【Liverpool×Chelsea】スーパーアザール、最後にベンテケ…レッズのドローはやむなしか⁉
キックオフ直後から、中盤で厚みを築いてテンポよくパスをまわすリヴァプールは、上々の滑り出しにみえました。7分にはフィルミーノ、コウチーニョと左サイドでボールを動かし、ララナとコウチーニョがミドルシュートを連打。一方、アザールはこの日もスーパーで、8分にはトリッキーなアウトサイドでトラオレを自由にさせ、きわどいシュートがミニョレを襲います。チェルシーの中盤は統制が取れており、ハーフタイム付近で相手を囲んでボールを奪いにいき、無理と見るや4人が最終ラインの手前まで下がってスペースをつぶします。シュートを打つ場所と時間を失ったリヴァプールは、スタリッジのよこせという仕草が目立ち始めています。
20分、中盤で縦パスを受けたスタリッジが、左サイドのフィルミーノを走らせる見事なスルーパス。ドリブルでゴールに向かった11番は、マティッチの追走を嫌がりラストタッチで左に逃げてしまい、角度を失ったシュートはゴールラインを割ってしまいます。2分後、ワンステップで右隅を狙ったアザールのシュートはミニョレがセーブしますが、32分の10番は止められませんでした。3人の間を縫って進むアザールのドリブル。デヤン・ロブレンに足を出す暇を与えず、右隅に放った一撃はパーフェクトでした。0-1、アウェイのチェルシーが先制です。39分には、GKのミスジャッジで2点めを奪われそうになりました。ペドロが右に流したボールに、ミニョレはいきかけて止まり、先に追いついたトラオレと1対1。左足のシュートが狙い通りに曲がっていれば、枠の左隅に吸い込まれていたでしょう。1点のビハインドで折り返したレッズがチェルシー守備陣の網の目をどう広げるかが、後半の注目ポイントです。
サイドで詰まるか、希望のないミドルを打ち上げるか。レッズは依然として攻めあぐんでいます。55分、中央からドリブルで直線的に斬り込んだアザールが、またもやキレのいいシュート。これはミニョレが体を伸ばしてキャッチしましたが、さすがは昨季のプレミアリーグMVPとワクワクさせられる瞬発力です。ここでケネディに代わったウィリアンは、負傷でしょうか。60分にはレッズがペナルティエリア手前でテンポよくパスをまわし、中央のララナへ。こういうときに、右に流れたスタリッジにすぐ気づき、最高のタイミングで出せるのがララナです。フリーになったスタリッジのシュートは、飛び出したベゴヴィッチがコースを塞いでビッグセーブ。CKからのコロ・トゥレのヘッドは強さが足りません。残り20分、リヴァプールがアンフィールドで負けています。ベンチにはベンテケ、オジョ、ジョー・アレン。クロップ監督は、どうやってこの劣勢を打開するのでしょうか。
圧倒的なレッズの攻勢、チェルシーはカウンター。スリップして失点の原因となったジェラードが、必死にミドルシュートを打っていた2年前の胸を打つ試合を思い出します。ヒディンク監督はトラオレに代えて、エイブラハムをプレミアリーグにデビューさせました。クロップ監督はララナとミルナーを下げ、ジョー・アレンとベンテケです。76分にはフィルミーノのFKがアザールの頬にヒットし、直後のCKはキーパーチャージ。3分後、フィルミーノが右サイドで粘り、ナサニエル・クライン、コウチーニョとつながったチャンスは、こぼれ球に走り込んだエムレ・ジャンのミドルをベゴヴィッチががっちりキャッチします。
88分、クロップ監督はコロ・トゥレをオジョ。入った直後、右からのロングクロスをファーで叩いたオジョのボレーは枠にいきません。1分後、アザールが自陣からペドロに通したスルーパスには背筋が震えました。ひとりかわして左足で放ったペドロのフィニッシュは、ミニョレが読んでましたとばかりにぴったりで右手を伸ばして勝負を決めさせません。90分を過ぎ、このままかと思われた最後の最後で、堅守チェルシーにミスが出ました。オジョが左から上げたクロスに、ベゴヴィッチのフィステイングが小さく、ベンテケが無人のゴールにヘディングで押し込みます。チームに溶け込むのに苦労したストライカーは、今季プレミアリーグで9ゴールまで数字を伸ばしました。試合は1-1のままタイムアップ。リヴァプールは8位に留まり、最後にサウサンプトンとウェストハムが勝利すれば、ヨーロッパリーグ出場権には届きません。
クロップ監督がめざしたのは、勝利だったのか、敗戦回避だったのか。負ければ最終節は、セインツが引き分け以下に終わった場合のみ7位のチャンスが巡ってくるのに対して、勝ち点1を積んだために、ウェストハムがストークに負けても順位をひっくり返せる状況になりました。勝ちにいくなら2点が必要で、残り2分でコロ・トゥレをオジョとしたスクランブルは遅いと思いましたが、ドローでもいいからコロ・トゥレを早期に外して0-2とされるのが嫌だったのなら、望みどおりに「最悪ではない結果に着地できた」のかもしれません。チェルシーのほうは、ミケルが最終ラインに入った守備も、アザールやペドロが織りなすカウンターも、強かった頃の彼らを思い出させてくれました。難しい1年を過ごし、欧州を逃すという結果に終わりましたが、決して勝者になる資格まで失ったわけではありません。最終節の「新旧プレミアリーグ王者対決」レスター戦では、来シーズンの予告編さながらに意地を見せてもらえればと期待しています。
週末は、いよいよプレミアリーグ最終節。リヴァプールが来季の欧州をつかむ条件は、「ウェストハムが負け、セインツが引き分け以下で自らが2点差以上の勝利」「上位のどちらかをひっくり返し、マンチェスター・ユナイテッドがFAカップ制覇」、そして最高の形が「ヨーロッパリーグ優勝」です。5月15日のイングランドと21日のバーゼルは、どちらも目が離せません。
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更新ご苦労様です。
レッズホーム最終戦は最後ベンテケのゴールで何とか敗戦を免れましたが、クロップもインタビューで話してましたが最初の15分はよかったですね。ただ全体的に緩いシーンもあったかと思います。チェルシーサイドでみれば、ようやく強い頃のチェルシーを思い出させるゲームだったと思います。やはりアザールは別格ですね。彼をフリーにさせると何が起こるかわかりません。彼の復活はユーロを楽しみにさせてくれます。さてリーグ戦は何とも言えませんが、レッズはEL制覇をしCLの切符を掴んで欲しいですね。FA杯決勝や熾烈な4位争いと。久しぶりにイングランドの5月が面白いです。
更新お疲れ様です。
今回はキレキレアザールとモウリーニョ監督の亡霊が乗りうつったかのような堅守にやられました。
引き分けでよかったと思います。
正直、ELのことが頭にあって集中できない、または怪我をしたくないと考える選手もいたのではないでしょうか。
全ての試合がフルスロットルといかないのはしかたがないと思います。
EL優勝してくれれば問題ありませんし、最悪来季ヨーロッパがなくても今のレッズであれば若手を育てながらリーグに集中するのも悪くはないと思えます。
クロップ監督も試合後そこまで悲観したコメントではなく、攻めあぐねてはいましたがチャンスは作っていました。
チーム全体がEL決勝しかないと考えていることがあらためて感じられた試合でした。
最終節もコンディション調整と怪我なく終えてくれれば結果はそこまで重要ではないと思います。
去年のストーク戦のような大敗はないと思いますが、WBAですからね、怪我だけが心配です。
ララナはここぞのときに出してくれるいい選手ですね。ここにプレーの派手さが加わったらスペインやパリからの魔の手を心配しなくてはなりませんが、今ならリバプールの星になれそうな気がします。
天国と地獄どちらに転ぶか分かりませんが、
来季もELやり直しならプレミア専念の方がタイトルには近づくように思うのでどちらに転ぶにせよ、今はELの決勝だけが楽しみです
Mackiさん>
アザールが起きちゃいましたね。今日のチェルシーに1-1はやむなしでしょう。
nyonsukeさん>
ギャンブルではあるものの、名誉とCL出場権を両方取れるELに全力を傾けるという考え方は健全ですよね。何しろファイナルですので。
queenさん>
おっしゃるとおり、派手さはないですが、センスの塊ですよね。レッズのなかでは1位を争うぐらい好きな選手です。
Kさん>
わかります。私がレッズファンなら、同じです。