偏愛的プレミアリーグ見聞録

エリック・テン・ハフ監督は、最前線にマルシアルを配しています。プレミアリーグ10節、グディソン・パークのエヴァートンVSマンチェスター・ユナイテッド。キプロス遠征から中2日のアウェイチームは、いいテンションでゲームに入れるでしょうか。

スタメンのもうひとつのトピックスは、カゼミーロのプレミアリーグ初先発です。GKデ・ヘア、DFダロト、リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショー。セントラルMFはエリクセンとカゼミーロ、2列めはアントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード。ワントップのマルシアルは、マンチェスターダービーで2ゴールを決めています。

立ち上がりのマンチェスター・ユナイテッドは、敵陣で奪ってサイドに展開するシーンが目立っています。しかし5分、カゼミーロが自陣でオナナに奪われ、ショートカウンターからイオビのコントロールショットが右隅に決まってしまいました。

すかさず反撃に出るアウェイチーム。8分にアントニーのグラウンダーをボックス入り口で受けたエリクセンは、左足のシュートをブロックされました。マルシアルの素晴らしいスルーパスで、アントニーがピックフォードと向き合ったのは15分。夏に来たばかりのウインガーは冷静に左隅に流し込み、プレミアリーグデビューから3試合連続ゴールです。

20分に敵陣でインターセプトしたエリクセンのミドルは、ピックフォードが右に反応してセーブ。2分後、ボックス右を突破したブルーノがニアに折り返すと、デマライ・グレイをかわしたマルシアルのシュートは守護神が体に当てました。29分、ピッチの脇に立つクリスティアーノ・ロナウドにブーイング。マルシアルは足を痛めたようです。

アントニーとラシュフォードの左右を入れ替えたのは、機能していなかった10番を活性化するためでしょうか。41分にブルーノのパスを受けたロナウドは、カットインからの左足がうまく当たらず。直後、左に戻ったラシュフォードの浮き球に飛び込んだカゼミーロのヘッドは、左に逸れてしまいました。

マン・ユナイテッドの逆転ゴールは44分。ミスパスを出したカゼミーロが奪い返し、縦に走るスルーパスを通すと、ボックス左に持ち込んだロナウドがニアを射抜きました。移籍騒動もあって出遅れた37歳の今季プレミアリーグ初ゴールは、クラブレベルでの通算700ゴールというメモリアルな1発です。

前半は1-2。シュート数は1対8と、赤いシャツが圧倒しています。49分にロナウドが仕掛けたカウンターは、中に絞ったアントニーにラストパスが通らず。惜しいシュートや納得がいかないシーンの後、プレスをしないのがCR7です。サイドアタックを徹底するエヴァートンは、55分過ぎからクロスが上がるようになっています。

期待のアンソニー・ゴードンは、ドリブル成功2回という数字だけを残して67分にマクニールにチェンジ。70分のCKで競り勝ったオナナのヘッドは、クロスバーを越えていきます。74分、右からのボールを足元に収めたロナウドが、後方のエリクセンにラストパス。14番の左足のダイレクトショットは、枠にいきませんでした。

80分に左からのドリブルでゴールを陥れたラシュフォードは、ハンドを取られてノーゴール。83分にエリクセンが下がり、マクトミネイとカゼミーロのコンビとなります。91分、左から放ったガーナーのコントロールショットは、デ・ヘアが上に弾き出すビッグセーブ。エヴァートンの放り込みに耐えたマンチェスター・ユナイテッドが勝ち点を15に伸ばしました。

アーセナルVSリヴァプールを堪能した直後に、わがマン・ユナイテッドを見ると、安定しないプレスや不注意なパスミスとボールロストが気になってしまいます。ダロトは無理めのパスが目立ち、ミスが多かったカゼミーロは迷いながらプレイしているようです。ブルーノは打てるポジションに入る機会が少なく、ラシュフォードとアントニーはスペースを作る動きが足りません。

いろいろオーダーしたくなってしまいますが、新監督のチームはまだまだ発展途上なのでしょう。ユルゲン・クロップのプレミアリーグ初年度は8位で、ペップは5位アーセナルと3ポイント差の3位でした。ダービー大敗の直後に、序盤の失点を跳ね返す逆転勝利でTOP4の背中に迫ったという現実を喜びましょう。アントニー、ロナウド、2つともナイスゴールでした！