2023.11.18 チームの話題(全体・他クラブ)
無謀な投資と稚拙な対応…PSR違反を問われたエヴァートン、勝ち点10剥奪までの舞台裏。
「行き場を失ったクラブが妄想を膨らませた最後の弁明」。プレミアリーグにおけるFFP、すなわち収益性と持続可能性に関するルール(Profit and sustainability rules =以下PSR)に対する違反を問われたエヴァートンは、すべての主張が却下され、2023-24シーズンの勝ち点10を剥奪という処分が下されました。
冒頭の厳しい言葉でレポートを結んだのは、「テレグラフ」のサム・ワラス記者。「Reckless spending and ‘Player X’: Inside Everton’s bitter legal case with Premier League(無謀な支出と選手X、エヴァートンとプレミアリーグの苦い裁判の内幕)」と題した記事は、問題に直面したファルハド・モシリオーナーと経営ボードがいかに楽観的だったかを事実ベースで語っています。
「過去3シーズンの赤字の総額が1億500万ポンド(約195億円)を超えてはならない」とするPSRに対して、2021-22シーズンの終わりにエヴァートンに生じた損失は1億2450万ポンド(約231億円)とされています。昨年の8月に違反の疑いがあると指摘されたエヴァートンは、控除されるべきコストがあると証明すれば、逃げ切れると考えたようです。
先頃開催された独立委員会の聴聞会の判決文に、当時のクラブの主張が掲載されています。「エヴァートンは、スプレッドシートを数回クリックするだけで、PSR違反に問われた損失から9420万ポンドを超える額を取り除こうとした。しかし彼らの提案は、プレミアリーグが雇った弁護士の信憑性を限界以上に引き上げただけだった」。サム・ワラス記者の表現は辛辣です。
おっしゃるとおり、マージーサイドの言い分は、のっけからツッコミどころ満載です。「2021年に児童に対する犯罪の疑いで逮捕されたプレーヤーXを後に解雇したが、契約違反に対して法的措置を取れば1000万ポンドを手に入れることができた」。あの選手は、2年の捜査を経て不起訴になっており、裁判を起こさなかった温情は会計のルールではゼロポンドです。
コロナ禍ゆえに損失が出たと主張する6100万ポンドのディールと、融資の利息を請求すれば回収できたという1740万ポンドも、プレミアリーグのガバナンスディレクターであるジェイミー・ハーバート氏が12月に却下。それでも手を変えず、同じアピールを繰り返したエヴァートンは、3月1日にプレミアリーグが見解を伝えてからも、修正した計算書を提出したと報じられています。
冒頭の厳しい言葉でレポートを結んだのは、「テレグラフ」のサム・ワラス記者。「Reckless spending and ‘Player X’: Inside Everton’s bitter legal case with Premier League(無謀な支出と選手X、エヴァートンとプレミアリーグの苦い裁判の内幕)」と題した記事は、問題に直面したファルハド・モシリオーナーと経営ボードがいかに楽観的だったかを事実ベースで語っています。
「過去3シーズンの赤字の総額が1億500万ポンド(約195億円)を超えてはならない」とするPSRに対して、2021-22シーズンの終わりにエヴァートンに生じた損失は1億2450万ポンド(約231億円)とされています。昨年の8月に違反の疑いがあると指摘されたエヴァートンは、控除されるべきコストがあると証明すれば、逃げ切れると考えたようです。
先頃開催された独立委員会の聴聞会の判決文に、当時のクラブの主張が掲載されています。「エヴァートンは、スプレッドシートを数回クリックするだけで、PSR違反に問われた損失から9420万ポンドを超える額を取り除こうとした。しかし彼らの提案は、プレミアリーグが雇った弁護士の信憑性を限界以上に引き上げただけだった」。サム・ワラス記者の表現は辛辣です。
おっしゃるとおり、マージーサイドの言い分は、のっけからツッコミどころ満載です。「2021年に児童に対する犯罪の疑いで逮捕されたプレーヤーXを後に解雇したが、契約違反に対して法的措置を取れば1000万ポンドを手に入れることができた」。あの選手は、2年の捜査を経て不起訴になっており、裁判を起こさなかった温情は会計のルールではゼロポンドです。
コロナ禍ゆえに損失が出たと主張する6100万ポンドのディールと、融資の利息を請求すれば回収できたという1740万ポンドも、プレミアリーグのガバナンスディレクターであるジェイミー・ハーバート氏が12月に却下。それでも手を変えず、同じアピールを繰り返したエヴァートンは、3月1日にプレミアリーグが見解を伝えてからも、修正した計算書を提出したと報じられています。
プレミアリーグがエヴァートンを起訴したのは3月24日。調査や手続きが独立委員会に付託された後、損失は3億ポンドを超えると報じられましたが、処分の対象とされたのは1億2450万ポンドです。トッテナムに売却すれば8000万ポンドと見込んでいたリシャルリソンが6000万ポンドになるなど、楽観的な見通しが損失を生み続け、大きな額となってしまったようです。
10ポイントダウンという厳しい裁定を伝えた記者は、不信を募らせる対応や新戦力への無謀な投資など、クラブの姿勢が招いた結論と評しています。処分が発表されると、エヴァートンは「不当」と非難し、控訴する意向を表明しました。格段に重い容疑で告発されたマン・シティに対して不公平という不満もあるようですが、完全否定した最大の理由は新たな裁判を防ぐためです。
2023年5月に、リーズ、ノッティンガム・フォレスト、レスター、サウサンプトン、バーンリーがエヴァートンに対して賠償金を請求。却下とした当時の裁定には、「エヴァートンに処分が下った場合、請求が有効とされる可能性がある」と付記されています。残留したフォレストと、彼らが降格となっても結果が変わらない最下位セインツ以外は、処分が確定したら動くでしょう。
19位に落ちたエヴァートンにとって最悪の未来は、プレミアリーグからの降格と数千万ポンドの賠償金をダブルで喰らうこと。裁定が半年前なら降格決定だったクラブは、17位と5ポイント差で戦える幸運を活かせるでしょうか。7億5000万ポンドを注ぎ込んだのに、何も残せなかったオーナーは、投資会社777パートナーズに株式を買い叩かれて舞台を降りることになりそうです。
エヴァートンが10ポイント剥奪なら、9年で115件の違反を問われているマンチェスター・シティは…。
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