2023.11.07 プレミアリーグ観戦記2023-24プレミアリーグ観戦記
【Tottenham×Chelsea】9人なのにハイライン…自らのスタイルを貫いたスパーズ、最後に撃沈!
ハリー・ケイン、エリクセン、デル・アリ、トリッピアー、アルデルヴァイレルト…2019年の春、ポチェッティーノ監督とともに欧州のファイナルで戦ったメンバーで残っているのは、ソン・フンミン、ベン・デイヴィス、ロリスだけです。ポステコグルー率いる新生スパーズは、8勝2分という快進撃で順位テーブルの頂点に立っています。
マンデーナイトの11人は、現在のベストメンバーです。GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ。中盤センターはイヴ・ビスマとパペ・マタル・サール、2列めはクルゼフスキ、ジェームズ・マディソン、ブレナン・ジョンソン、最前線にソン・フンミンの4-2-3-1。リシャルリソン、ホイビュルク、ベンタンクールはベンチスタートです。
一方、ポチェッティーノ監督が古巣対決で揃えた選手たちも、ベストといっていいでしょう。ロベルト・サンチェス、リース・ジェームズ、ディサシ、チアゴ・シウヴァ、コルウィル。エンソ・フェルナンデス、コナー・ギャラガー、カイセド、コール・パルマー、ニコラス・ジャクソン、スターリング。3勝3分4敗で暫定13位のチームは、負けるわけにはいきません。
立ち上がりから間もなく、ポゼッションを取ったのはホームのスパーズ。左にいたジェームズ・マディソンからパペ・マタル・サール、クルゼフスキと右につながったのは6分でした。カットインしたウインガーがボックスに入って左足を振り抜くと、コルウィルの背中に当たってコースが変わったボールがロベルト・サンチェスの逆を突き、ネットを揺らしました。
先制されたチェルシーの決定機は11分。左にまわったペドロ・ポロが空振りし、奪ったスターリングが左に流れたニコラス・ジャクソンにラストパスを通しました。2人をかわして右足で打った決定的な一撃は、ヴィカーリオが左に弾き出すビッグセーブ!13分の速攻で、ブレナン・ジョンソンのグラウンダーを押し込んだソン・フンミンは、VARにオフサイドを取られています。
21分、左にロングフィードを出したのはリース・ジェームズ。ペドロ・ポロに最初のシュートをブロックされたスターリングは、こぼれ球を拾って強引にゴール前に持ち込み、右足でねじ込みました。同点かと思いきや、VARが直前のハンドを映し出しておりノーゴール。このシーンをきっかけに、チェルシーが攻勢を強めています。
スパーズのビルドアップからの縦パスを次々にカットするアウェイチームは、27分にカイセドが決めたミドルも、オフサイドポジションにいたニコラス・ジャクソンが関与したと見做され取り消されました。しかしその直前に、ボックス内でクリアしたロメロのスパイクの裏がエンソ・フェルナンデスの脛に入ったとして、オンフィールドレビューが行われています。
マイケル・オリヴァーのジャッジは、PKと1発レッド。インターセプトしたカイセドがニコラス・ジャクソンに縦パスを通してから、コール・パルマーがPKスポットに立つまでに、異例の7分が費やされています。スパーズの指揮官はブレナン・ジョンソンを下げ、エリック・ダイアー。20番のキックを読んだGKは触ったものの、右ポストを叩いたボールは枠に収まりました。
44分、ラインの裏に出たボールをニコラス・ジャクソンと競ったファン・デ・フェンが、右のハムストリングを押さえて転倒。直前に左の足首を痛め、ピッチの脇に出ていたジェームズ・マディソンも続行不可能のようで、エメルソン・ロイヤルとホイビュルクが送り出されました。追加タイムは12分。3分のリース・ジェームズのきわどいクロスは、ヴィカーリオがクリアしました。
10人のチームは、ハーフラインにDF3人が並ぶリスキーなフォーメーションで攻めようとしています。コルウィルとパペ・マタル・サールの揉み合いは、両者ともにイエロー。ゴール取り消し、1発レッド、PK、攻撃と守備のキーマンのリタイアと事件が続いたゲームは、殺伐とした空気が漂っています。
前半は1-1。後半開始直後、リース・ジェームズのフィードで裏に抜けたニコラス・ジャクソンは、ボックスから飛び出したヴィカーリオに先着されています。47分にコナー・ギャラガーのパスを中央で受けたコール・パルマーのシュートは、左にアウト。直後、クルゼフスキが敵陣で奪ったショートカウンターは、パペ・マタル・サールがソン・フンミンにつなげません。
スターリングとイヴ・ビスマがシュートをブロックされた後、54分のチェルシーのカウンターは3対2。ラストパスをカットしたウドジェは、こぼれ球を追ったスターリングの足を蹴ってしまい、2枚めのイエローでピッチを去りました。FKから右のリース・ジェームズが縦に突破してクロスを上げると、至近距離からのニコラス・ジャクソンのヘッドはホイビュルクがぎりぎりでクリアしました。
ハーフタイムにコルウィルをククレジャに代えていたポチェッティーノ監督は、58分にエンソ・フェルナンデスをムドリクにチェンジ。ポステコグルー監督は、61分にパペ・マタル・サールとクルゼフスキに代えてベンタンクールとオリヴァー・スキップを入れています。64分のムドリクの縦パスも、出てくると読んでいたヴィカーリオが大きく蹴り出しました。
68分にラインを突破したのはククレジャ。ペドロ・ポロを切り返しでかわした瞬間、飛び出してきた守護神がシュートをカットし、2人少ないチームを救いました。ポステコグルー監督は、クレイジーなハイラインを最後まで続けるつもりでしょうか。ニコラス・ジャクソン、ムドリク、ククレジャは、虎視眈々と裏に出るタイミングを窺っています。
75分、ついに抜け出したのはスターリング。右からボックスに入った7番が中央に転がすと、GKと向き合ったニコラス・ジャクソンが左足で流し込みました。1-2となった77分、リース・ジェームズに代わってマロ・グスト。78分の左からのFKをベンタンクールとディサシが競り、右から上がったエリック・ダイアーがボレーを叩き込むと、これもまたVARによってオフサイドです。
86分、ペドロ・ポロが左から入れたFKに飛び込んだベンタンクールのヘッドは、惜しくも右ポストの外。追加タイムは9分です。右サイドで奪ったスパーズが速攻を仕掛けたのは94分。オリヴァー・スキップが斜めのパスでソン・フンミンを走らせると、ドリブルでボックスに持ち込んだエースの左足シュートは、ロベルト・サンチェスが左に反応してセーブしました。
そこから右にまわったボールがコール・パルマーに渡り、縦に出たボールを追ったコナー・ギャラガーが独走。中央に通ったラストパスをプッシュしたのは、ニコラス・ジャクソンです。さらに97分、コール・パルマーの浮き球で飛び出したストライカーとムドリクは、2人ともフリーでゴールに向かっています。
ムドリクに譲ろうとしていたニコラス・ジャクソンはパスのタイミングを見出せず、ヴィカーリオを抜き去ってハットトリック。自らのコンセプトを貫き、ラインを下げようとしなかったチームは、前から追えないハイラインがいかに危険であるかを思い知らされました。1-4、チェルシー完勝。いさぎよく散ったスパーズにとっては、3ポイントとDF3人を失う厳しいゲームでした。
VARの介入は8回、ゴール取り消し5回、ポステコグルー監督を含む8枚のイエロー、追加タイムはトータル21分。両足タックルのウドジェとコルウィルを後ろから蹴ったロメロは、1発レッドのピンチを2回逃れることはできませんでした。スパーズのサポーターたちは、タイムアップの直後に勇敢だった選手たちを称えましたが、客観的な評価は2つに分かれるのではないでしょうか。
「ハイラインを貫いたからこそ、エリック・ダイアーやベンタンクール、ソン・フンミンの惜しいシーンがあった」とするか、「ラインの背後を狙われているのは明らかで、どこかで下がったほうがポイントに近づけた」と見るか。長いシーズンを戦い抜くためのチームマネジメントという観点では前者だと思いつつ、あれでは敗戦は必至だったという主張にもうなずかされます。
後半はやりにくそうだったチェルシーは、リース・ジェームズとコール・パルマーが右サイドからラインの背後を突き、勝利を手繰り寄せました。同点ゴールはPKでしたが、ロメロ退場の手前からプレスで奪う姿勢を見せてチャンスを創っており、狙い通りの攻め方で果実を得たといっていいでしょう。
ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェを一気に失ったスパーズの次戦はウルヴズ。指揮官が打撲といっていたジェームズ・マディソンが、元気にプレイできるよう祈るしかありません。スタンフォード・ブリッジにペップのチームを迎えるブルーズは、調子を上げてきた前線の爆発に期待しましょう。いやー、疲れました。シーズンに2回も9人のチームを見るとは…。
マンデーナイトの11人は、現在のベストメンバーです。GKヴィカーリオ、DFペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ。中盤センターはイヴ・ビスマとパペ・マタル・サール、2列めはクルゼフスキ、ジェームズ・マディソン、ブレナン・ジョンソン、最前線にソン・フンミンの4-2-3-1。リシャルリソン、ホイビュルク、ベンタンクールはベンチスタートです。
一方、ポチェッティーノ監督が古巣対決で揃えた選手たちも、ベストといっていいでしょう。ロベルト・サンチェス、リース・ジェームズ、ディサシ、チアゴ・シウヴァ、コルウィル。エンソ・フェルナンデス、コナー・ギャラガー、カイセド、コール・パルマー、ニコラス・ジャクソン、スターリング。3勝3分4敗で暫定13位のチームは、負けるわけにはいきません。
立ち上がりから間もなく、ポゼッションを取ったのはホームのスパーズ。左にいたジェームズ・マディソンからパペ・マタル・サール、クルゼフスキと右につながったのは6分でした。カットインしたウインガーがボックスに入って左足を振り抜くと、コルウィルの背中に当たってコースが変わったボールがロベルト・サンチェスの逆を突き、ネットを揺らしました。
先制されたチェルシーの決定機は11分。左にまわったペドロ・ポロが空振りし、奪ったスターリングが左に流れたニコラス・ジャクソンにラストパスを通しました。2人をかわして右足で打った決定的な一撃は、ヴィカーリオが左に弾き出すビッグセーブ!13分の速攻で、ブレナン・ジョンソンのグラウンダーを押し込んだソン・フンミンは、VARにオフサイドを取られています。
21分、左にロングフィードを出したのはリース・ジェームズ。ペドロ・ポロに最初のシュートをブロックされたスターリングは、こぼれ球を拾って強引にゴール前に持ち込み、右足でねじ込みました。同点かと思いきや、VARが直前のハンドを映し出しておりノーゴール。このシーンをきっかけに、チェルシーが攻勢を強めています。
スパーズのビルドアップからの縦パスを次々にカットするアウェイチームは、27分にカイセドが決めたミドルも、オフサイドポジションにいたニコラス・ジャクソンが関与したと見做され取り消されました。しかしその直前に、ボックス内でクリアしたロメロのスパイクの裏がエンソ・フェルナンデスの脛に入ったとして、オンフィールドレビューが行われています。
マイケル・オリヴァーのジャッジは、PKと1発レッド。インターセプトしたカイセドがニコラス・ジャクソンに縦パスを通してから、コール・パルマーがPKスポットに立つまでに、異例の7分が費やされています。スパーズの指揮官はブレナン・ジョンソンを下げ、エリック・ダイアー。20番のキックを読んだGKは触ったものの、右ポストを叩いたボールは枠に収まりました。
44分、ラインの裏に出たボールをニコラス・ジャクソンと競ったファン・デ・フェンが、右のハムストリングを押さえて転倒。直前に左の足首を痛め、ピッチの脇に出ていたジェームズ・マディソンも続行不可能のようで、エメルソン・ロイヤルとホイビュルクが送り出されました。追加タイムは12分。3分のリース・ジェームズのきわどいクロスは、ヴィカーリオがクリアしました。
10人のチームは、ハーフラインにDF3人が並ぶリスキーなフォーメーションで攻めようとしています。コルウィルとパペ・マタル・サールの揉み合いは、両者ともにイエロー。ゴール取り消し、1発レッド、PK、攻撃と守備のキーマンのリタイアと事件が続いたゲームは、殺伐とした空気が漂っています。
前半は1-1。後半開始直後、リース・ジェームズのフィードで裏に抜けたニコラス・ジャクソンは、ボックスから飛び出したヴィカーリオに先着されています。47分にコナー・ギャラガーのパスを中央で受けたコール・パルマーのシュートは、左にアウト。直後、クルゼフスキが敵陣で奪ったショートカウンターは、パペ・マタル・サールがソン・フンミンにつなげません。
スターリングとイヴ・ビスマがシュートをブロックされた後、54分のチェルシーのカウンターは3対2。ラストパスをカットしたウドジェは、こぼれ球を追ったスターリングの足を蹴ってしまい、2枚めのイエローでピッチを去りました。FKから右のリース・ジェームズが縦に突破してクロスを上げると、至近距離からのニコラス・ジャクソンのヘッドはホイビュルクがぎりぎりでクリアしました。
ハーフタイムにコルウィルをククレジャに代えていたポチェッティーノ監督は、58分にエンソ・フェルナンデスをムドリクにチェンジ。ポステコグルー監督は、61分にパペ・マタル・サールとクルゼフスキに代えてベンタンクールとオリヴァー・スキップを入れています。64分のムドリクの縦パスも、出てくると読んでいたヴィカーリオが大きく蹴り出しました。
68分にラインを突破したのはククレジャ。ペドロ・ポロを切り返しでかわした瞬間、飛び出してきた守護神がシュートをカットし、2人少ないチームを救いました。ポステコグルー監督は、クレイジーなハイラインを最後まで続けるつもりでしょうか。ニコラス・ジャクソン、ムドリク、ククレジャは、虎視眈々と裏に出るタイミングを窺っています。
75分、ついに抜け出したのはスターリング。右からボックスに入った7番が中央に転がすと、GKと向き合ったニコラス・ジャクソンが左足で流し込みました。1-2となった77分、リース・ジェームズに代わってマロ・グスト。78分の左からのFKをベンタンクールとディサシが競り、右から上がったエリック・ダイアーがボレーを叩き込むと、これもまたVARによってオフサイドです。
86分、ペドロ・ポロが左から入れたFKに飛び込んだベンタンクールのヘッドは、惜しくも右ポストの外。追加タイムは9分です。右サイドで奪ったスパーズが速攻を仕掛けたのは94分。オリヴァー・スキップが斜めのパスでソン・フンミンを走らせると、ドリブルでボックスに持ち込んだエースの左足シュートは、ロベルト・サンチェスが左に反応してセーブしました。
そこから右にまわったボールがコール・パルマーに渡り、縦に出たボールを追ったコナー・ギャラガーが独走。中央に通ったラストパスをプッシュしたのは、ニコラス・ジャクソンです。さらに97分、コール・パルマーの浮き球で飛び出したストライカーとムドリクは、2人ともフリーでゴールに向かっています。
ムドリクに譲ろうとしていたニコラス・ジャクソンはパスのタイミングを見出せず、ヴィカーリオを抜き去ってハットトリック。自らのコンセプトを貫き、ラインを下げようとしなかったチームは、前から追えないハイラインがいかに危険であるかを思い知らされました。1-4、チェルシー完勝。いさぎよく散ったスパーズにとっては、3ポイントとDF3人を失う厳しいゲームでした。
VARの介入は8回、ゴール取り消し5回、ポステコグルー監督を含む8枚のイエロー、追加タイムはトータル21分。両足タックルのウドジェとコルウィルを後ろから蹴ったロメロは、1発レッドのピンチを2回逃れることはできませんでした。スパーズのサポーターたちは、タイムアップの直後に勇敢だった選手たちを称えましたが、客観的な評価は2つに分かれるのではないでしょうか。
「ハイラインを貫いたからこそ、エリック・ダイアーやベンタンクール、ソン・フンミンの惜しいシーンがあった」とするか、「ラインの背後を狙われているのは明らかで、どこかで下がったほうがポイントに近づけた」と見るか。長いシーズンを戦い抜くためのチームマネジメントという観点では前者だと思いつつ、あれでは敗戦は必至だったという主張にもうなずかされます。
後半はやりにくそうだったチェルシーは、リース・ジェームズとコール・パルマーが右サイドからラインの背後を突き、勝利を手繰り寄せました。同点ゴールはPKでしたが、ロメロ退場の手前からプレスで奪う姿勢を見せてチャンスを創っており、狙い通りの攻め方で果実を得たといっていいでしょう。
ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェを一気に失ったスパーズの次戦はウルヴズ。指揮官が打撲といっていたジェームズ・マディソンが、元気にプレイできるよう祈るしかありません。スタンフォード・ブリッジにペップのチームを迎えるブルーズは、調子を上げてきた前線の爆発に期待しましょう。いやー、疲れました。シーズンに2回も9人のチームを見るとは…。
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