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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

売上3倍、入場料収入1.5倍!プレミアリーグ首位のレスターは、決算数字も躍進!

「レスターなんて知らなかったよ。チャンピオンシップで戦っていたから、フランスでは無名だったんだ。ラグビーのクラブかと思ったね」。リヤド・マフレズがこんなことをいうのも無理はありません。2011-12シーズンはチャンピオンシップ9位、翌シーズンは6位。彼らが2部を制覇してプレミアリーグ昇格を決めたのは、1年10ヵ月前です。プレミアリーグで戦うことが決まった直後にル・アーブルから来たサイドアタッカーが、レスターを知らなかったのは納得ですが、私たちプレミアリーグファンは、リスペクトを込めて彼のほうにもツッコミを入れようではありませんか。「マフレズなんて知らなかったよ。お菓子の名前かと思ったね」。

今季プレミアリーグの得点王レースでトップを快走する19ゴールのジェイミー・ヴァーディも14ゴールのマフレズも、シーズン前には無名の存在。このクラブで全国的な知名度があったのは、チェルシーで指揮を執ったことがあるラニエリ監督のみでした。そんなクラブが、復帰後2年めにプレミアリーグの順位表の頂点に立っているというのは、なかなか出会えないシンデレラストーリーです。急上昇したのはチームの戦績だけでなく、クラブの決算数字もV字回復。2013-14シーズンには2080万ポンド(約33億3000万円)の赤字を抱えていたレスター・シティは、2014-15シーズンの決算を売上1億440万ポンド(約167億円)、利益2640万ポンド(約42億3000万円)と発表。マンチェスター・シティの倍以上ある利益額が目を引きますが、これは赤字解消のためにコストを抑えた結果でしょうか。

地元紙「レスター・マーキュリー」がまとめていたクラブの主力選手の移籍金額をみると、2014-15シーズンまでのレスターが、いかにお買い得選手を集めていたかがよくわかります。昨季までに獲得した選手で、10億円を超えているのはウジョアとクラマリッチのみ。クラマリッチ、岡崎慎司、インレル、カンテ、ベナルアンなど10億円前後の選手たちは、すべて今シーズンに向けて獲得した選手です。ここに載せた選手を全部足しても、マンチェスター・シティのデブライネひとりに及びません。

【レスター・シティ 主力選手の移籍金】
GK/シュマイケル      200万ポンド(3.6億円)
GK/シュウォーツァー    フリー
DF/シンプソン       200万ポンド(3.6億円)
DF/フート         300万ポンド(5.5億円)
DF/ウェズ・モーガン    100万ポンド(1.8億円)
DF/シュルップ       フリー
DF/フクス         フリー
DF/ヨアン・ベナルアン   560万ポンド(10.2億円)
MF/オルブライトン     フリー
MF/ドリンクウォーター   100万ポンド(1.8億円)
MF/カンテ         560万ポンド(10.2億円)
MF/マフレズ        40万ポンド(7300万円)
MF/キング         フリー
MF/インレル        500万ポンド(9.1億円)
FW/岡崎慎司        700万ポンド(12.8億円)
FW/ジェイミー・ヴァーディ 100万ポンド(1.8億円)
FW/ウジョア        1000万ポンド(18.3億円)
FW/クラマリッチ      700万ポンド(12.8億円)
(レートは2015年12月)

選手獲得のコストを抑える一方で、平均観客数は6000人増の3万1693人、スタジアム収容率98.5%は見事。3000万ポンドを少し超える程度だった売上は前年の3倍以上、入場料収入は1.5倍と大幅増収となりました。プレミアリーグ復帰でテレビ放映権料が入り、収入規模が格段に大きくなったレスターが、今季の躍進でチャンピオンズリーグ出場となれば…。選手層を厚くしないといけなくなったクラブから、次の夏にはプレミアリーグ全体を驚かせる大型移籍のニュースが発信されるかもしれません。

チャンピオンズリーグ出場権獲得だけでも素晴らしいのですが、どうせならプレミアリーグを制覇していただいて、「レスターが優勝したら、パンツ一丁でBBCのマッチ・オブ・ザ・デイに出演する」と宣言していたOBのガリー・リネカーさんが公約を果たすところを見たい気もします。尤も、この話は「それはよくないね。ローマがセリエAを獲ったときは、素敵な女性がやってくれたよ」と反対していたラニエリ監督によって、立ち消えになるかもしれませんが…。入団前に施設を見学して、ラグビーのクラブではないことを確認したマフレズは、今のレスターをこんなふうに語っています。「僕が所属した中で最高のクラブになったね。レスター史上最高のシーズンでもある。僕たちにはクオリティも自信もある」。7000万円だったサイドアタッカーは、来季もこのクラブに残ってチャンピオンズリーグを戦うのでしょうか。岡崎慎司、ヴァーディ、マフレズが織りなすレスターのカウンターを、ぜひ欧州で観たいと思います。まさか、獲らないですよね?イブラ…。

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“売上3倍、入場料収入1.5倍!プレミアリーグ首位のレスターは、決算数字も躍進!” への2件のフィードバック

  1. K より:

    サッカーにおいて大事な事はチームとしてはのボール奪還地点の共有と、フリーの選手を作るために1対1で勝負する局面を作る事にあると考えています。今年のレスターはラインを低くしてハイボールは高い2枚で弾き返し、バイタルエリアにカンテとドリンクウォーターを集めてボール奪取して前線のスピードで1対1に勝つというシンプルだけど完成されたサッカーしてますので私ならこの路線を踏襲しますね!
    右SBのレギュラー、CBのレギュラー候補、足の速いネクストヴァーディと両翼、岡崎のようなある程度の得点力と献身的に走れる控え選手が狙い目でしょうか。翼はグレイを取れたし、必要なのは4人くらいなんでメンバー残す事に金を注ぎこめば来年も選手層が心配ですけどヨーロッパリーグ争いには入り込んできそうですね。セインツ、エヴァートン、ハマーズ、ポッターズだけでも厳しいのにレスター、ワトフォードの新規参入組まで力をつけたプレミアではスカウティングをミスると大型クラブでもすぐに中堅チームへ呑まれますねぇ…怖い怖い

  2. ロビー サベージ より:

    更新お疲れ様です(^∇^)

    チームの調子が良いとやっぱり売り上げも上がりますしファンも増えますよね。私はサベージやへスキーのいる頃のレスターが好きだったのですが、今のチームも大好きです。

    レスターは少し前に3部にまで落ちてたんですよね。それがこの時期にこの競争の激しいプレミアで首位にいる事実はすごいことだと思います。願わくばユーロ2004のギリシャみたいに勢いに乗って最後まで行って欲しいですが、今は1試合1試合を楽しみたいと思ってます。

    欧州の舞台に立つとしたらどういう補強をするのでしょうか。イブラは夢がありますね!このチームに彼のような世界的スターが入った時どういう化学反応を起こすのかワクワクします。ちょっと先を見過ぎかもですが、シーズンオフのレスターにも大注目ですね(*^^*)

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