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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

地元メディアがレポート「マン・ユナイテッドの選手たちは、ホイルンドへのパスを嫌がっている」

年明けからのプレミアリーグ5試合は4勝1分。ボクシングデーのアストン・ヴィラ戦で、リーグ出場15試合目にして初ゴールを決めたラスムス・ホイルンドは、5戦6発と無双状態に突入し、マンチェスター・ユナイテッドの巻き返しのシンボルとなりました。25節終了時点で、4位のヴィラとは5ポイント差。この頃は、逆転できると信じていました。

彼が筋肉系のトラブルに見舞われたというニュースが流れたのは、フラム戦の前日です。復帰まで2~3週間と聞いたときは、むしろ大事に至らなくてよかったと胸をなでおろしました。しかしオールド・トラフォードのゲームは、97分にイオビに決められ久々の敗戦。マンチェスターダービーも3-1で敗れ、チームもストライカーも歯車が狂い始めました

エヴァートン戦にホイルンドは間に合わなかったものの、ブルーノ・フェルナンデスとラシュフォードが揃ってPKを決めて2-0の勝利。リヴァプールとのFAカップ準々決勝で先発したエースは、71分までのボールタッチが13回しかなく、早すぎる復帰だったのかもしれません。以来、プレミアリーグ8戦で1発のみ。この間、マン・ユナイテッドは1勝4分3敗で8位に転落しました。

「マンチェスターイブニングニュース」のサミュエル・ラックハースト記者によると、マンチェスター・ユナイテッドのなかにはホイルンドのパフォーマンスに納得していない選手が複数いて、パスを出したがらないとのこと。「ある選手がそういっていた」という話で、事実かどうかは定かではありません。

ただし、彼がボールを触る機会が少ない試合が目立つのは確かです。アーセナルに0-1で敗れたオールド・トラフォードでは、ボールタッチは17回。序盤のチャンスで足を滑らせ、左足のシュートを打ち上げたのが唯一の見せ場でした。ゴールを決めたシェフィールド・ユナイテッド戦も、17回しか触っていません。

ボーンマス戦までは、決められなくてもパスをもらっているのですが、直近4試合のうち3試合はボールタッチが20回以下に激減しています。最もひどかったのはバーンリー戦で、65分までに14回。味方に通したパスはわずか3本です。「周りがパスを出したがらない」という話の真偽がどうあれ、「連携がない」「機能していない」のは事実です。

Some Manchester United players share Rasmus Hojlund concern amid reluctance to pass to him(ラスムス・ホイルンドへのパスを嫌がるマンチェスター・ユナイテッドの選手たち)」と題された記事は、夏のマーケットでハリー・ケインの獲得が検討されたとき、テン・ハフ監督は彼が中盤に下りてくるのを懸念していたと伝えています。

ブルーノ・フェルナンデスの役割に悪影響を及ぼす可能性を避けるため、ターゲットをホイルンドに絞ったという話ですが、7200万ポンドのヤングスターは公式戦40試合14ゴール。8640万ポンドでバイエルン・ミュンヘンに移籍したストライカーの44ゴールは、ホイルンドのキャリアのトータルを上回っています。これは、充分予想できる結果です。

とはいえ、チームの将来を考えて伸びしろのある若手を獲るという方針は、間違いではありません。問題は、高すぎる移籍金です。欧州5大リーグの経験がアタランタの1年しかなく、リーグ戦で2ケタゴールを決めたことがない選手に、アーリング・ブラウト・ハーランドを2000万ポンドも上回る投資はリスキーでしょう。

敗戦の積み重ねが疑念を膨らませ、疑念が次なる敗戦につながる…今までのプレミアリーグでも、多くの指揮官がはまった「選手たちの同時多発スランプ」は、そんなプロセスで生じるのでしょう。エリック・テン・ハフもホイルンドも、先人たちが苦しんだ渦の中にいます。強力なマネジメントで解決できなければ、彼らの未来に待ち構える結論はひとつしかありません。


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