偏愛的プレミアリーグ見聞録

ブレントフォードに1-4、復帰初戦のサラーは1ゴール1アシスト！結果だけ聞けばレッズサポーターにとって朗報ばかりですが、最初の45分の出来事を思い出すと、勝利の喜びより未来への不安が膨らみます。試合後、ピッチを去った3人について問われたユルゲン・クロップ監督のコメントを紹介しましょう。

「カーティスは脛の下部、つまり足首の上の打撲だ。それが何を意味するか見てみないとね。彼は何かを感じたみたいだけど、100%確信があったわけではない。彼はどんな犠牲を払ってでもプレイしたがるので、できないというなら何かがあるに違いない。ジョッタは最悪だ。確認してないけど、写真を見てもよくなかったと聞いている」

「ダルウィンは、少し気分が優れないなかでテイクオフした。明らかにすぐにブレーキを踏んだほうがいい状態だったので、われわれはコーディを投入した。それはとてもうまくいった」

カーティス・ジョーンズが倒れ込んだのは29分。ヤネルトに奪われ、腰から崩れた23歳のMFは、左足の激痛を堪えています。打撲ならすぐに戻ってこられそうですが、倒れる直前に体重が左足に乗っており、時間がかかる損傷の可能性を否定できません。ジョッタがピッチに寝転んだのは39分。自陣でノアゴーアと競って倒れた際に、ジャンプした相手が左足に乗っかってきました。

35分にファン・ダイクのクリアを追って敵陣に入ったジョッタは、巧みなヘッドで脇にいたダルウィン・ヌニェスをフリーで独走させ、先制のループシュートをお膳立てしたばかりでした。予定外のフラーフェンベルフを投入した指揮官は、10分も経たないうちにサラーというとっておきのカードまで切らされました。本来のプランは「0-2とした60分」だったのではないでしょうか。

立ち上がった20番は歩けず、担架で運ばれていきました。0-1のハーフタイムは、シュート数8対5とブレントフォードがリード。後半のキックオフにダルウィン・ヌニェスの姿はなく、サラー、ガクポ、ルイス・ディアスが並んでいます。アリソン、チアゴ、ショボスライ、アーノルドを欠いたチームは、ぎりぎりのメンバーでカラバオカップ決勝に臨むことになるかもしれません。

ここからは、明るいトピックス中心でお届けしましょう。圧勝のキーマンは、サラーとガクポ。ともに1ゴール1アシストで、ジョッタのリタイアという不安を打ち消してくれました。55分の追加点は、GKフレッケンのキックを頭で跳ね返した遠藤から。右にいたフラーフェンベルフが前のサラーにつなぐと、鋭いラストパスが中央のマック・アリスターに入りました。

アイエルをかわした10番が、冷静に左隅に流し込んで0-2。勝負を決する3点めは68分、ケレハーのキックをガクポが頭で前に流すと、右からスプリントしたサラーが左に持ち込み、コリンズをかわして右隅に突き刺しました。ブレントフォードが1点を返したのは75分。オニエカの縦パスでウィサがボックス右に入ったとき、遠藤航は左に釣り出されており、中央はガラ空きでした。

走り込んできたレギロンのダイレクトショットは、ケレハーが右手で弾き出すビッグセーブ。しかしボールはイヴァン・トニーの前にこぼれ、体勢を立て直したGKは2発めには触れませんでした。最後のゴールは86分。ジョー・ゴメスの浮き球をコリンズが空振りし、裏で拾ったルイス・ディアスが中央に送ったラストパスを、ゴドスが後ろに逸らしてしまいました。

フリーになったガクポが、フレッケンの動きを見て丁寧に左に決めて1-4。ジョッタの負傷は痛いアクシデントですが、カーティス・ジョーンズとダルウィン・ヌニェスはすぐに戻ってくる可能性があります。サラーの復帰はいうまでもなく、大きなプラス。左サイドを何度も切り裂いたルイス・ディアスと、インサイドでチャンスを創るマック・アリスターも明らかに好調です。

マン・シティがミッドウィークの延期試合に勝てば、1ポイント差。2021-22シーズンのマッチレースは、後半戦を16勝3分で駆け抜けても1歩及びませんでした。最も負傷者が多いチームは、クロップ監督のラストイヤーを、逃げ切りで祝福することができるのか。最初の関門は、3月10日の直接対決。何よりもまず、ベストメンバーで悔いなく戦えるよう祈りましょう。