偏愛的プレミアリーグ見聞録

火曜日の勝者は、ポートヴェイルとミドルズブラ。ベスト8を争うカラバオカップ4回戦は、残る6試合が時間差で開催されました。ウェストハムは、オウンゴールとクドゥス、ボーウェンの連発でアーセナルに3-1。イプスウィッチの本拠地ポートマン・ロードに乗り込んだフラムは、ハリー・ウィルソン、ムニス、ケアニーが決めて1-3でクリアしています。

ボーンマスとアウェイで戦ったリヴァプールが先制したのは31分。CKからのクリアがエリオットの足元に届き、左足のミドルがガクポに向かうと、右足アウトでコースを変えたストライカーは、GKラドゥが弾いたボールを冷静にプッシュしました。64分のCKをクライファートがヘッドで決めた6分後、アップセットの予感を吹き飛ばしたのは9番のスーパーショットでした。

左サイドでトラップミスして外に流れたボールを拾った後、メファムをかわしてGKの頭上に叩き込むバタバタ感は、いかにもダルウィン・ヌニェスです。シュート数16対18、オンターゲット6対7の激戦を制したレッズは、直近の公式戦6試合を5勝1分と好調をキープ。デュエルで競り負けるシーンが多かった遠藤航は、61分にピッチを去っています。

週末のプレミアリーグでブレントフォードに0-2で敗れたチェルシーは、ブラックバーンをスタンフォード・ブリッジに迎えた一戦を2-0で快勝。30分のショートコーナーから、コナー・ギャラガーのクロスに反応したGKヴァールシュテットのパンチは中途半端で、バディアシルのダイレクトショットがど真ん中に決まりました。

2点めは59分、左にいたコール・パルマーがビルドアップのミスパスをカットし、ラストパスをもらったスターリングのコントロールショットが右隅へ。両方ともブラックバーンのミスを突いたゴールとはいえ、得点力不足にあえいでいるチームにとって、2発ゲットの勝利は復調のために必要なプロセスです。

頬骨を骨折したカルヴァート＝ルーウィンの復帰以来、公式戦5勝3敗と巻き返しモードに入ったエヴァートンは、タルコフスキー、オナナ、アシュリー・ヤングのゴールでバーンリーに3-0。最も遅いキックオフは、昨季プレミアリーグのTOP4対決となったマンチェスター・ユナイテッドVSニューカッスルです。

マンチェスターダービーで完敗したテン・ハフ監督のチームは、オールド・トラフォードで2戦連続0-3となると、「メンバーを落としたから」という言い訳はできないでしょう。28分にガルナチョから奪ったリヴラメントが、メイソン・マウントとハンニバル・メイブリを抜き去って中央にスプリントし、左から上がったアルミロンに美しいスルーパスを通しました。

オナナの前に出た24番は、難なく右隅にゲット。ゆっくり戻りながらSBのドリブルを見ていたダロトは、危機感が足りませんでした。2点めは36分。左サイドでキープしたアルミロンがボックス左に出たウィロックに浮き球を通し、クロスをマグワイアがクリアすると、ルイス・ホールの素晴らしいボレーが右のサイドネットに突き刺さりました。

ハーフタイムにダロトとカゼミーロを下げ、ワン＝ビサカとアムラバトを入れたテン・ハフ監督は、勝負を決する60分のゴールを見て表情を失っています。自陣でアムラバトがジョエリントンに奪われ、こぼれ球を拾ったウィロックがドリブルで中央へ。マグワイアは詰められず、リンデロフは振り回され、ボックス入り口からの右足の一撃を見送るしかありませんでした。

ポゼッション80%と攻めていた時間帯の激痛の失点で勝負あり。マット・リッチー、ウィロック、ルイス・ホール、リヴラメント、ダメット、クラフト、ドゥブラフカと、今季プレミアリーグで先発ゼロが7人もいたチームが快勝で準々決勝に進出しました。これだけ多くの選手が不振に陥り、ホームで惨敗続きのチームは、指揮官の進退問題が取り沙汰されるかもしれません。

次のラウンドの組み合わせは、エヴァートンVSフラム、チェルシーVSニューカッスル、ポートヴェイルVSミドルズブラ、リヴァプールVSウェストハム。大方の優勝予想は、レッズかマグパイズでしょう。12月開催の4試合は、リーグ1（3部相当）所属のポート・ベイルの戦いぶりにも注目です。