2023.10.26 マンチェスター・ユナイテッドの話題
リスタートから6分以内に9失点…マンチェスター・ユナイテッドに勝つ方法、教えます!
90分まで0-1で負けていたブレントフォード戦は、スコットランド代表でゴールマシンと化しているマクトミネイの神がかりな2発で逆転勝利。最下位シェフィールド・ユナイテッドに苦戦した前節のプレミアリーグは、マクトミネイとダロトのゴールで競り勝っています。
コペンハーゲンに押しまくられたCLは、マグワイアのヘッドとオナナのPKストップで何とか3ポイント。オールド・トラフォードに格下のクラブを招いたゲームでも、残り20分までイーブンという厳しい展開ばかりのマンチェスター・ユナイテッドは、放出候補と不振の選手の活躍で綱渡りを続けています。
逆にいえば、主力が本領を発揮していないチームということになります。鳴り物入りで加わったホイルンドは、未だプレミアリーグではノーゴールで、CLで決めた3発も勝利にはつながっていません。ラシュフォードの唯一のゴールも、3-1で敗れたアーセナル戦。今季公式戦で決勝ゴールをゲットしたことがある前線の選手は、ブルーノ・フェルナンデスとガルナチョのみです。
カゼミーロは守備におけるミスが多く、エリクセンのパフォーマンスも昨シーズンのレベルではありません。ヴァランはビルドアップ時のポジショニングとムーブに難があり、ワン=ビサカ、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショーは全員リタイア。負傷者はさておき、レギュラーの同時多発スランプは、何が原因なのでしょうか。
3週間前に、「アスレティック」が興味深いレポートを配信しています。「A lack of control is behind Manchester United’s vulnerability when games restart(試合再開時のマンチェスター・ユナイテッドの脆さの背後にあるコントロールの欠如)」。テン・ハフのチームは、ゴールの直後の失点が多いというお話です。
バイエルン・ミュンヘンに4-3で敗れたCLの開幕戦では、レロイ・サネのシュートをオナナが後ろに逸らした4分後に、ニャブリが追加点。後半開始直後にホイルンドが決めると、4分後にハリー・ケインのPKで突き放されています。ラスト2分にカゼミーロの一撃で3-2に迫ると、4分後にマティス・テル。最後は4-3でしたが、追いつくチャンスはありませんでした。
2戦めのガラタサライとのホームゲームでも、ホイルンドの先制ゴールの6分後にザハ。後半に入り、ホイルンドが勝ち越しゴールを決めると、4分後にアクトゥルコールをフリーにして失点を喫しています。奇妙な悪癖が出現するのは、チャンピオンズリーグだけではありません。プレミアリーグでは、前半と後半の立ち上がりに失点が集中しています。
2節のスパーズ戦は、後半開始4分にパペ・マタル・サール。続くノッティンガム・フォレスト戦は、キックオフから5分で2点のビハインドを背負っています。アーセナル戦は、ラシュフォードのゴールの1分後に左サイドを崩され、最後はウーデゴーア。シェフィールド・ユナイテッド戦でマクバーニーにPKを決められたのは、マクトミネイのゴールの6分後でした。
公式戦13試合で、リスタートから6分以内の失点が9つもあるのは偶然ではないでしょう。「アスレティック」のカール・アンカ記者は、「技術的な欠陥」「戦術の問題」「リーダーシップの欠如」という3つの要因があると指摘しています。
「今のユナイテッドには、相手からプレッシャーをかけられてもラクに受けられる選手や、周囲を翻弄してスルーパスを出せる選手がいない。その結果、落ち着いてボールを持てる時間がほとんどなくなっている」
「チーム内の技術的な欠点を察知したのか、テン・ハフはボールを素早く前に運び、ハイテンポでプレイするように促している。しかしそうなるとパスの精度が落ちてしまい、前線に人数をかけすぎてボールを失うことが多い。カゼミーロの不安定なパフォーマンスによって、DFは守備の定位置から引きずり出され、下がるときに必要なセーフティネットを失っている」
「ボールを持っているときも持っていないときも、ミスを犯す選手が多すぎる。さらに、リーダーシップを取るグループからの注意喚起も不足しているようだ。『冷静になれ』『まだ0-0だ』といった声は、CLより草サッカーレベルでよく聞こえてくるものだが、ユナイテッドは緊張する場面で集中力を持続させられる経験豊富なリーダーが欠けているように見える」
ビルドアップの際に受けやすいエリアを常に探しているデクラン・ライス、左サイドで詰まると正確なサイドチェンジをサラーに通すファン・ダイク、預ける相手を間違えないロドリ…攻めるエリアやペースを変えられるリーダーがいないことが、ゴールを奪い返そうとアグレッシブに仕掛けてくるチームへの対応のまずさにつながっているようです。
そもそも、テン・ハフ監督がよくいう「コントロール」「ハイテンポ」は、ときどき矛盾します。ピッチの上でスローとクイックの使い分けを仕切れる選手、後方からの長短のボールで変化をもたらすことができる選手が必要ということなのでしょう。ビルドアップ時に動かないヴァランと、さばくのが遅いマグワイアでは無理なのか。リサンドロ・マルティネス…!
というわけで、ライバルクラブのみなさまには、マンチェスター・ユナイテッドに勝つためのポイントをお伝えします。まずは2人のCBにプレスをかけてください。MFのポジショニングが悪いので、縦には出てこないでしょう。苦し紛れにSBに出した瞬間が絶好のチャンス。ウイングへのコースを切って刈り取ってください。
攻める際は、中盤センターとCB、CBとSBの間のスペースが狙いめです。 ピンとこない方は、ガラタサライの攻め方を参考にしてください。キックオフ直後とハーフタイム明けは、迷わずラッシュ。失点を喫してもひるまずラッシュ。最終ラインが引きすぎる癖があるので、CBの前にできたスペースにグラウンダーを通しましょう。
…迅速に課題解決をしなければならない状況なのに、マグワイアとマクトミネイを残そうかなどと悠長なことをいっていると、指揮官のほうが追い出されるという悪夢を招く可能性があります。カゼミーロ、アムラバト、エリクセン、ブルーノ、マウントをいかにうまく動かすかでしょう。首位と8ポイント差なら、まだ間に合います。ぜひ改革を!
コペンハーゲンに押しまくられたCLは、マグワイアのヘッドとオナナのPKストップで何とか3ポイント。オールド・トラフォードに格下のクラブを招いたゲームでも、残り20分までイーブンという厳しい展開ばかりのマンチェスター・ユナイテッドは、放出候補と不振の選手の活躍で綱渡りを続けています。
逆にいえば、主力が本領を発揮していないチームということになります。鳴り物入りで加わったホイルンドは、未だプレミアリーグではノーゴールで、CLで決めた3発も勝利にはつながっていません。ラシュフォードの唯一のゴールも、3-1で敗れたアーセナル戦。今季公式戦で決勝ゴールをゲットしたことがある前線の選手は、ブルーノ・フェルナンデスとガルナチョのみです。
カゼミーロは守備におけるミスが多く、エリクセンのパフォーマンスも昨シーズンのレベルではありません。ヴァランはビルドアップ時のポジショニングとムーブに難があり、ワン=ビサカ、リサンドロ・マルティネス、ルーク・ショーは全員リタイア。負傷者はさておき、レギュラーの同時多発スランプは、何が原因なのでしょうか。
3週間前に、「アスレティック」が興味深いレポートを配信しています。「A lack of control is behind Manchester United’s vulnerability when games restart(試合再開時のマンチェスター・ユナイテッドの脆さの背後にあるコントロールの欠如)」。テン・ハフのチームは、ゴールの直後の失点が多いというお話です。
バイエルン・ミュンヘンに4-3で敗れたCLの開幕戦では、レロイ・サネのシュートをオナナが後ろに逸らした4分後に、ニャブリが追加点。後半開始直後にホイルンドが決めると、4分後にハリー・ケインのPKで突き放されています。ラスト2分にカゼミーロの一撃で3-2に迫ると、4分後にマティス・テル。最後は4-3でしたが、追いつくチャンスはありませんでした。
2戦めのガラタサライとのホームゲームでも、ホイルンドの先制ゴールの6分後にザハ。後半に入り、ホイルンドが勝ち越しゴールを決めると、4分後にアクトゥルコールをフリーにして失点を喫しています。奇妙な悪癖が出現するのは、チャンピオンズリーグだけではありません。プレミアリーグでは、前半と後半の立ち上がりに失点が集中しています。
2節のスパーズ戦は、後半開始4分にパペ・マタル・サール。続くノッティンガム・フォレスト戦は、キックオフから5分で2点のビハインドを背負っています。アーセナル戦は、ラシュフォードのゴールの1分後に左サイドを崩され、最後はウーデゴーア。シェフィールド・ユナイテッド戦でマクバーニーにPKを決められたのは、マクトミネイのゴールの6分後でした。
公式戦13試合で、リスタートから6分以内の失点が9つもあるのは偶然ではないでしょう。「アスレティック」のカール・アンカ記者は、「技術的な欠陥」「戦術の問題」「リーダーシップの欠如」という3つの要因があると指摘しています。
「今のユナイテッドには、相手からプレッシャーをかけられてもラクに受けられる選手や、周囲を翻弄してスルーパスを出せる選手がいない。その結果、落ち着いてボールを持てる時間がほとんどなくなっている」
「チーム内の技術的な欠点を察知したのか、テン・ハフはボールを素早く前に運び、ハイテンポでプレイするように促している。しかしそうなるとパスの精度が落ちてしまい、前線に人数をかけすぎてボールを失うことが多い。カゼミーロの不安定なパフォーマンスによって、DFは守備の定位置から引きずり出され、下がるときに必要なセーフティネットを失っている」
「ボールを持っているときも持っていないときも、ミスを犯す選手が多すぎる。さらに、リーダーシップを取るグループからの注意喚起も不足しているようだ。『冷静になれ』『まだ0-0だ』といった声は、CLより草サッカーレベルでよく聞こえてくるものだが、ユナイテッドは緊張する場面で集中力を持続させられる経験豊富なリーダーが欠けているように見える」
ビルドアップの際に受けやすいエリアを常に探しているデクラン・ライス、左サイドで詰まると正確なサイドチェンジをサラーに通すファン・ダイク、預ける相手を間違えないロドリ…攻めるエリアやペースを変えられるリーダーがいないことが、ゴールを奪い返そうとアグレッシブに仕掛けてくるチームへの対応のまずさにつながっているようです。
そもそも、テン・ハフ監督がよくいう「コントロール」「ハイテンポ」は、ときどき矛盾します。ピッチの上でスローとクイックの使い分けを仕切れる選手、後方からの長短のボールで変化をもたらすことができる選手が必要ということなのでしょう。ビルドアップ時に動かないヴァランと、さばくのが遅いマグワイアでは無理なのか。リサンドロ・マルティネス…!
というわけで、ライバルクラブのみなさまには、マンチェスター・ユナイテッドに勝つためのポイントをお伝えします。まずは2人のCBにプレスをかけてください。MFのポジショニングが悪いので、縦には出てこないでしょう。苦し紛れにSBに出した瞬間が絶好のチャンス。ウイングへのコースを切って刈り取ってください。
攻める際は、中盤センターとCB、CBとSBの間のスペースが狙いめです。 ピンとこない方は、ガラタサライの攻め方を参考にしてください。キックオフ直後とハーフタイム明けは、迷わずラッシュ。失点を喫してもひるまずラッシュ。最終ラインが引きすぎる癖があるので、CBの前にできたスペースにグラウンダーを通しましょう。
…迅速に課題解決をしなければならない状況なのに、マグワイアとマクトミネイを残そうかなどと悠長なことをいっていると、指揮官のほうが追い出されるという悪夢を招く可能性があります。カゼミーロ、アムラバト、エリクセン、ブルーノ、マウントをいかにうまく動かすかでしょう。首位と8ポイント差なら、まだ間に合います。ぜひ改革を!
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ハイセンスな自虐ネタ、ありがとうございます…!!
笑っちゃいけないと思いつつ、軽妙で丁寧かつ的確にアドバイスしていくスタイルが面白すぎます笑