2023.12.13 アーセナルの話題
サカとマルティネッリにダブルマーク…プレミアリーグで定着したアーセナルシフトの打開策を考える。
プレミアリーグ16節を終えて、11勝3分2敗。デクラン・ライスとカイ・ハヴェルツが加わり、強くなったはずのアーセナルは、14勝1分1敗で快走した昨シーズンと比べると攻撃力が落ちています。15失点はひとつ増えただけですが、2022-23シーズンの40ゴールに対して33ゴール。最初の16試合で7発だったマルティネッリと5発のジェズスは、2人合わせて4ゴールに留まっています。
彼らはスランプなのか?負傷リタイアはあったものの、コンディションの問題ではないことは、チャンピオンズリーグが証明しています。5節終了時点で、マルティネッリは3戦2ゴール1アシスト、ジェズスは4戦4ゴール2アシスト。右サイドのサカもCLで3ゴール4アシスト、ウーデゴーアも4戦2発とプレミアリーグよりもハイペースでゴールを決めています。
アーセナルの得点力ダウンの理由を探るべく、スタッツやヒートマップを分析したのは、「アスレティック」のリアム・サーム記者です。導き出した結論は、「プレミアリーグの対戦相手は、サカとマルティネッリを止めるためにダブルマークを付けている」。サイドに人数を揃え、中央は深く構えてスペースを消し、カットインからのコースを切っていると指摘しています。
これによってアーセナルのアタックは、10本以上パスをつなぐシーンが増え、前進のスピードは18%低下しているとのこと。「今季は多くの試合で2人が付いており、ダブルチームと対峙しているように感じる。これは、ガビー(マルティネッリ)も同じだ」。クレバーなブカヨ・サカは、昨シーズンとの違いについて的確な言葉で証言しています。
「もっとうまくやれるソリューションを見出すために、自分のゲームをすべて見返すようにしている。これが、今シーズンにやるべきことなのだと理解しなければならない。現状にしっかり対応しながら、進むべき道を探し続けなければと感じている」
当然ながらアルテタ監督も、プレミアリーグのガナーズ対策を認識しており、いくつかの打開策を用意しています。まずは「アスレティック」の記者が解説している4つの打ち手を紹介しましょう。ひとつめは、ジェズスの動き方。昨季はマルティネッリのサイドに流れて連携するシーンが多かったストライカーは、サカのフォローに入る頻度が高まっています。
2つめは、ウインガーやウーデゴーアがインスイングで入れるバックポストへのクロス。ブレントフォード戦で、サカのクロスをファーポスト際で押し込んだカイ・ハヴェルツは、トレーニングの成果であることを認めています。3つめは、ウインガーを1対1にするためのサイドチェンジ。デクラン・ライスは、サカが有利になりそうなタイミングを見逃さずにフィードしています。
4つめは、DFやMFが2人でウインガーに寄ったタイミングで後方に戻し、ウーデゴーアやジンチェンコが逆サイドのラインの裏にボールを入れる形。相手がサイドに人数を割いたら、中央や逆サイドでフリーの選手を作れる可能性が高まるという考え方です。ジェズスが角度のないところから打つ機会が増えたのは、クロスが来そうなタイミングで外に動いているからでしょう。
横に揺さぶって、サカやマルティネッリが有利な体勢で持てるようにする戦い方は、奪われた際に速く詰められなければ、きれいなカウンターを喰らってしまうリスクがあります。フィルミーノの役割をこなせるジェズスを活かすなら、左右だけでなく前後に動いてスペースを作り、サカとマルティネッリ、あるいは彼が中央に入り込む戦術も効果的なのではないかと思います。
高さもあるカイ・ハヴェルツが、ジェズスと連動しながら最前線に入るシーンが増えれば、左右からのクロスはより脅威になるでしょう。オールマイティなトロサールも、ジェズスとは違うスタイルで同じミッションを完遂できるはずです。カイ・ハヴェルツ、ジェズス、トロサールの「偽9番トリオ」がうまくまわれば、サラーとマネのような量産体制を築けるのではないでしょうか。
先ほど、PSVとのCLグループステージ最終節が終わりました。エンケティアの美しいCL初ゴールで1-1ドロー。セドリク、ネルソン、エンケティアとスムーズにつながったゴールシーンは、アーセナルと定期的に戦うわけではない欧州のチームに、ウインガー対策を敷いてくるほどの曲者はいないことを示しています。
今季の公式戦で6ゴールのCFは、着実にスケールアップしているものの、サカとマルティネッリが封じられたとき、何かを変えられるタイプではありません。やはりキーマンは、自在性が高いトリオでしょう。縦横の揺さぶりでスペースやデュエルの土俵を作り、突破力があるウインガーをゴールに近いエリアで活かすフットボールを見たいと、妄想を膨らませる次第であります。
彼らはスランプなのか?負傷リタイアはあったものの、コンディションの問題ではないことは、チャンピオンズリーグが証明しています。5節終了時点で、マルティネッリは3戦2ゴール1アシスト、ジェズスは4戦4ゴール2アシスト。右サイドのサカもCLで3ゴール4アシスト、ウーデゴーアも4戦2発とプレミアリーグよりもハイペースでゴールを決めています。
アーセナルの得点力ダウンの理由を探るべく、スタッツやヒートマップを分析したのは、「アスレティック」のリアム・サーム記者です。導き出した結論は、「プレミアリーグの対戦相手は、サカとマルティネッリを止めるためにダブルマークを付けている」。サイドに人数を揃え、中央は深く構えてスペースを消し、カットインからのコースを切っていると指摘しています。
これによってアーセナルのアタックは、10本以上パスをつなぐシーンが増え、前進のスピードは18%低下しているとのこと。「今季は多くの試合で2人が付いており、ダブルチームと対峙しているように感じる。これは、ガビー(マルティネッリ)も同じだ」。クレバーなブカヨ・サカは、昨シーズンとの違いについて的確な言葉で証言しています。
「もっとうまくやれるソリューションを見出すために、自分のゲームをすべて見返すようにしている。これが、今シーズンにやるべきことなのだと理解しなければならない。現状にしっかり対応しながら、進むべき道を探し続けなければと感じている」
当然ながらアルテタ監督も、プレミアリーグのガナーズ対策を認識しており、いくつかの打開策を用意しています。まずは「アスレティック」の記者が解説している4つの打ち手を紹介しましょう。ひとつめは、ジェズスの動き方。昨季はマルティネッリのサイドに流れて連携するシーンが多かったストライカーは、サカのフォローに入る頻度が高まっています。
2つめは、ウインガーやウーデゴーアがインスイングで入れるバックポストへのクロス。ブレントフォード戦で、サカのクロスをファーポスト際で押し込んだカイ・ハヴェルツは、トレーニングの成果であることを認めています。3つめは、ウインガーを1対1にするためのサイドチェンジ。デクラン・ライスは、サカが有利になりそうなタイミングを見逃さずにフィードしています。
4つめは、DFやMFが2人でウインガーに寄ったタイミングで後方に戻し、ウーデゴーアやジンチェンコが逆サイドのラインの裏にボールを入れる形。相手がサイドに人数を割いたら、中央や逆サイドでフリーの選手を作れる可能性が高まるという考え方です。ジェズスが角度のないところから打つ機会が増えたのは、クロスが来そうなタイミングで外に動いているからでしょう。
横に揺さぶって、サカやマルティネッリが有利な体勢で持てるようにする戦い方は、奪われた際に速く詰められなければ、きれいなカウンターを喰らってしまうリスクがあります。フィルミーノの役割をこなせるジェズスを活かすなら、左右だけでなく前後に動いてスペースを作り、サカとマルティネッリ、あるいは彼が中央に入り込む戦術も効果的なのではないかと思います。
高さもあるカイ・ハヴェルツが、ジェズスと連動しながら最前線に入るシーンが増えれば、左右からのクロスはより脅威になるでしょう。オールマイティなトロサールも、ジェズスとは違うスタイルで同じミッションを完遂できるはずです。カイ・ハヴェルツ、ジェズス、トロサールの「偽9番トリオ」がうまくまわれば、サラーとマネのような量産体制を築けるのではないでしょうか。
先ほど、PSVとのCLグループステージ最終節が終わりました。エンケティアの美しいCL初ゴールで1-1ドロー。セドリク、ネルソン、エンケティアとスムーズにつながったゴールシーンは、アーセナルと定期的に戦うわけではない欧州のチームに、ウインガー対策を敷いてくるほどの曲者はいないことを示しています。
今季の公式戦で6ゴールのCFは、着実にスケールアップしているものの、サカとマルティネッリが封じられたとき、何かを変えられるタイプではありません。やはりキーマンは、自在性が高いトリオでしょう。縦横の揺さぶりでスペースやデュエルの土俵を作り、突破力があるウインガーをゴールに近いエリアで活かすフットボールを見たいと、妄想を膨らませる次第であります。
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