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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×MAN.UTD】96分にデクラン・ライス、ジェズスは101分!劇的ゴール2発でガナーズ勝利!

トーマスが欠場のアーセナルは、ジンチェンコがスタメン復帰。マンチェスター・ユナイテッドのベンチには、ホイルンドの姿があります。エミレーツで開催されるプレミアリーグ4節のゲームは、昨季の2位と3位が激突するシックスポインター。まずは両者の顔ぶれと布陣をチェックしておきましょう。

多くのグーナーが、スタメン予想を的中させたのではないでしょうか。GKラムズデール、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFデクラン・ライス、ウーデゴーア、カイ・ハヴェルツ、FWサカ、エンケティア、マルティネッリ。メディアの議論のテーマとなっているカイ・ハヴェルツは、持ち味を発揮できるでしょうか。

対するテン・ハフのチームは、前節のノッティンガム・フォレスト戦で負傷したヴァランが不在です。オナナ、ワン=ビサカ、リンデロフ、リサンドロ・マルティネス、ダロト、カゼミーロ、エリクセン、アントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ラシュフォード、マルシアル。開始から厳しいプレスを敢行していたアーセナルは、ジンチェンコが中央に入っています。

3分のショートコーナーは、エンケティアに当ててゴールライン際に出たマルティネッリが強引に打つも、ラシュフォードがブロック。アウェイチームは、カゼミーロとエリクセンが交互に最終ラインに下りて、ビルドアップを仕切っています。ガナーズのプレスは縦のコースを切っており、マンチェスター・ユナイテッドは2列めにボールが入りません。

デクラン・ライスのインターセプトから始まった13分の速攻は、マルティネッリのクロスをダロトがクリアミスし、マルシアルに当たったボールがカイ・ハヴェルツへ。決まるかと思われたシュートは足にかすっただけで、アウェイチームは命拾いしました。19分にサカが右から蹴ったCKは、競り勝ったデクラン・ライスのヘッドが枠を越えていきました。

27分、カイ・ハヴェルツのパスをインターセプトしたのはエリクセン。美しいスルーパスが左のラシュフォードに通り、中に切り返してベン・ホワイトをかわした10番の一撃が右隅に突き刺さりました。マンチェスター・ユナイテッドにとっては、初めてのシュート。しかしその1分後、ガナーズがあっさり追いつきました

左サイドから上がったジンチェンコがニアのエンケティアに預けると、ダイレクトのパスがボックス左のマルティネッリへ。優しいグラウンダーに走り込んだウーデゴーアのダイレクトショットは、オナナの指先を抜けてゴール右に決まりました。32分、エリクセンのサイドチェンジを受けたラシュフォードは、内側から上がったダロトに絶妙なパスを通しました。

折り返しを収めたブルーノがエリクセンに落とすと、右足のシュートはカイ・ハヴェルツがブロック。ガナーズのプレスは引き気味になっており、アウェイチームに余裕が生まれつつあります。38分のラシュフォードのミドルは、右にアウト。追加タイム2分のガナーズのCKは、エンケティアの落としを受けたサカのシュートをリンデロフが頭に当てています。

前半は1-1、シュート数は6対3、オンターゲットは2つのゴールシーンのみ。ブルーノ・フェルナンデスに仕事をさせていないアーセナルが優勢ですが、マンチェスター・ユナイテッドには鋭いカウンターという飛び道具があります。49分にウーデゴーアの浮き球を追ったマルティネッリは、アントニーに着かれて打てませんでした。

51分、ジンチェンコが中央に入れたパスでウーデゴーアがフリー。ボックス手前からの右足ミドルは、リサンドロ・マルティネスがブロックしています。マン・ユナイテッドの決定機は54分。ブルーノのラストパスをボックス左で受けたマルシアルと、フォローしたラシュフォードの連打は、2本ともラムズデールが冷静にセーブしました。

59分、デクラン・ライスの縦パスがエンケティアに入り、左から上がったカイ・ハヴェルツにラストパス。PKを取られたワン=ビサカは、オンフィールドレビューで接触なしとジャッジされました。リサンドロ・マルティネッリが座り込んだ66分、テン・ハフ監督はマルシアルも下げ、マグワイアとホイルンドを投入しました。

68分のショートコーナー。サカがボックス手前に流すと、マルティネッリのコントロールショットは右のポストをかすめました。72分、ゴールライン際でベン・ホワイトを抜いたラシュフォードがニアにラストパス。ガブリエウを背負ったホイルンドは打ち切れませんでした。残り時間は15分。アルテタ監督が動いたのは、このタイミングでした。

エンケティア、ジンチェンコ、カイ・ハヴェルツに代わってジェズス、冨安健洋、ファビオ・ヴィエイラ。78分にカウンターを仕掛けたラシュフォードは、強引なシュートをカットされています。81分、ウーデゴーアが右のベン・ホワイトに預け、素晴らしいグラウンダーがゴール前に入りますが、サカの決定的なラストタッチはオナナが足でブロックし、チームを救いました。

84分にリンデロフとアントニーが下がり、ジョニー・エヴァンスとガルナチョ。88分にカゼミーロのスルーパスで抜けたガルナチョのゴールシーンは、VARがオフサイドを指摘し、取り消されました。アルテタ監督は、90分にウーデゴーアとマルティネッリをネルソンとジョルジーニョ。追加タイムは8分です。

決勝ゴールは96分のCK。サカの右からのキックをファーでトラップしたデクラン・ライスのシュートが、ジョニー・エヴァンスの足に当たってニアをすり抜けました。最後のハイライトは101分。クロスのクリアをネルソンが拾って左に展開。ファビオ・ヴィエイラが前線に送った完璧なラストパスで、ジェズスが抜け出しました。

追いついたダロトはキックフェイントでかわされ、オナナの逆を突いたクレバーなフィニッシュがネットを揺らしました。タイムアップの笛は103分、勝ったのはアーセナル。ガルナチョが飛び出すのが見えた瞬間、ピタリと足を止めてオフサイドを成立させたガブリエウの隠れたファインプレーが、勝利を手繰り寄せた一戦でした。

ラシュフォード以外の前線と中盤が3本しか打てなかったマンチェスター・ユナイテッドは、勝利にふさわしかったのはホームチームだと認めなければなりません。ゲームをコントロールできていたのは、ウーデゴーアに決められた後の10分ぐらいで、10番の個人技とカウンター頼みとなってしまいました。

貴重な3ポイントを奪取したアーセナルは、ジェズスの今季プレミアリーグ初ゴールとファビオ・ヴィエイラの2戦連続アシストという大きな収穫を得て、ゲームを畳むことができました。初年度は冴えなかった23歳のプレーメイカーは、ここまでのパス成功率が100%。チームにフィットし始めている2年めは、カイ・ハヴェルツからポジションを奪取してしまうかもしれません。

ガナーズは勝ち点を10に伸ばし、マン・シティと2ポイント差の5位に浮上。早くも2敗となったマンチェスター・ユナイテッドは最終ラインが負傷者続出で、しばらくは苦しい戦いを強いられそうです。ガルナチョの飛び出しがコンマ数秒、遅かったら…。いや、優勝候補をホームで敗戦寸前に追い込んだとポジティブに考え、次のブライトン戦に向かいましょう。


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