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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

攻防、采配、PK…今も議論が止まらないリヴァプールVSマン・シティ、現地で話題の4つのトピックス!

極上の決戦から24時間を過ぎても、現地メディアはさまざまな視点で両者のパフォーマンスを振り返っています。リヴァプール1-1マンチェスター・シティ。ざっと見たところ、多くの記者が取り上げているテーマは、「ジェレミー・ドクのハイブーツ」「デブライネ交代」「ファン・ダイクの統率力」、そして「中盤の攻防」といったあたりです。

クロップとペップがアンフィールドで対峙するラストゲームについて語るなら、SNSを盛り上げてしまったマイケル・オリヴァーのジャッジを避けて通れないでしょう。ロバートソンが右からCKを蹴ったのは98分。ゴール前で競り合ったボールがファーに流れ、落下点にいたジェレミー・ドクがクリアしようとした瞬間、体を寄せてきたのはマック・アリスターでした。

スローの映像を見ると、ドクは右足でボールに触れた後、レッズの10番の胸を突いています。「ボールにいっていた」という説明には、多くのレッズサポーターが、「イヴ・ビスマを踏んだとされてレッドカードのカーティス・ジョーンズは?」と切り返すでしょう。ドクはPKかと問われれば、試合は終わったと返すしかありませんが、レフェリーだったらといわれると…。

「少なくともオンフィールドレビューを行い、おそらくスポットを指差す」が、正直な答えです。リヴァプールは不運だったというしかありません。素晴らしいゲームだっただけに、ポイントを左右するジャッジが真っ先に話題になるのは残念のひとこと。デブライネの巧みなCKや、サラーの超絶スルーパスがフォーカスされるべき一戦だったはずです。

次のトピックスは、69分のペップの決断。ジェレミー・ドクとコヴァチッチを入れ、機能していなかったフリアン・アルバレスを外すという策は納得ですが、デブライネを下げるというアイデアは想像できませんでした。今季のペップは、「プレミアリーグで交代カードが最も少ない監督」で、1試合平均2.75枚はTOPのデ・ゼルビを2枚も下回っています。

同じく1-1のドローだったエティハドのリヴァプール戦は、カードゼロ。アンフィールドの最初の1枚は、負傷したエデルソンをオルテガという緊急対応でした。交代を命じられたデブライネは明らかに不服で、ペップに抗議する姿が映し出されました。しかし、ロドリの脇にコヴァチッチを置いて中盤を補強し、サイドからドクに勝負させる策は、多くの記者が称賛しています。

ラスト20分を前にして、デブライネが通したパスは16本で、成功率は80%。ハーランドとのホットラインはファン・ダイクや遠藤航に分断され、同点に追いつかれてからは中盤を支配されていました。61分にはサラーとロバートソンが入り、レッズは一気に逆転しようとしています。劣勢のロドリをサポートするMFを投入して、主戦場を逆サイドに求める作戦は効果的でした。

遠藤航の素晴らしさは、稀代の名将に「ロドリひとりではつぶされる」と思わせたことです。マン・シティの絶対的なアンカーと、レッズの日本代表MFのスタッツを比較してみましょう。パス成功本数は59対90でロドリ、しかし成功率は95%対87%で遠藤。デュエルは6勝1敗の遠藤に対して、ロドリは4勝4敗です。

インターセプトは2対0、ディフェンシブアクション9対7も遠藤が多く、ドリブルで突破された回数も0対1でロドリの負け。彼が上回っていたのはタックル成功3対1と、8対6だったリカバリーです。ロングフィード8対0、ディフェンシブサードへのパス10対3はロドリの圧勝ですが、そこは役割の違いという便利な言葉で逃げておきましょう。

少なくともいえるのは、遠藤がロドリやデブライネを抑え、中盤で優位に立つためのベースを作ったということ。そしてそれを支えたのは、遠藤が詰まったときにもらえる位置に動いていたファン・ダイクです。79本のパスのうち、2つしかミスがなかったCBは、クアンサー、ブラッドリー、ジョー・ゴメスの急造バック4を取りまとめ、ハーランドに1本しか打たせませんでした

今季プレミアリーグの開幕時は、最高の日本人選手と評されていたのは三笘薫でした。しかし今は、「リヴァプールVSマン・シティというリーグ最高峰のゲームで、クラブ公式サイトのカールスバーグ・プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる」という快挙を成した遠藤航がいます。あまりにも素晴らしい夜、素晴らしい結末を目の当たりにして、今もなお心が震えています。


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