偏愛的プレミアリーグ見聞録

ウォルソール0-1レスター、アクリントン1-3リーズ、サウサンプトン2-1ブラックプール、ブレストン0-3トッテナム。FAカップ4回戦は、プレミアリーグ勢が順当に勝利を重ねています。唯一、勝ち抜けを決められなかったのはフラム。サンダーランド戦は1-1のドローで、敵地でのリプレイに持ち込まれてしまいました。

2日めの最後の試合は、マンチェスター・ユナイテッド。オールド・トラフォードに迎えたのは、チャンピオンシップ16位のレディングです。指揮官はポール・インス。ドレッシングルームにおける影響力が大きくなりすぎたために、「選手はクラブ以上の存在になりえない」とするアレックス・ファーガソンに放出された元キャプテンです。

テン・ハフ監督は前線のメンバーを落とさず、ヴェグホルスト、アントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード、カゼミーロ、エリクセンをスタメンで起用しています。最終ラインはワワン＝ビサカ、リンデロフ、マグワイア、マラシアで、GKはデ・ヘア。キックオフから3分、ボックスの手前で与えたFKは壁に当たり、その後は赤いシャツが中盤を支配しています。

8分に左から蹴ったエリクセンのFKは、ファーポストの手前で落ちて惜しくもアウト。14分のラシュフォードのFKはGKラムリーがセーブし、詰めたエリクセンのシュートはブロックされました。17分のアントニーのミドルは、左のポストの外。ブラジル代表のウインガーは、ドリブルから中にタッチして縦パスと、単調なプレイを繰り返しているのが気になります。

マラシアがボックス左でフリーになった21分のチャンスは、アントニーのシュートがうまく当たらず、こぼれ球に反応したヴェグホルストはブロックされてしまいました。23分には、またもアントニーが左足でカーブをかけたミドル。今度は高さが合わず、ボールはゴール裏に消えていきました。

26分、マラシアの折り返しがDFに触れ、拾ったエリクセンはフリー。右足の一撃は、ホームズにブロックされました。直後、アントニーが仕掛けた速攻から、中央のブルーノにパスが入るも、トラップからノーステップで打ったコントロールショットは右に外れています。

33分、カットインしたアントニーからボックス右に流れたブルーノに縦パス。クロスに打ったシュートは、左に逸れていきます。ラシュフォードがヘディングで決めた35分のゴールシーンは、VARが直前のヴェグホルストのオフサイドを取りました。この後、ブルーノのラストパスを受けたカゼミーロが足を引っかけられたシーンは、VARの対象にならなかったようです。

45分のCKから、アントニーが右足で打ったシュートは枠にいかず。前半終了間際、クロスのコースにいたマラシアの緩慢なトラップを奪われるピンチがありましたが、ホイレットのシュートはデ・ヘアがビッグセーブでしのいでいます。前半のシュート数は15対2。後半も、ホームチームが押しています。

47分のブルーノのミドルは、明らかにミスキックでクロスバーの上。マンチェスター・ユナイテッドが先制したのは54分でした。エリクセンのサイドチェンジを受けたアントニーが、カゼミーロのスプリントを見てボックス右にラストパス。冷静だったベテランMFは、右足のチップキックでネットを揺らしました。

57分、エリクセンに代わってフレッジ。追加点をお膳立てしたのは、入ったばかりのブラジル代表でした。フレッジの落としを受けたカゼミーロが、意表を突く絶品ミドル。マッキンタイアの頭をかすめたボールが、右のサイドネットに吸い込まれました。

65分、カゼミーロに危険なスライディングをかましたアンディ・キャロルが2枚めのイエローで退場。その1分後に決まった3点めは、ショートコーナーです。右からニアに入れたのはブルーノ、ヒールで決めたのはフレッジ。テン・ハフ監督はラシュフォードとブルーノを下げ、ガルナチョとペリストリを投入しています。

72分、エンベンゲがCKを頭で押し込んで3-1。ここでカゼミーロとヴェグホルストが交代となり、エランガと17歳のメイヌーです。若手が増えてからは、サイドを突破されるシーンが目立つようになったものの、中央で止めて失点には至らず。マンチェスター・ユナイテッドが3-1で快勝し、5回戦に進出しました。

先制はアントニーからカゼミーロ、2点めもカゼミーロ。フレッジは入って10分で1ゴール1アシストと、ブラジル代表トリオが輝いた一戦でした。メンバーを入れ替えた後の失点は許容範囲。最初のゴールが遅かったこと以外に、これといった不満はありません。ワールドカップの前まで1試合平均1.55ゴールだったチームは、再開以降は2.36ゴールと決められるようになっています。

ノッテインンガム・フォレストと戦うカラバオカップ準決勝のセカンドレグの後、プレミアリーグはクリスタル・パレス戦と、リーズとのホーム＆アウェイ。バルセロナと激突するELプレーオフまでは、全勝で走り切っていただければと思います。

FAカップ4回戦は、残り4試合。本日の注目カードは、ブライトンVSリヴァプールです。2週間前のプレミアリーグ20節は、三笘薫がアーノルドを制圧して3-0。移籍騒動のカイセドが欠場予定のホームチームは、同じような展開に持ち込めるでしょうか。キックオフは、日本時間で本日21時30分。左サイドに張る日本代表FWのパフォーマンスに注目しましょう。