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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

祝★冨安健洋、グーナーが選んだ月間MVP!この機会にアーセナルの左サイド問題を考える。

「このフルバックは、ランスとセヴィージャで行われた欧州の2試合で180分フル出場。スペインではバックラインとして重要な勝利に貢献した。プレミアリーグでの3度の交代出場でも、インパクトを残している」

「マンチェスター・シティ戦では残り15分でベンチを離れ、マルティネッリの決勝ゴールで重要な役割を果たした。チェルシー戦のハーフタイムに投入されたときもチームを助け、2-0からの挽回に貢献して勝ち点1を獲得した。そして土曜日、プレミアリーグで50試合めとなった5-0大勝のシェフィールド・ユナイテッド戦で、初めてネットを揺らして10月を締めくくった」

「ゴールもさることながら、トミは264分間のプレイで4つのインターセプトと12のリカバリーを記録し、8回のデュエルに勝利している。パス成功は149本。ピッチの両サイドで影響力がある存在であることを証明した」

アーセナルの公式サイトが、グーナーの投票による月間MVPに冨安健洋が選出されたと発表しています。2021年9月以来、2回めの受賞は得票率が64%の圧勝だったそうです。おめでとうございます!プレミアリーグでは3試合とも後半からの出場で、トータル84分しかプレイしていないのに、これほどの評価を得るとは…。

ゴールを生み出したマン・シティ戦、チェルシーの右サイドを無力化したロンドンダービー、初ゴールのシェフィールド・ユナイテッド戦と高評価のポイントは多様で、攻撃における貢献度が高かったのが2年前の初受賞との大きな違いです。現地では、ハマーズとのカラバオカップでも守備における不安が露呈したジンチェンコより、冨安を重用すべきという声が強まっているようです。

アーセナルの左サイドの議論は、わかりやすくいうと「グラニト・ジャカの後釜問題」ですが、フルバックやガブリエウも視野に入れたトータルの解決策として考えたほうがいいでしょう。現在、左のインサイドで最も機能するのはデクラン・ライスで、トーマスの負傷が癒えたらアンカーに配し、右にウーデゴーアというのが最適な布陣に見えます。

ただしこの形は、プレーエリアが広いデクラン・ライスと偽SBの連携が重要になってきます。ビルドアップの際は最終ラインまで下がり、右サイドでインターセプトすることもあるイングランド代表と、中央に絞るジンチェンコとの組み合わせは、右ウイングの突破を許すシーンが増えるという難点があります。

サイドで3対2と優位だったのにフランコフスキに裏を取られたランス戦の決勝ゴールや、クドゥスにトラップでかわされたハマーズ戦の2点めは、ジンチェンコの対応次第で防げた失点です。デクラン・ライスが左に入る布陣では、彼の留守をカバーしつつ、サイドアタックを封じられる冨安のほうが機能するのではないかと思います。

次に考えたいのは、「カイ・ハヴェルツやファビオ・ヴィエイラをジャカのポジションでどう活かすか」です。ジンチェンコがアンカーの脇に入り、前に出た彼らに的確なフィードを入れられればチャンスが広がります。マルティネッリと攻撃的なレフティがゴール前に殺到する展開に持ち込めれば、冨安よりジンチェンコといえそうです。

いい方を変えると、こうなります。「サラー、スターリング、ペドロ・ネト、ボーウェンなど、右サイドに強力なアタッカーが入ってくるチームには冨安。制圧できそうなチームにはジンチェンコ」。あるいは、その中間という考え方もあるかもしれません。冨安を左のSBに置いて、ジンチェンコをインサイドという布陣はいかがでしょうか。

もともとはデブライネとポジションを争っていたジンチェンコは、ウクライナ代表ではセントラルMFで起用されることも多く、左のインサイドは得意なポジションのひとつでしょう。今のカイ・ハヴェルツや、うまくはまらない日のファビオ・ヴィエイラより、決定的なシーンを増やしてくれそうです。

アルテタ監督のなかには「中盤を強化する偽SB」というモチーフがあるようで、実現性は低そうですが、一度見てみたい戦い方ではあります。ウーデゴーア、トーマス、デクラン・ライスか。ウーデゴーア、デクラン・ライス、左は…?来年の春には、カイ・ハヴェルツで問題なしになっているかもしれませんが、もうしばらく左サイド問題は議論のテーマとなりそうです。


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