リンガード、スーパーゴール!マンチェスター・ユナイテッドが12年ぶりにFAカップ制覇!
攻め合いとなった前半。スロースタートが多いマンチェスター・ユナイテッドは、ドリブルでの仕掛けが多く、いつも以上にアグレッシブです。11分、CKに頭を突き出したフェライニの一撃は薄く当たってしまい、右にアウト。15分に中央から狙ったルーニーのミドルは、GKヘネシーが左に弾くも詰める選手はいません。パーデュー監督のチームは、ボラシェやザハの裏への抜け出しが要注意。18分にはスモーリングがウィッカムにちぎられ、デ・ヘアとの1対1に持ち込まれますが、先にファールを取ってもらえて助かりました。22分、右からバレンシアが出したラストパスをスアレがクリアすると、マタがダイレクトで叩くもヘネシーがセーブ。その3分後のCKは、フェライニが決めなければいけないビッグチャンスでしたが、またもヘディングをうまくコントロールできません。プレミアリーグでは5ゴールと、満足いくシーズンではなかったウィッカムが、今日は元気です。マン・ユナイテッドは自陣でのパスミスとカウンターには注意しなければいけません。
33分にラシュフォードが右サイドを崩した決定機は、フリーで待っていたマルシアルが珍しく力んでジョエル・ウォードにぶつけてしまいます。押しながらもゴールが奪えなかったマンチェスター・ユナイテッドは、前半を0-0で折り返しました。セカンドハーフも、ファン・ハール監督のチームが優勢です。53分にラシュフォードが巧妙な落としでフェライニをフリーにさせたシーンは、ニアへのシュートがバーを直撃。61分にバレンシアのクロスに合わせたマルシアルのヘッドも、左のポストに阻まれます。66分にはデラニーのタックルをよけきれずに左足を痛めたロホが、ダルミアンと交代。その5分後にはラシュフォードが下がり、アシュリー・ヤングです。
こういう展開は、えてして劣勢のチームが先制したりするもの。78分に最初のゴールを決めたのは、クリスタル・パレスでした。パンチュンのCKをフェライニがクリアすると、再度前線にボールを浮かされ、ラインを上げにいったマタの後ろにいたパンチュンがフリー。オフサイドの笛は、鳴りませんでした。左からの強烈なシュートに、デ・ヘアはなす術なし。大歓声のウェンブリー。パーデュー監督は、興奮のあまりスタンドに向かってダンスを披露しています。
マンチェスター・ユナイテッドが負けなかったのは、この終盤の手痛いビハインドを3分で取り返せたからでしょう。仕掛け人はやはりキャプテンでした。左にいたルーニーが逆サイドまでドリブルで持ち込み、クロスを上げると、フェライニが胸で落とした浮き球をマタがボレー。ジョエル・ウォードはブロックしきれず、股を抜けたボールがゴールに転がります。84分にバレンシアのクロスのこぼれを狙ったアシュリー・ヤングはDFにカットされ、94分のクリスタル・パレスのカウンターは、一瞬マークを外したザハのシュートが右に切れてしまいます。マタをリンガードに代えるも、マンチェスター・ユナイテッドは勝ち越しゴールを奪えず。2015-2016シーズンのFAカップ決勝は、延長戦に突入しました。
両者ともフィニッシュの一歩手前で止められるシーンが続き、101分にクリアを直接叩いたボラシェの強烈なボレーは、デ・ヘアの指先を抜けてわずかにポストの外。105分、脅威だったボラシェにカウンターを許したくなかったスモーリングが倒れながら足をつかんでしまい、2枚めのイエローで退場です。延長後半の15分を、マンチェスター・ユナイテッドは10人で戦うことになりました。こうなると、過去の対戦成績や直近のプレミアリーグでの勝敗などには、何の意味もありません。交代カードは既に使い切っており、このときは、何とかPK戦に持ち込むしかないかもしれないとまで思いました。106分にドワイド・ゲイルが縦パスに抜け出し、左足でプッシュした瞬間は敗戦を覚悟しましたが、デ・ヘアが足で弾き出すビッグセーブ。1-1のまま何とか耐えきりました。こういう展開は、えてして劣勢のチームが勝ち越したりするもの。109分にキャリックの惜しいヘディングシュートをお膳立てしたリンガードが、その1分後に試合を決めてくれました。
これは、スーパーゴールでした。110分、再三サイドを脅かしていたバレンシアの高速グラウンダー。デラニーが足に当てたボールが目前に浮くと、リンガードに迷いはありませんでした。右足を振り抜いたボレーは、ゴール左隅に一直線。ファン・ハール監督はガッツポーズでベンチを飛び出し、ライアン・ギグスとハグをかわしています。ジェディナクのシュートは右に切れて枠を外れました。もうスコアは動かないでしょう。ジョエル・ウォードのスルーパスはデ・ヘアが読んでおり、鋭く飛び出してキャッチ。ザハのミドルはバーを越えていきます。マンチェスター・ユナイテッド、12年ぶりのFAカップ制覇!サー・アレックス・ファーガソンが引退した後、これが最初のタイトルです。
ファン・ハールさん、ギグシー、スタッフのみなさん、そしてここまで戦い抜いた選手たちに、ありがとう、おつかれさまでしたと伝えたいです。ファーガソン時代からの主力選手が6人、3年の間に移籍してきた中堅が5人、20代前半の若手が3人。この日出場した14人を見ると、マンチェスター・ユナイテッドはいつの間にかバランスがいい構成になっていました。今季、指揮官が発掘した若い選手たちと、プレミアリーグにようやくフィットしてきた移籍組にはまだまだ伸びしろがあり、来季はさらなるジャンプアップが期待できそうです。ヨーロッパリーグに出場するチームにはイブラヒモヴィッチは来ないかもしれませんが、プレミアリーグ4位とFAカップ優勝のどちらがほしかったかといわれれば、私はタイトルでした。最高のフィナーレ。今はしばらく、この喜びに浸りきっていたいと思います。
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激しくてプレミアらしい試合でした
ラッシュフォードは才能ある選手ですね
モウリーニョは就任しますかね?
このままファンファールでもう1年やっても良いと思います
マッツァーリがワトフォードに就任が決まり
来季新しい監督になるチームも多くそこも楽しみですね
EL出場は決まってましたがタイトル獲得は格別で
ユナイテッドにはおめでとうと言いたいです
久しぶりのタイトルで非常にうれしく思います。
トロフィーをデヘアに手渡され、少し照れくさそうに掲げるファンハール監督の姿、表情もとてもよかったです。
モウリーニョさんの監督就任についてはここ数時間でBBCなど複数のメディアが報じ始めていますね。
来シーズンは誰が監督になろうとも、ファンとしては今シーズンのファンハール監督の仕事にリスペクトをしてあげたいです。
更新ご苦労様です。
優勝おめでとうございます!リンガードにラシュフォードそしてマルシャルと、いい若手が揃ってますね。来季はもっと覚醒しそうな気配です。何気に結果を出してしまうファン・ハール監督ですね。日本の報道はネガティヴな内容が多いですが、もっとリスペクトしてもいいと思います。
苦しいシーズンでしたが、タイトル獲得と共に幕引きできて嬉しく思います。ファーガソンさん勇退から3年ですか。長かったですね。タイトルを取ってからチームは始まる的な事を昔誰かが言っていた気がしますが、どうやらこのチームのボスは変わってしまうらしいです。あの奇妙なオランダ人と歩んだ2年間は悪い思い出が大半ですが、結果的に良いベースを残してくれましたし、次の監督も仕事がやりやすいのではないかと思います。半年に渡り解任報道にまみれながらも自身の確固たる哲学のもと、プロとしてタイトルをもたらしてくれたファン・ハールに改めて感謝の意を表したいです
おめでとうございます!長いトンネルからようやく抜け出しましたね。
来期はペップシティやコンテチェルシーを打ち倒す強いユナイテッドの再生に期待します。アーセナル戦ではお手柔らかにお願いしたいところですが(笑)
シティふぁんさん>
ありがとうございます。タイトル獲れてよかったです。ファン・ハール監督の3年めを見てみたい気にもなりますが、報道は違う話で盛り上がっています。
yutoさん>
そうですね。御大勇退の後、初めてのタイトルを勝ち取ってくれた監督には拍手です。
Mackiさん>
そう思います。絶好機を外すことが多かったリンガードが素晴らしかったです。
グローリーグローリーさん>
長かったですね…。年末は、どうなることかと思いました。若手をこれだけ残してくれて、タイトルまでもたらしてくれた監督には、とにかく感謝です。
queenさん>
ありがとうございます。アーセナルには、エミレーツでボコボコにされましたので、「お手柔らかに」という言葉はそのままお返しします(笑)