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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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現地メディアが一斉報道…チェルシーの今季4人めの指揮官は「代打、ランパード」ってホント!?

長期的な解決策になるイメージはないが、短期的にはお互いにとって悪くない話…。「テレグラフ」のジェレミー・ウィルソン記者は、「トッド・ベイリーの狂気の沙汰」と揶揄しながらも、降って湧いたようなアイデアをポジティブに捉えています。

フランク・ランパード、チェルシー復帰?グレアム・ポッター監督を解任したチェルシーは、指揮官の腹心だったブルーノ・サルトールを暫定監督に据えて戦うと発表していたのですが、リヴァプール戦をスコアレスドローで終えた後、エヴァートンを追われたばかりのレジェンドに声をかけたようです。

以前に古巣で指揮を執っていたランパードにとっては、2ヵ月限りの代打という役割は微妙です。「テレグラフ」の記者は、「ロマン・アブラモヴィッチに解雇された後、トーマス・トゥヘルが同じ選手たちで瞬く間に改善するのを見たときの傷を思い出すだろう」「オーナーが他の監督を口説いている最中に、シーズン終了までといわれたら、プライドが揺らぐかもしれない」と、彼の気持ちを案じています。

しかし見方を変えれば、どん底のクラブに復帰を請われた今回のチャンスは、ローリスクです。前任者による不甲斐ないゲームを見続け、ストレスを溜めていたチェルシーサポーターは大歓迎。「2012年のディ・マッテオも、2021年のトゥヘルも、シーズンの途中からチームを引き受けてCLを制覇した!」と盛り上がるはずです。

プレミアリーグで順位を上げられなくても、サポーターも経営ボードもポッター時代の混乱とフィットしない新戦力に目を向けるでしょう。レアル・マドリードにCLで敗れたことを非難する評論家など、どこにもいません。たとえ負けても「火中の栗を拾ってくれてありがとう」で終わりですが、EL出場権をゲットしたら拍手喝采。欧州で3勝2分なら、クラブ史に名を残す英雄です。

「テレグラフ」の記事は、「世界のフットボールにおいて、プレミアリーグほど多くの人の目を引くショップウィンドウはない。その舞台から転落した後、復帰するチャンスを拒むのは勇敢なマネージャーだ」と煽っています。ましてや今回は、どん底からのリスタート。お金をもらって馬券を買うようなチャンスを逃す手はありません。

クラブから見ても、ランパードはうってつけの人材でしょう。「スカイスポーツ」のカヴェ・ソルヘコル記者は、メリットしかないといっています。レジェンド復帰という話題性、サポーターの納得感、チェルシーでの選手と監督の経験…。今でもスタンフォード・ブリッジの近くに住んでおり、すぐに対応できるのも大きなアドバンテージです。

思い出すのは、サッリの後を引き受けた2019年の夏。初年度の成果は、もっと評価されるべきでしょう。当時のチェルシーは、18歳以下の選手に関する移籍条項違反を咎められ、2度のマーケットにおける補強禁止というペナルティを喰らっていました。

新戦力は既に獲得が決まっていたコヴァチッチのみ。エデン・アザールとダヴィド・ルイスを手離したチームを預かったランパードは、タミー・アブラハム、メイソン・マウント、フィカヨ・トモリ、リース・ジェームズといった若手を抜擢して、プレミアリーグ4位とFAカップ準優勝という戦績を残しました。

2年めはハードマネジメントがトラブルの種となって、解任の憂き目に遭いましたが、2ヵ月限定の采配となれば、モチベートに徹するでしょう。メイソン・マウントの覚醒、速攻連発でムドリク無双、スターリング復調、マドゥエケら若手のブレイク、もしかしてオーバメヤンまで…!? 

ランパード降臨で、どんな化学反応が起きるのか、想像するとワクワクします。「スカイスポーツ」によると、レジェンドとの会談は、ルイス・エンリケと話した後に実施されるとのこと。「Todd Boehly’s madness」と表現した「テレグラフ」の記者の気持ちがよくわかります。ため息を呑み込み、続報を待ちましょう。


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