアについて思うこと。

「正直にいえば、今は厳しい時期だと思う。ハリーは優秀な選手であり、性格も素晴らしい。彼は多くの非難を浴びてきた。フットボールの世界で、これまで見たこともないくらいに。でも彼は、決して逃げることなく、そこにいる」

「スポットライトを浴びたくなくても、浴び続ける。それでも自分自身を落ち着かせている。そうだろう?それこそが、彼の強さと性格を表しているのだと思う。今は、世界じゅうに敵視されているように感じられるかもしれない。タフなことだけど、選手である私たちは、彼を応援している」

「ユーロでの彼の活躍を見れば、イングランド代表のなかで大きな存在であることを理解できるだろう」

発言の主は、マンチェスター・ユナイテッドでともにプレイするルーク・ショー。以前から、イングランド代表に選ばれるべきではないと非難されてきたハリー・マグワイアは、ネーションズカップのドイツ戦におけるPK献上もあって、ますます厳しい声に晒されています。

実はこれまで、彼について語ろうと思い立ち、うまく書けずに断念するということを繰り返してきました。「パフォーマンスが悪かったとしても、プレイに対する批評に留め、人格を誹謗するような物言いや罵詈雑言は控えるべき」といった当たり前のことしか浮かばなかったからです。

「BBC」のインタビューに応じたルーク・ショーがいうとおり、彼に対する罵声はあまりにも凄まじく、相当メンタルをやられているのではないかと案じています。「ファンを喜ばせるのが使命のプロアスリートは、批判も受け入れるべき」という声がありますが、家族を巻き込む脅迫や自宅の爆破予告などは批判とはいいません。

彼の存在を知ったのは、2016-17シーズンのハル・シティでした。オーバーラップするCBという独特のキャラで知名度を高め、2017年の夏にレスターに入団。当時の移籍金は、アドオンを入れても1700万ポンドで、プレミアリーグの中堅クラブで奮闘する見どころあるCBといった立ち位置でした。

世界が変わったのは、2019年の夏でした。マンチェスター・ユナイテッドが支払った移籍金は、プレミアリーグのDF史上最高額となる8000万ポンド。わかりやすい肩書きが付き、ファン・ダイクよりも上を求められるようになったマグワイアは、初年度は素晴らしいパフォーマンスを披露していたと思います。

プレミアリーグ2019-20シーズンは38試合フルタイム出場で、3位フィニッシュに貢献。2020年1月には、キャプテンを託されています。2021年4月には、プレミアリーグで71試合連続フルタイム出場というクラブレコードを達成。時折、危険なミスや不要なファールがありながらも、最終ラインを統率するCBと評されるようなプレイを見せていました。

しかし昨季は、チームの混乱とともに自身のパフォーマンスも低下してしまい、6位フィニッシュの戦犯と非難されるようになりました。今年の4月には、「Whoscored」が「過去2シーズンでもらったカードとシュートを打たせたミスがリーグ最多」と報道。何かとこすられるマンチェスター・ユナイテッドのキャプテンという立場も、ネガティブなツッコミを増やす理由のひとつだったのではないでしょうか。

ハル・シティではおもしろいCBだった。レスターでは最終ラインに欠かせない選手だった。マンチェスター・ユナイテッドで拍手を送られた季節もあった。しかし不振に陥ってからは、失点増加の原因のひとつとなった。イングランド代表として、ユーロ2020ファイナル進出に貢献した。

ハリー・マグワイアは、プレミアリーグでは優秀なCBのひとりであり、イングランド代表としては標準レベルのCBと評価するのが妥当なのではないでしょうか。

「メンタルのコンディションを上げてカタールに向かえるのか…」と心配していたなかで、「ザ・タイムズ」のインタビューに応じたキエッリーニの言葉に心を揺さぶられました。「マグワイアはいい選手。今の状況は悲しい」と語るイタリア代表DFは、「マンチェスター・ユナイテッドは彼に多くを求めすぎている」といっています。

「8000万ポンドを払ったから、毎試合世界一である必要がある…それはおかしいんじゃないか。市場価値は、自分でコントロールできない。さまざまなの要素に左右されるもので、選手のせいではない。代表における彼とストーンズはいいコンビだ。マグワイアは、リオ・ファーディナンドほどではないけど、とても優れている」

率直にいいましょう。ワールドカップは、クラブでサブとなったマグワイアより好調のベン・ホワイトのほうがいいと思っています。それでも彼が、サウスゲート監督に選ばれたら、マンチェスター・ユナイテッドとプレミアリーグのファンとして応援したいと思います。

イングランド代表として胸を張れるプレイを見せたとしても、ベスト8以下で敗れたら、年明けから非難の声を浴びる日々に戻ってしまうのでしょう。一度貼られてしまったレッテルをはがすのは、至難の業です。

私にできるのは、いいプレイをリスペクトし、悪いときは「今日はよくなかった」と冷静に書くことだけです。ファン・ダイク、チアゴ・シウヴァ、ガブリエウ、ルイス・ディアスに対して、いつもしているように(ハリー・マグワイア 写真著作者/Ardfern)。


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“彼らしく冷静に戦ってほしい…非難の声を浴び続けるハリー・マグワイアについて思うこと。” への1件のコメント

  1. のこ より:

    いい記事をありがとうございます。思えば怪我の後から歯車が狂い始めましたね。私自身も納得いかないパフォーマンスだと思うことは何度もありましたが、ちょっといくらなんでも叩かれ過ぎではと思いますね。逆に考えると、彼が調子を取り戻せばタイプの違うCBが揃い、層が暑くなるので復活に期待したいところです。

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