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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Tottenham×Sunderland】ハリー・ケインの2戦連続のごっつぁんゴールで、スパーズは3位躍進!

「モイーズは気の毒だ。今のプレミアリーグで最も難しい仕事をしている。いい選手を獲れず、負傷者もいる。トランスファーマーケットが締まる直前には選手を売った。戦力は充分とはいえない。彼はいい指揮官だが、この状況で何を期待できるだろう?グアルディオラやモウリーニョでも、サンダーランドの現体制では難しいだろうね」。

ジェイミー・レドナップ氏が、「スカイスポーツ」でサンダーランドの戦力不足を指摘していました。ジロポジ、デナイエル、マンキージョ、ヤヌザイなど、プレミアリーグのトップクラブで活躍できなかった選手を集めたチームでは、エヴァートンでやりくり力を発揮した指揮官でもしんどそうです。プレミアリーグ5節では、ホワイト・ハート・レーンに遠征してトッテナムと戦います。ホームのポチェッティーノ監督は、GKロリスにDFカイル・ウォーカー、アルデルヴァイレルト、エリック・ダイアー、フェルトンゲンと、後ろをいじってきました。中盤の真ん中にワニャマとデンベレが入り、シソコ、デル・アリ、ソン・フンミン、ハリー・ケインの攻撃陣。エリクセンを休ませており、ベストとはいえないものの、「間違っても負けないための布陣」という形容がぴったり。楽しみなのは、右サイドに入った新戦力のシソコです。

4分、ソン・フンミンが左からドリブルで侵入すると、速いクロスはハリー・ケインに合わず。右サイドに流れたボールが再度中に入ると、クリアを拾ったシソコはデル・アリとのパス交換からクロスにシュート。ボールはDFがスパイクの裏で触り、左に逸れていきます。9分、またもソン・フンミンがクロスを入れると、今度はニアに入ったハリー・ケインがシュート。至近距離からの一撃は、GKピックフォードが体を張ってCKに逃れます。素晴らしい守護神が多いプレミアリーグにあって、22歳のピックフォードもまた、「充分とはいえない戦力」のひとりにカウントされるでしょう。このCKをソン・フンミンが蹴ると、クリアボールを振り向きざまのボレーで狙ったのはシソコです。ニューカッスルで降格を経験し、プレミアリーグに戻ってきたばかりの17番は、初の先発でモチベーションが高そうです。

デンベレのミドルをピックフォードがキャッチすると、15分に右から突破を図ったのはシソコ。クロスはカッターモールに当たりますが、こぼれ球をニアにいたハリー・ケインが思い切りよく狙います。強引な一撃はピックフォードに阻まれたものの、ストーク戦で今季最初のゴールを決めたプレミアリーグ得点王にアグレッシブな姿勢が戻ってきました。ストライカーは、結果を出すと動きが軽快になります。ファン・ニステルローイの「ゴールはケチャップのボトルのようなもの。どれだけプッシュしても出ないときは出ず、1回押しただけで一気に出てくるときもある」という言葉は秀逸です。直後のCKは、アルデルヴァイレルトのヘッドがGKの正面。ここまでは、優勝を狙うポチェッティーノ監督のチームが、気の毒なモイーズ監督を圧倒しています。

22分、裏に抜け出そうとしたデフォーはカイル・ウォーカーが離さず、シュートをカット。この危険なストライカーとセットプレーをケアすれば、サンダーランドに先にやられることはなさそうです。25分、デル・アリのパスから切り返しを入れてソン・フンミンが右足を振り抜くと、シソコ、ワニャマと3つ続けて強烈なシュートが飛びますが、サンダーランドのDF陣が体に当ててピックフォードを助けます。

キレがいいソン・フンミンは、38分にもポストの外側にぶつける惜しいミドルを放ちました。CKが続き、デンベレのシュートは上にアウト。スパーズ優位で終わるかと思われた前半の最後に、サンダーランドが決定機を創ります。右から上がったヤヌザイがエリック・ダイアーを縦に抜き去り、グラウンダーはゴール前でフリーだったピーナールへ。やや後ろに出たボールを20番は強く蹴れず、マークするのをやめてゴールラインで防ごうとしたカイル・ウォーカーが狙い通りにクリアします。これは危なかった!前半は0-0。ハーフタイムを越えても、スパーズの攻勢は変わりません。51分、54分と立て続けに狙ったソン・フンミンのシュートは、いずれも枠の外。攻め立てながらもフィニッシュが決まらなかったトッテナムは、58分に相手のミスから先制しました。

カイル・ウォーカーのクロスをデル・アリがヘッドで落とすと、ボールはジロポジの足元へ。クリアするだけでよかった5番は、トラップミスと空振りで横にいたハリー・ケインにボールが渡ってしまいます。まさにケチャップ、決まるときはこんなもの、2試合連続でゴール前どフリーのチャンス!ハリー・ケインがインサイドで右隅に流し込み、アウェイチームには絶望的な1-0です。この後もまた、トッテナムが中央から攻め込むシーンが目立ちますが、シソコやデル・アリのシュートはいずれも距離があり、ピックフォードの脇を抜く期待感はありません。73分、CKからクリアを叩いたエリック・ダイアーのボレーは、決めるならあと50センチ右でした。この直後にデンベレが下がりラメラ、さらに3分後にエリック・ダイアーをベン・デイヴィス。81分にはサンダーランドの最終ラインのミスを見逃さなかったハリー・ケインがボールを奪い、ラメラに打たせますが、ジロポジがコースに入ってクリアし、2点めはなりません。

85分にカウンターから右サイドを走ったラメラは、左隅を捉えたシュートをピックフォードのぎりぎりのセーブに阻まれました。もう1本決まればセーフティだったのですが、シュート数31対6の試合でホームチームが追いつかれる気配はありません。トッテナムは、マンチェスター・シティ、エヴァートンに続く3位に躍進。サンダーランドは、下にストークしかいないブービーポジションをキープすることになりました。

前半のワンチャンスを活かしていれば、アウェイチームに勝ち点が転がり込んでいたかもしれませんが、強者とのゲームで絶好機を逃せば、こういう着地を甘受するしかなくなります。レドナップさんのいうとおり、確かにつらいモイーズ監督。エース・デフォーの爆発か、終盤に退場となったヤヌザイをはじめとする若い選手の覚醒に期待するしかありません。まだ本調子とはいえないトッテナムは、マージ―サイド勢に引き分けての3勝2分なら及第点でしょう。フィンセント・ヤンセンとシソコがプレミアリーグにフィットすれば、昨季よりも収穫の多いシーズンとなる可能性が高まります。

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“【Tottenham×Sunderland】ハリー・ケインの2戦連続のごっつぁんゴールで、スパーズは3位躍進!” への3件のフィードバック

  1. ホタ より:

    このスタッツ、試合内容で1-0なのは信じられませんが、CLでのつまらない敗戦を考えるとこの3ptsは非常に大事です
    五輪から戻ったソンは状態が非常に良く、プレミアにもポッチのスタイルにもフィットできているので、暫くはスタメンでしょう。
    ローズ負傷の中デイビスのターンオーバーの意味合いもあったと思いますが、フェルトンゲンの久々の左SB起用には驚きました。今季はこれまでCBで精彩を欠いたプレーが多かったですが、今日は悪くなかったです。でも攻め上がりが少なく物たりませんね。ローズの復帰が待ち遠しいです。
    最後になりますがケインの足首が心配です、、。

  2. にわかスパーズファン より:

    更新おつかれさまです。
    こういう試合はドロー着地や1発に泣く試合になる匂いがプンプンしてましたけど、3ポイント取れてよかったです。
    ケインが休養している時に、ケチャドバがヤンセンにもくればさらに頼もしくなるかなぁと思います。
    ウォーカーがハム気にしていたのが気がかりです。今の彼は間違いなくプレミアNo.1右SBですから。

  3. makoto より:

    ホタさん>
    ソン・フンミン、吹っ切れて気持ちが乗っているという感じでいいですね。フェルトンゲンSBは、サイド攻撃ケアのオプションとして機能するといいと思います。ハリー・ケインは残念ですが、フィンセント・ヤンセンをじっくり観たい気持ちもあったので、ピンチをチャンスに変えていただければと思います。

    にわかスパーズファンさん>
    ヤンセンは楽しみですね。カイル・ウォーカーNo.1説については同意ですが、ベジェリンとナサニエル・クラインをぎりぎり斜め後ろに置きたいと思います。

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