【Watford×Tottenham】最後に実った猛攻!チャレンジするからトッテナムはおもしろい!
アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンは、プレミアリーグ13ゴールと大暴れのイガロを止められるのか。エリック・ダイアーを底に、デル・アリ、デンベレ、ラメラが揃う中盤は、元気なクラブをどう攻略するのか。ヴィカレージ・ロードのゲームは、予想通りのスリリングな展開となりました。
速いクロスが持ち味のトリッピアーが高めのポジションを取り、サイドを崩そうとするトッテナムは、このタイトなスケジュールのなかでもプレミアリーグNo.1といわれる運動量を披露。前線からのプレスは激しく、よく見るとエリック・ダイアーが最終ラインの中央に入っています。なるほど、ポチェッティーノ監督は、ディーニーとイガロに対して1枚余らせる3バックで結果を出そうとしているようです。ロリスのキックを元同僚のカプェにさらわれ、ディーニーにつながったショートカウンターにも、3人のCBは冷静に対応。17分、トッテナムのプレスが先制点につながりました。このゴールは、キャスカートのボールを囲んで奪ったデル・アリとキャロルのゴールです。ハーフラインを過ぎたあたりでハリー・ケインがラメラにつないだ速攻は、11番がそのまま持ち込みDFの股間を抜く左足シュート。サイドネットに転がされては、GKゴメスはどうしようもありません。0-1となると、ホームチームが反撃の色を強めます。
26分、ナタン・アケのクロスに合わせたイガロのボレーは左にアウト。スパーズはペースを引き戻すべく、厳しいチェックを仕掛けますが、マイボールの際に縦に急ぎすぎる場面が多く、シュートが打てません。それでも手数が多い彼らは何度となく前線にボールを当て、34分のハリー・ケインのミドルは、高い位置でのボール奪取を速攻につなげたスパーズらしい形。38分、キャロルが長いパスをトリッピアーに通し、クロス職人がGKとハリー・ケインを競らせるきわどいボールを上げたサイド攻撃は、ポチェッティーノ監督のもうひとつの狙いです。
このまま前半を終われればよかったのですが、41分にホームチームが同点に追いつきます。右からのサイドチェンジをディーニーが競って中に落とすと、イガロは背負っていたエリック・ダイアーを強引に抜き去り、アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンの間を割って、ロリスの目の前でプッシュ。CB3人を一気に無力にされては、失点は必然です。ハーフタイムにデンベレを下げてエリクセンを投入したのは、ポチェッティーノ監督の「早く勝ち越そう」というメッセージでしょう。
攻めるトッテナムに対して、ワトフォードはカウンターで対抗。フェルトンゲンをあっさり抜き去るディーニーの瞬発力は脅威です。58分にも、キャロル、トリッピアー、最後はハリー・ケインのダイビングヘッドという前半と同じシンプルなサイド攻撃がありました。62分、この試合の展開に影響を及ぼす事件が起こります。足の裏を見せてラメラを蹴ってしまったナタン・アケが一発レッド!これでワトフォードは相手のゴールから遠ざかり、完全なるトッテナムペースに傾きました。
左サイドの下がりめのポジションでゲームを仕切るエリクセンには怖さがなく、引いてしまったワトフォードに対して中盤から入る裏への浮き球は、ことごとくはね返されます。キケ・フローレス監督は、明らかに目標を勝ち点1にスイッチしています。76分、エリクセンがハリー・ケインに出したロングクロスは、チャンス到来かと思った瞬間、GKゴメスが素晴らしい飛び出しでパンチし、やはりシュートにつながりません。
後半のワトフォードが最も勝ち越しに近づいた瞬間は、89分のベン・ワトソンのCKでした。左から直接ゴールを狙ったニアへのCKは、ロリスがゴールのなかに身を投げ出して搔き出し、ワトフォードの選手たちのアピールは認められません。その直後でした。右から展開したトッテナムの攻撃。サイドにボールが渡ったとき、中が分厚いのが今季のチームです。トリッピアーの最初のクロスをニアでゴメスと競ったのは、68分にキャロルに代わって入っていたソン・フンミン。ゴメスがパンチで勝ったこぼれ球が再度トリッピアーに渡り、2度めのクロスはGKの前にいたソン・フンミンが見事なヒールキックでコースを変え、ゴメスの脇を抜きました。1-2、貴重な勝ち点3。プレミアリーグ4位に躍進したクラブは、5位クリスタル・パレスとの差を4に広げて前半戦を締めました。
トッテナムの素晴らしさは、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーがしばしば失う前への推進力。攻めあぐんでいても退屈させないのは、サイドからのクロスや中央で勝負させるパスで、常にチャレンジする姿勢を見せ続けているからだと思います。レスターばかりが騒がれますが、3連勝でプレミアリーグ首位まで4差に迫ったチームにも、タイトル獲得のチャンスは充分にあります。これは、おもしろくなってきました。年が明けてすぐ、プレミアリーグ21節でトッテナムは2位レスターとのシックスポインターを迎えます。
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今までのスパーズなら引き分けていたところで、勝ちきれたのは本当に成長した部分だと思います!失点も減り、得失点差も1位とは、スパーズとは思えません…(笑)
ポチェッティーノさん、名将だとは思ってましたが相手に合わせて3バックなんてこともできるんですね。
言っちゃ悪いですが、スパーズからすれば本当にファンハールが来なくてよかったと思います。
引いた相手にも崩せるラメラ、アリ、エリクセンの創造性と、アルデルヴァイレルトを中心とする堅い守備で本当に弱点がないですね。後半戦が楽しみです。
ワトフォード戦に関しては、ラッキーな部分もありましたが、勝ちきったことが評価できると思います
ただ、やはりアタッキングサードで決定的な違いを作れる選手はエリクセンしかいないのだということを痛感させられる試合でもありました……
ガン引きで挑んでくるチームをいかに崩すのか、それがシーズン後半戦の課題だと思います
固められた時ための戦術を組むのか、はたまた試合後半や相手によって起用できるカードを冬の市場で一枚増やすのか……
更新お疲れ様です
好調のチーム同士の好ゲームでしたね。ケインほど完成度の高い選手は中々いないのではないでしょうか。今日も凄まじい存在感でした。
ワトフォードも多くの強豪を苦戦させるのも納得でした。イガロの方が目立ちがちですが、ディーニーも素晴らしい選手ですね。タイプは違いますが少しのキッカケでケインやヴァーディーに続く選手になるかもしれません。
更新お疲れ様です。
デンベレの交代は負傷によるもので2週間ほどとのことです。放出候補とまで言われた彼の大活躍も今の順位の要因の一つなので、怪我が怖かったのですが残念です。
しかしウォーカーを休ませれたのは実はかなり大きいと思います。今シーズンの彼は代表スタメンレベルですホント。トリッピアと切磋琢磨してほしいです。
去年も同じ頃に同じような夢を見させていただいたスパーズですが、来年はさらに進化している事を願うばかりです。
ご指摘の通り、グーナーにとっては複雑な気持ちですが、彼らがとても完成度の高い良いチームであることは認めています。
ダイアーのコンバート成功やアンデルワイレルド獲得で守備が改善された点はうらやましいの一言です。しかも控えにはメイソンやベンタレブもいますし。ガナーズはフラミニまで負傷してヒーヒー言っているので…いいなぁ(笑)
プレミアリーグ大好き!さん>
諦めない姿勢が生んだ決勝点でしたね。トリッピアーのクロスはワクワクします。
焼き鳥さん>
昨シーズン、ELとプレミアリーグで全員チェンジのターンオーバーをやっているのをみて、ただ者じゃないなと思ってました。戦略・戦術とも明確なので、指示通りに選手が動くのでしょうね。
スパーズ推しさん>引かれると攻めあぐむのは、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプールも共通の悩みです。ソン・フンミンがよりフィットしてキャロルあたりに成長があれば、今のメンバーでも結構いけるのではないかと思いました。
タカシさん>ディーニーがいてこそのイガロのゴールラッシュですね。好調が続いていてやっかいだったこのチームに、アウェイで勝てたのは大きいと思います。
にわかスパーズファンさん>
デンベレ、負傷なのですね。2週間で戻ってこられるなら、問題ないでしょう。SBのレギュラー争いは、左右ともおもしろいです。
queenさん>
選手層のバランス、偏りのなさはマンチェスターユナイテッドやガナーズよりも上ですね。FWの薄さが気になるぐらいでしょうか。