2024.05.19 マンチェスター・シティの話題アーセナルの話題
いよいよ決戦、ピンチをしのいだ王者に死角なし。グーナーは、どこまで希望を抱き続けられるのか?
トッテナム・ホットスパー・スタジアムの一戦は、マンチェスター・シティが勝てば首位奪還。ドローなら86ポイントで並び、得失点差が3つ上回るアーセナルが断然有利となります。デブライネの完璧なグラウンダーを、ハーランドが押し込んだのは51分。0-1のまま終盤を迎えたゲームの最大のハイライトは、86分の2秒の攻防でした。
ロドリのバックパスを、ハーフライン手前でトラップしたアカンジは、ブレナン・ジョンソンがこれほど速く詰めてくるとは思わなかったのでしょう。GKに戻さず中に持った瞬間、快足ウインガーにプッシュされ、こぼれたボールをソン・フンミンがさらいました。必死に追いかけるルベン・ディアスは距離を詰められず、シャツをつかもうとしています。
スパーズのエースには、2つの選択肢がありました。シュートを打つか、ドリブルで右に出てGKを抜き去るか。最初のタッチの後、打つために足を合わせるのを確認したオルテガは、左隅と読み切って右足を伸ばしました。キックフェイント、チップキック…タイミングを外すアイデアはいくつかあったのですが、ストライカーにはそれらを選ぶ余裕はなかったようです。
ボールは右足に当たって高く浮き上がり、諦めていたアカンジに戻ってきました。両手で顔を覆うソン・フンミン。25番が奪われるのを見て、頭を抱えていたペップ・グアルディオラは、ビッグセーブと同時に尻もちをついています。立っていた人間が、これほど見事に腰を抜かすのを初めて見ました。
トロフィーの行方を左右する濃密な時間。その3分後、ジェレミー・ドクがペドロ・ポロに倒され、PKを宣告する笛が鳴り響きます。この瞬間、マン・シティの4連覇を確信しました。ハーランドは外さないでしょう。ゴールの左上に強いボールを蹴られたら、プレミアリーグ屈指のショットストッパーと評されるヴィカーリオでもなす術はありません。
最終節でマンチェスター・シティが勝てば、いつも通りの決着。ドローか敗戦でアーセナルが勝てば、20年ぶりのプレミアリーグ制覇です。しかし、劇的な逆転優勝の可能性は限りなくゼロに近いといっても大げさではないでしょう。アーセナルはエミレーツでエヴァートン、マンシティはエティハドでウェストハム。よりハードルが高いのは、アルテタのほうです。
ショーン・ダイクによって守備力が高まったエヴァートンは、直近のプレミアリーグ5試合を4勝1分と絶好調。この間、わずか1失点で駆け抜けています。一方、4年連続となる欧州の出場権獲得の可能性を失ったハマーズは、1勝1分3敗とトーンダウン。5試合で15失点のチームが、ハーランド、フォーデン、デブライネ、ロドリを擁する王者を封じられるとは思えません。
「アスレティック」のアール・ド・ロシェ記者の「最終日に何が起ころうとも、アーセナルは自らのシーズンを誇りに思えるだろう」という表現は、希望はないと諭しているかのようです。クラブ史上最多となるプレミアリーグ27勝。得失点差は最多の61、失点は最少の28。ビッグ6との直接対決は6勝4分…ペップさえいなければ、優勝にふさわしいスタッツです。
決まった瞬間に終わるPK戦ではなく、同点になるだけなのに、無様に倒れ込むほど名将は追い詰められていました。それでもアーセナルは勝てないのか。結局、マン・シティなのか。2年前の苦い思いが呼び起こされます。カラバオカップとFAカップを制したリヴァプールが、前人未到の4冠まであと2勝に迫っていた2021-22シーズン。マン・シティの最終節のヴィラ戦は、残り15分まで0-2でリードされていました。
37節のウェストハム戦のドローで、1ポイント差に迫られていた首位チームは、アンフィールドのリヴァプールVSウルヴスが1-1のままで終われば逃げ切れる状況でした。しかし、ホームで滅法強いクロップのチームが勝ち越した瞬間に2位に転落します。まさか、ここから5分で逆転するとは…。
76分にギュンドアン、2分後にロドリ、81分にギュンドアン。3-1で勝ったレッズの国内3冠の夢は潰えました。今日のハマーズは、ヴィラのようにペップを苦しめられるでしょうか。モチベーションは、デヴィッド・モイーズのラストバトル。ガナーズの希望は、今季プレミアリーグのドリブル成功数No.1のクドゥス、16ゴールのボーウェン、ウォード=プラウズのFKです。
決戦のキックオフまで14時間。2011-12シーズンにアグエロの劇的な決勝ゴールで44年ぶりのリーグ制覇を果たしてから、僅差の優勝争いをことごとく制してきた王者に死角は見当たりません。目下の興味は、「グーナーたちはどこまで希望を抱き続けられるのか」。早々に決着するのか、ハーフタイムか、最終盤までもつれるのか、あるいは…。
ロドリのバックパスを、ハーフライン手前でトラップしたアカンジは、ブレナン・ジョンソンがこれほど速く詰めてくるとは思わなかったのでしょう。GKに戻さず中に持った瞬間、快足ウインガーにプッシュされ、こぼれたボールをソン・フンミンがさらいました。必死に追いかけるルベン・ディアスは距離を詰められず、シャツをつかもうとしています。
スパーズのエースには、2つの選択肢がありました。シュートを打つか、ドリブルで右に出てGKを抜き去るか。最初のタッチの後、打つために足を合わせるのを確認したオルテガは、左隅と読み切って右足を伸ばしました。キックフェイント、チップキック…タイミングを外すアイデアはいくつかあったのですが、ストライカーにはそれらを選ぶ余裕はなかったようです。
ボールは右足に当たって高く浮き上がり、諦めていたアカンジに戻ってきました。両手で顔を覆うソン・フンミン。25番が奪われるのを見て、頭を抱えていたペップ・グアルディオラは、ビッグセーブと同時に尻もちをついています。立っていた人間が、これほど見事に腰を抜かすのを初めて見ました。
トロフィーの行方を左右する濃密な時間。その3分後、ジェレミー・ドクがペドロ・ポロに倒され、PKを宣告する笛が鳴り響きます。この瞬間、マン・シティの4連覇を確信しました。ハーランドは外さないでしょう。ゴールの左上に強いボールを蹴られたら、プレミアリーグ屈指のショットストッパーと評されるヴィカーリオでもなす術はありません。
最終節でマンチェスター・シティが勝てば、いつも通りの決着。ドローか敗戦でアーセナルが勝てば、20年ぶりのプレミアリーグ制覇です。しかし、劇的な逆転優勝の可能性は限りなくゼロに近いといっても大げさではないでしょう。アーセナルはエミレーツでエヴァートン、マンシティはエティハドでウェストハム。よりハードルが高いのは、アルテタのほうです。
ショーン・ダイクによって守備力が高まったエヴァートンは、直近のプレミアリーグ5試合を4勝1分と絶好調。この間、わずか1失点で駆け抜けています。一方、4年連続となる欧州の出場権獲得の可能性を失ったハマーズは、1勝1分3敗とトーンダウン。5試合で15失点のチームが、ハーランド、フォーデン、デブライネ、ロドリを擁する王者を封じられるとは思えません。
「アスレティック」のアール・ド・ロシェ記者の「最終日に何が起ころうとも、アーセナルは自らのシーズンを誇りに思えるだろう」という表現は、希望はないと諭しているかのようです。クラブ史上最多となるプレミアリーグ27勝。得失点差は最多の61、失点は最少の28。ビッグ6との直接対決は6勝4分…ペップさえいなければ、優勝にふさわしいスタッツです。
決まった瞬間に終わるPK戦ではなく、同点になるだけなのに、無様に倒れ込むほど名将は追い詰められていました。それでもアーセナルは勝てないのか。結局、マン・シティなのか。2年前の苦い思いが呼び起こされます。カラバオカップとFAカップを制したリヴァプールが、前人未到の4冠まであと2勝に迫っていた2021-22シーズン。マン・シティの最終節のヴィラ戦は、残り15分まで0-2でリードされていました。
37節のウェストハム戦のドローで、1ポイント差に迫られていた首位チームは、アンフィールドのリヴァプールVSウルヴスが1-1のままで終われば逃げ切れる状況でした。しかし、ホームで滅法強いクロップのチームが勝ち越した瞬間に2位に転落します。まさか、ここから5分で逆転するとは…。
76分にギュンドアン、2分後にロドリ、81分にギュンドアン。3-1で勝ったレッズの国内3冠の夢は潰えました。今日のハマーズは、ヴィラのようにペップを苦しめられるでしょうか。モチベーションは、デヴィッド・モイーズのラストバトル。ガナーズの希望は、今季プレミアリーグのドリブル成功数No.1のクドゥス、16ゴールのボーウェン、ウォード=プラウズのFKです。
決戦のキックオフまで14時間。2011-12シーズンにアグエロの劇的な決勝ゴールで44年ぶりのリーグ制覇を果たしてから、僅差の優勝争いをことごとく制してきた王者に死角は見当たりません。目下の興味は、「グーナーたちはどこまで希望を抱き続けられるのか」。早々に決着するのか、ハーフタイムか、最終盤までもつれるのか、あるいは…。
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