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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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元アーセナルの敏腕ディレクターが、ユルゲン・クロップ率いるリヴァプールのSD就任を画策!?

スヴェン・ミスリンタートという人物をご存じでしょうか。グーナーなら、おそらく大半がイエス。彼が在籍していた1年2ヵ月の間に、獲得した選手の名前を挙げられる人もいるでしょう。34歳だった2006年にドルトムントに加わり、若手を発掘する力を絶賛されたチーフスカウトは、夏にリヴァプールを離れるジュリアン・ウォードSDの後釜を狙っていると報じられています。

あらためて、彼の経歴を紹介しましょう。ドルトムント時代に引き入れた主なタレントは、ピエール・エメリク・オーバメヤン、ウスマン・デンベレ、香川真司。ユルゲン・クロップ監督とは良好な関係を構築していたのですが、トーマス・トゥヘル監督の就任後、オリベル・トーレスの獲得を巡って対立してしまいました。

アトレティコ・マドリードのMFを求めていた指揮官に対して、ミスリンタートが出した解はマリオ・ゲッツェの復帰。激怒した監督にトレーニング施設への出禁を通告されたスカウトは、選手やスタッフとのコミュニケーションがうまく取れなくなり、100万ユーロという異例の違約金を介してアーセナルで働くことになりました。

当時のマネージャーは、アーセン・ヴェンゲル。就任早々に、ドルトムント時代からのネットワークでオーバメヤンとムヒタリアンを引き入れたミスリンタートは、ウナイ・エメリが指揮を執ることになった2018年の夏に、積極的な補強を敢行しています。

マヴロパノス、ベルント・レノ、パパスタソプーロス、ルーカス・トレイラ、グエンドゥジ、リヒトシュタイナー。4年を経た今、ウナイ・エメリ監督のプレミアリーグでの戦績を振り返ると、ミスリンタートが主導した補強は成功とはいえないのかもしれません。

短期間でアーセナルを離れることになったきっかけは、ミランから声がかかったガジディスの退任でした。テクニカルディレクターへの昇格を取り消したのは、ラウル・サンレヒ。自らのネットワークを活用したかったスペイン人にとって、データドリブンのアプローチを好むスカウトは邪魔だったようです。

失意のスカウトは、プレミアリーグを離れた2ヵ月後の2019年4月、シュトゥットガルトのSDに就任。遠藤航と伊藤洋輝は、彼のスカウティングによって実現した移籍です。ブンデスリーガ16位のクラブと袂を分かつことになったのは、先月のこと。退任のトリガーは、自らの権限を抑制する新たな契約書でした。

フリーになったミスリンタートにとって、クロップがいるリヴァプールは魅力的な職場でしょう。現職のSDは夏に去ると決まっており、前任者のマイケル・エドワーズの下でデータを駆使したスカウティングを進めてきたスタッフが残っています。

いち早く報じた「スカイスポーツ」によると、具体的な話はこれからだそうです。FSG社長のマイク・ゴードンが現場にタッチしなくなったため、チーム強化に関する仕事が増えてしまったクロップ監督が強く推せば、話はスムーズにまとまりそうな状況です。冬のトランスファーマーケットの動向とともに、リヴァプールの新体制についても注目したいと思います。


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