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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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バイエルンにホームで敗れて最下位。忘れえぬ惨敗を活かして、抜本的な改革を!

1勝1分3敗で最下位のマンチェスター・ユナイテッドは、バイエルンに勝てなければヨーロッパリーグへのルートも閉ざされます。オールド・トラフォードで開催されるチャンピオンズリーググループステージ最終節。テン・ハフ監督は、プレミアリーグで出番を失ったラファエル・ヴァランを最終ラインに組み込んでいます。

GKオナナ、DFダロト、マグワイア、ヴァラン、ルーク・ショー。2センターはマクトミネイとアムラバト、2列めはアントニー、ブルーノ・フェルナンデス、ガルナチョ。ワントップにホイルンドの4-2-3-1です。2-1で勝ったチェルシー戦のメンバーが10人。立ち上がりから激しいプレスを仕掛けているホームチームは、執拗にサイドを攻めています。

5分のアントニーのミドルはバーの上。7分にキム・ミンジェを股抜きで置き去りにしたブラジル代表は、ゴールライン際でレオン・ゴレツカにつぶされました。ムシアラのサイドチェンジが右のコマンに届いたのは10分。グラウンダーを直接叩いたハリー・ケインのシュートは、オナナが右に反応して懐に収めています。

コマンが右からクロスを入れた13分のチャンスは、ファーで受けたアルフォンソ・デイヴィスの左足ボレーをヴァランがクリア。こぼれ球を拾ったキミッヒのロングシュートは、オナナが落ち着いてキャッチしました。4-3-1-2で守るマンチェスター・ユナイテッドのプレスははまらなくなっており、バイエルンの前線が最終ラインの前で空くシーンが増えています。

24分、ブルーノからパスを受けたルーク・ショーがボックスの外で左足を振り抜くと、ノイアーは無理をせず大きく弾き出しました。26分にドリブルでゴール前に斬り込んできたサネは、2人がかりでチェックして最後はダロトがクリア。32分のカウンターから、右サイドのコマンがアーリークロスを入れると、サネの左足の折り返しは味方につながりません。

マグワイアがボールを外に出したのは37分。左足の付け根を押さえており、プレイを続けるのは難しそうです。40分にピッチに送り出されたのは、ジョニー・エヴァンス。追加タイム3分、アルフォンソ・デイヴィス、サネ、ハリー・ケインと右につながると、ブンデスリーガで18ゴールのエースの一撃はブルーノがブロックしました。

前半は0-0、シュート数は3対5、オンターゲットは1対2。同時刻開催のコペンハーゲンもゴールレスです。指揮官がルーク・ショーをワン=ビサカに代えたのは、ハムストリングを痛めたからと伝えられています。後半最初のチャンスは49分。ワン=ビサカの右からの折り返しを受けたブルーノは、フリーのダイレクトショットを打ち上げてしまいました。

54分、敵陣ボックス手前でキミッヒから奪ったのはホイルンド。こぼれ球を叩いたブルーノのシュートは左に切れていきました。パルケン・スタジアムではコペンハーゲンが先制。マンチェスター・ユナイテッドの勝ち抜けは厳しくなりました。アントニーのパスを、マクトミネイが中央で受けたのは58分。打てなかったMFの苦し紛れのパスは、ゴールラインを割っています。

テン・ハフ監督が使える攻撃的なカードは、レギロンとペリストリのみ。71分の失点のトリガーは、レオン・ゴレツカが前にいたトマス・ミュラーに出したパスを、ジョニー・エヴァンスがインターセプトし損ねたことです。CBの裏に入ったコマンを見たハリー・ケインが、右足アウトにかけた絶妙なスルーパス。オナナと1対1になった11番は、迷わず右足でネットを揺らしました。

0-1とされた73分、オナナのロングフィードでラインの背後に飛び出したダロトは、最初のタッチが長くなってノイアーに奪われてしまいました。75分にアントニーとガルナチョが下がり、ハンニバル・メイブリとペリストリ。80分にはヴァランが下がり、メイヌー。白旗を揚げたようにも見える交代策は、若手に経験を積ませようとしているのでしょう。

コマンに決められてから、シュートゼロ。コペンハーゲンとガラタサライと同居したグループAは、プレミアリーグとブンデスリーガで決まりと目されていました。まさかの1勝1分4敗。トルコのクラブに2試合で6失点を喫し、6試合トータルで15失点の最下位とは…。公式戦11勝1分12敗と苦しんでいるクラブは、抜本的な改革を必要としているようです。

2019年12月にエミレーツに戻ってきたミケル・アルテタは、混乱の1年を8位で終えると、初めてのフルシーズンも8位に低迷。トーマスとガブリエウが加わり、サカ、スミス・ロウ、マルティネッリが頭角を現した2020-21シーズンの主力は、ジャカ以外は全員手離しています。それから2年で優勝争い。若き指揮官には、エドゥという優秀なパートナーがいたことも見逃せません。

テン・ハフの粗探しをして解任に追い込んでも、新たな指揮官が苦しむだけで終わるでしょう。チームの強化を進めようとしないオーナーと、未来図を描けないフットボールディレクターまで変えなければ、2年に1回はCL出場権獲得という緩いサイクルを続けるしかなくなりそうです。この惨敗を、ぜひ活かしてほしい。負傷者が続出したからではなく、指針を示すべき人物の仕事が足りないから落ちたのだと総括して。


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“バイエルンにホームで敗れて最下位。忘れえぬ惨敗を活かして、抜本的な改革を!” への1件のコメント

  1. ぎぐ爺 より:

    妥当な結果ですね。

    中途半端に3位に入って、昨シーズン同様の過密日程→
    来シーズン序盤から怪我人続出→成績不振・・・の負のスパイラルに陥るよりは良いかな…
    もっとも、今シーズン残りで巻き返すことが前提ですが。

    ただ、ここまで多くの怪我人が続出するのは、疲労の問題だけではなく
    キャリントンとかOTのグラウンドの状態に問題があるんじゃないか、という気がしてきた。

    ショーの場合は不摂生なだけだと思うけど。

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