【Everton×Leicester】岡崎慎司、躍動!PKゲットと完璧なゴールでレスターが首位キープ!
4ヵ月後、プレミアリーグ17節、エヴァートンVSレスター。この試合をアウェイチームが勝てばクリスマスの首位が確定し、5ポンドは5000ポンド(約96万円)になりますが、勝ち点1以下に終われば、月曜日に行われるアーセナルVSマンチェスター・シティの勝者にひっくり返される可能性があります。この方は、どんな心持ちで雨降るグディソン・パークの試合を観ていたのでしょうか。今月から左SBレイトン・ベインズが復帰したエヴァートンは、フネス・モリとジョン・ストーンズのCBコンビに、右がコールマン。前半途中まで、エヴァートンが優勢に試合を進めていたのは、ジェイミー・ヴァーディとマフレズが仕掛ける縦へのカウンターが完全に読まれていたからです。
モーガンとヴァシリエフスキ がセンターに入ったレスターの最終ラインと、中盤のカンテ、キングの寄せは速く、的確。エヴァートンに決定的なチャンスは与えていなかったものの、プレミアリーグアシストランキング2位のデウロフェウ、好調ロス・バークリー、エースのルカクによるスピーディーな攻撃は迫力があり、ホームチームに先制の予感が漂っていました。ドリンクウォーターが負傷で戦列を離れ、攻守のサスペンションを失ったレスターは、ファンに5000ポンドをプレゼントするには攻撃が単調でした。
しかし27分、先にゴールを奪ったのは、プレミアリーグ首位クラブです。立役者は日本代表FW岡崎慎司でした。左サイドからペナルティエリアに侵入した岡崎にフネス・モリがついていけず、後ろから体を預けると岡崎は転倒。倒された瞬間、レフェリーを見たストライカーは、PKを確信していたのでしょう。マフレズのキックは、GKティム・ハワードが右に飛んだ動きとぴったり合ってしまいましたが、ボールは右手の下をすり抜け、ラニエリ監督のチームが0-1でリードを奪います。
ところがその5分後、エヴァートンが追いつきました。右からのクロスをニアのルカクが後ろに流すと、クレヴァリーがつないだボールを左に持ち込んでフリーとなったロス・バークリーが、左足でシュート。1発目はシュマイケルが足でセーブし、リバウンドをフォローした一撃はゴールライン上にいたキングがヘッドでクリアしますが、これを拾ったルカクの3発めまでは止められませんでした。前半は1-1。岡崎慎司は、ポスト役として奮闘はしているものの、周囲のフォローが薄く、ファールをもらうのが精一杯。縦1本のカウンター頼みで、サイドからクロスが入るシーンがほとんどないため、シュートを打つ体勢には入れません。
後半も、エヴァートンペース。中盤でバリーとクレヴァリーが球を散らすと、デウロフェウやコネがSBと連携してサイドを攻略し、中のルカクやロス・バークリーに合わせるという、いかにもプレミアリーグらしいシンプルな攻撃です。レスターの守備が崩れないのは、サイドで無理に当たりにいかずに相手を自由にさせない守り方が徹底できており、スペースを確実に埋めているからです。ラニエリ監督のイタリア仕込みのディフェンスは、クロスが入るときのニアとファーのポジショニングもミスがありません。
58分のヴァーディの右足シュートはわずかに外。60分、レスターのカウンターは、左サイドから上がったフクスが岡崎慎司にグラウンダー。ここはコールマンのクリアがわずかに先で、シュートには至らなかったものの、エヴァートンは5分後に中央でマフレズをフリーにしてしまい、勝ち越しゴールを許します。26番が左足で縦に軽く通したヴァーディへのスルーパスは、名手ジョン・ストーンズを無力にする完璧なボール。GKまでかわして決めようとしたヴァーディの足をハワードが手で払ってしまい、この日2度めのPKが宣告されます。プレミアリーグの連続ゴール記録がとだえてからは、ヴァーディは蹴らないようです。マフレズのPKは、今度はハワードの逆をついて1-2。勢いづいたレスターは、その4分後、岡崎慎司が素晴らしいゴールをゲットします。
右からのスローインを受けたコールマンが、キックをアルブライトンにぶつけてしまい、跳ね返りがヴァーディへ。これを見て中にポジションを移した岡崎を、ヴァーディは見逃さずに速いラストパス。トラップも、すぐざま蹴り込んだ左足の一撃もパーフェクトでした。岡崎のプレミアリーグ3点めで、ここまでアウェイ無敗のレスターは、4試合連続でアウェイ戦3ゴールという素晴らしい記録まで手に入れました。
70分に右からDFラインの裏に抜けたルカクが決めていれば、試合はまだわからなかったのですが、GKシュマイケルが的確にコースを切ってボールはバーの上。80分を過ぎてからレスターのカウンターが刺さり始め、次々とペナルティエリアにフリーで入った岡崎慎司とウジョアは、フィニッシュに持ち込むラストタッチが甘く、4点めのチャンスを逃します。89分、ルカクのシュートがDFに当たったところを、ヒールで途中出場のミララスに通したロス・バークリーのパスはエクセレント。左にいたミララスがダイレクトでこれをニアに沈め、2-3にすがったものの時すでに遅し。レスターが首位をキープして、大事なファンに、とびきりのクリスマスプレゼントを贈ることができました。
ラニエリ監督のチームが素晴らしいのは、前線からのプレスとゴール前の守備の徹底度でしょう。よく走るチームが後半落ちないのは、誰がどこに入るのかが明確で、ムダな走りが少ないからだと思います。攻撃面では、ヴァーディがおとりになって岡崎が空く形ができてきています。プレミアリーグ後半戦では確実にマークがきつくなる俊足のアタッカーが、日本代表のいる場所を把握していれば、今までよりも多くのシュートチャンスを創れるはずです。楽しみです。ぜひ、次のリヴァプール戦でもゴールを!(リヤド・マフレズ 写真著作者/Ronnie Macdonald)
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エバートン戦はドローと見てましたがここも勝ちきりましたね。次のリバプール戦もドロー予想ですが今日のリバプールの出来を見ると厳しいかもしれません。
レスターは年内首位で終えるようだと主力に怪我人さえ出なければ本格的にトップ4に食い込んでくる可能性が出てきますね。
久しぶりにレスターの試合を観ましたが、普段ガナーズなどを観ている者としては全体的に決して「上手い」という感じはしませんでした。しかし、「強い」ですね。
ヴァーディーの負傷は気になりますが、来週のリバプール戦はレスターに一票入れたいと思います。サコーやルーカスがレスターのカウンターを止められるイメージがどうしても湧かないので。
リバプールの方は早くもクロップの正念場ですかね…
レスターの試合を見ていて思うのは、一試合毎にどんどん成長しているなぁということです。もう、ハイプレス一本槍で、スタミナ切れたらザルなチームではなくなりました。
守備面は開幕当初のドタバタが無くなっていて、カルチョ風味のスペース埋めが見事ですね。優先順位がしっかり決まっていて、ほとんどバイタルを使わせてないです。苦しい時間帯のモーガンの落ち着きぶりを見て、いよいよ勝者のメンタリティーが感じられるようになってきました。
いずれ落ちてくるかもしれませんが、この雰囲気なら大崩れしなさそうですね。次のリヴァプール戦も楽しみです。
リッキーさん>
マンチェスター・ユナイテッドが2~3試合かけて獲る3点を、アウェイで4試合連続とは、うらやましくなる破壊力です。リヴァプール、ピンチですね。
queenさん>
そうなんです。ガナーズやマン・シティを見慣れていると、第一印象は「雑」です(笑)。ヴァーディがいなくとも、岡崎、ウジョア、マフレズならやはりやっかいだと思います。
爪楊枝さん>
同感です。まさにカルチョ風味ですね。最短距離でポジション移動をしているので、後手にまわることが少なく、サイドの抑え方はプレミアリーグNo.1の安定感だと思います。チェルシーとの勝ち点差20は相当重そうです。