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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグで首位を快走!最強アーセナルの変化を物語る4つのポイント!

プレミアリーグ2021-22シーズンは、14節までで7勝2分5敗。開幕から3連敗の後、8戦連続無敗と巻き返したものの、リヴァプールに4-0で完敗し、マンチェスター・ユナイテッドに3-2で競り負けています。ポジションは5位。17ゴール20失点は、TOP4をめざすなら合格点とはいえません。

1年後の今。プレミアリーグで首位に立ったアーセナルは、あの頃とはまったく違うチームです。12勝1分1敗で勝ち点37。33ゴールは前年の倍で、11失点は半分です。まったく歯が立たなかったリヴァプールに真っ向勝負を挑み、オンターゲット7対3と圧倒して3-2で快勝。オーバメヤン、ラカゼット、スミス・ロウ、サカだった前線は、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリ、ウーデゴーア、サカに刷新されています。

クリスマスの首位通過を確定させたアルテタ監督は、何を変えたのでしょうか。アーセナルの改革について、4つのキーワードを用いて整理してみましょう。「4CB」「3-2-2-3」「偽偽9番」「21歳の覚醒」。強くなった要因を並べてみると、アルテタの布陣は、ペップもうなる変態フットボールであることがわかります。

ベン・ホワイト、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ、冨安健洋。左右のSBのいずれかにCBをコンバートするぐらいなら、ジョン・ストーンズを外に出すペップも、ジョー・ゴメスで守備を締めようとするクロップも常套手段です。ガナーズの指揮官は、レッズとの大事なゲームで掟破りの4CBを敢行しました。ジンチェンコが負傷したとはいえ、ティアニーはいたのに…!

ベン・ホワイトの右サイド起用は大当たり。試合を重ねるごとに、サカの外をまわってゴールラインまでえぐるシーンが増え、サウスゲート監督が抜擢するレベルに到達しました。左にまわった冨安の役割は、エース殺しと中盤のサポート。モー・サラーを完封したハードマークは、20年経ってもノースロンドンの語り草となるでしょう。

「3-2-2-3」は、新生アーセナルの基本布陣です。左のサイドバックがトーマスの相棒となり、ジャカはしばしばウーデゴーアを追い越してボックスに侵入。セントラルMFのオーバーラップによって、ゴール前に厚みを築けるようになりました。前年はオープンプレーからのゴールが38試合で33しかなく、リーグ9位だったのですが、今季は既に24ゴールでマン・シティに2差の2位に迫っています。

ジャカが思い切りよく上がることで、前からのプレスの強度も上がっています。そう、プレスといえば「偽偽9番」。いわゆる「フォルスナイン」は、ストライカーではない選手を最前線に配する戦い方ですが、ペップの国からやってきたガブリエウ・ジェズスは、本職がCFなのに偽9番のように振る舞う「ニセモノのフォルスナイン」です。

プレミアリーグ14試合で5ゴール5アシスト。直近の公式戦11試合はノーゴールながら、攻守における貢献度は絶大です。ドリブル成功27回は、ボーンマスのタヴァーニアー、チームメイトのマルティネッリに次ぐ3位。ボールタッチ739回は、センターフォワードでは2位のフィルミーノ(ホンモノの偽9番)の603回を引き離すぶっちぎりのTOPです。

ジェズスのボール奪取からのショートカウンターを何度見たことか。彼とマルティネッリ、サカのチェイシングがあるからこそ、ジャカがポジションを下げずにプレイできるという面もあります。マルティネッリとサカは、4つめのポイント「21歳の覚醒」の張本人です。

フランスでの修行を終えたウィリアム・サリバも21歳。3人のヤングスターのブレイクも、アーセナルがジャンプアップした理由のひとつです。1年前はプレミアリーグ7試合1ゴール1アシストだったマルティネッリは、14試合5ゴール2アシスト。14試合2ゴール2アシストだったサカも、4ゴール6アシストと数字を伸ばしています。

そして、サリバ。リーグ3位のパス成功率92.1%を記録したCBの凄さについては、「フットボールロンドン」におけるアーセナルの前半戦評価で、唯一の「9」を付けたトム・カントン記者に語っていただきましょう。

「今季のプレミアリーグで、そしておそらく世界でも最高のCB。ウィリアム・サリバは、リヴァプールに移籍したヴィルジル・ファン・ダイクに匹敵するほどの変貌を遂げた。力強く、威圧感があり、落ち着いていて、速い。DFとして最高の特徴を兼ね備えており、小さなミスがなくなれば、アーセナルは次世代の世界一を手にすることになるだろう。決して誇張ではない」

以上、アーセナルの変化についてまとめてみました。ここで名前を出せなかったウーデゴーアとラムズデール、トーマスについては、別な場で称賛させていただくこととしましょう。ワールドカップが終わるのが楽しみ…というのも変ですが、後半戦もアルテタ仕様の変態フットボールを堪能させていただければと思います。素晴らしい!


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