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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Bournemouth×Arsenal】3-0から追いついたが…1本足りず、アーセナルは無念のドロー!

ヴェンゲル監督の後継者候補に名前が挙がっているボーンマスのエディ・ハウ監督は、直接対決でその資格があることを証明できるでしょうか。プレミアリーグ20節の会場は、11400人しか入らないバイタリティスタジアム。少ない予算、小さなスタジアム、英国人以外の選手で先発起用したのはたった4人。プレミアリーグで最も小規模なクラブをTOP10に押し上げているのは、コンセプチュアルなサッカーを浸透させ、巧みなやりくり術を駆使する若き指揮官の手腕であることは間違いありません。一方のアーセナルは、勝てばリヴァプールに1差と迫る3位、負ければ5位転落まであり、ここでつまずくわけにはいきません。GKチェフ、最終ラインにはムスタフィが復帰し、コシールニー、ベジェリン、モンレアル。ジャカとコクランを中央に配し、ラムジー、アレクシス・サンチェス、イオビが2列め。エジルは今日も体調不良で欠場です。そしてトップは、前節のクリスタル・パレス戦で鮮やかなスコーピオンが話題となったオリヴィエ・ジルー。立ち上がりから、ボーンマスのパスまわしがスピーディーで、アーセナルは前節のようにボールを支配できません。

7分、CKからのスタニスラスのシュートはチェフが正面でキャッチ。12分には裏に入った縦パスでカラム・ウィルソンが抜け出しかけますが、チェフが勇敢な飛び出しを見せてボールに触り、ボーンマスのエースはシュートを打てません。しかし16分、先制はボーンマスでした。スタニスラスの見事なサイドチェンジが左サイドのダニエルズに渡ると、ベジェリンがあっさり抜かれて前にはチェフのみ。左SBは足元に入ってくるGKを冷静に見てシュートを浮かし、守備神はまったく触れませんでした。興奮冷めやらぬ20分、ボーンマスのカウンターが炸裂。リヴァプール戦でプレミアリーグ初ゴールを決めたライアン・フレイザーが左から飛び出すと、後ろから追ったジャカが腕を使ってアタッカーを転がしてしまい、レフェリーはPKスポットを示しています。カラム・ウィルソンは、チェフが動くのをみて正面にキック。今日のアーセナルの出来では、2点差は絶望的なギャップです。

2-0となったばかりでなく、さらにガナーズにアクシデントが発生します。コクラン、ハムストリング故障。代わって入ったチェンバレンは、展開を変えることができるでしょうか。29分、ようやくアウェイチームの反撃。ドリブルで左から上がったアレクシス・サンチェスが中に速いボールを入れると、セントラルMFのポジションからスプリントしたラムジーが振り向きざまにシュート。DFに当たったボールは、わずかに右に外れました。34分には、カラム・ウィルソンがまたもラインの裏を取りますが、ムスタフィがシュート寸前に足を伸ばしてCKに逃れます。35分、ナタン・アケの縦パスでダニエルズが左から突破。折り返しをもらったジョシュア・キングがアーターに落とすと、右足のボレーはミートせず、右に切れていきました。

とにかく速いホームチーム、かみ合わないアウェイチーム。ガナーズが初めて彼ららしい攻撃をフィニッシュで終えたのは、40分をまわってからでした。ベジェリンが縦に流したボールにチェンバレンが走り込むと、グラウンダーに反応したイオビはシュートを相手にぶつけてしまいました。スタニスラスのきわどいミドルがわずかにポストの右を抜けると、やがて前半が終了。アーセナルには2点のビハインドを追いつける雰囲気はありませんが、ハーフタイムのヴェンゲル監督はどんな指示を出したのでしょうか。

50分、右サイドからチェンバレンが折り返したボールは、ジルーの頭にぴったりでしたが、当たりが薄く左に逸れていきます。徐々にピントが合ってきている感があるガナーズですが、フィニッシュの手前でボーンマス守備陣に止められてしまいます。しかしここからボーンマスが反攻。55分にチェフが弾いたボールを叩いたアーターの一撃はネットに突き刺さりますが、直前に触ったカラム・ウィルソンにハンドの判定。3分後、ついにボーンマスに3点めが入ります。カウンターから縦へのフィードを追ったライアン・フレイザーは、ベジェリンに完全に走り勝ちました。自ら中に持ち込み、チェフの股間を狙ったシュートが右のサイドネットに転がります。直後のアレクシス・サンチェスのシュートはDFに当たって左にアウト。3点差を埋めたいなら、そろそろ最初の一発を決めないといけません。

63分、イオビをルーカス・ぺレスは納得の交代ですが、最後のカードがコシールニーをガブリエウとは無念です。走って戻ったCBは、どこを痛めたのでしょうか。ジョシュア・キングをサーマンに代えたエディ・ハウ監督は、負傷したライアン・フレイザーをアダム・スミスです。その直後の69分、チェンバレンが右から入れたボールをジルーが背中で後ろに逸らすと、アレクシス・サンチェスがヘッドで押し込み3-1。アーセナルにとっては、この試合初の枠内シュートでした。75分、2点めはルーカス・ぺレス。アレクシス、ジャカ、ジルーとスピーディーにつながったきれいな崩しは、左から上がった9番の完璧なボレーで報われました。期待のストライカーは、7試合めにしてプレミアリーグ初ゴール。残り時間は15分以上あります。

82分、ボーンマスに決定機。ベジェリンが残ってしまい、オフサイドにかからなかったゴズリングにスルーパスが通ると、4番は慌てて戻ったジルーを振り切りながらも左足シュートを外してしまいます。直後、サイモン・フランシスが危険なプレイで一発レッドを喰らうと、アーセナルの猛攻がスタート。ムスタフィが再三右サイドからクロスを入れ、モンレアル、ラムジー、ルーカス・ぺレスが左から崩しにかかる攻撃は、92分に実を結びました。ジャカが放り込んだボールを巧みにヘッドでスライドさせたのはジルー!3-3となってから勝ちにいくあたりは、さすがエディ・ハウのチームですが、アーターの強烈なシュートはチェフが確実にセーブ。6分の追加タイムはあっという間になくなり、乱戦はドローのまま幕を閉じました。

前節のプレミアリーグからアーセナルは中1日、ボーンマスは中2日。このハンディキャップが、3-3という着地につながったのではないでしょうか。ストップアンドゴーの動きがしばしば鈍かったベジェリンとモンレアルに、厳しいスケジュールの影響を感じました。ガナーズのサイドへのボールがゴールラインを割るシーンが目立ったのは、パスがいつもどおりだったのに対して、走るほうはいつものように追えなかったからだと思います。

ライアン・フレイザーがピッチを去った後、怒涛の攻撃で3発決めただけに、ラムジーがダニエルズをチェックしなかった1点めと、ジャカがやらかしてしまったPK献上が悔やまれます。コクランとコシールニーは、どのくらいで戻ってこられるでしょうか。アーセナルがプレミアリーグ優勝をめざすなら、本日夜、トッテナムVSチェルシーのロンドンダービーで積年のライバルが勝って自分たちの上にいくことを祈らなければならなくなりました。未だプレミアリーグ無敗のムスタフィの復帰と、ルーカス・ぺレスのゴールは収穫ですが、チーム状況も順位テーブルも一気に厳しくなったイングランド南端の夜でした。(ジュニア・スタニスラス 写真著作者/Yabush オリヴィエ・ジルー 写真著作者/joshjdss)

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“【Bournemouth×Arsenal】3-0から追いついたが…1本足りず、アーセナルは無念のドロー!” への5件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き! より:

    新年2試合目でのドローゲームは完全にハウさんの攻撃的サッカーに翻弄されました。本当に痛い引き分けです。が、特に前半のボーンマスの攻撃は多彩でプレーに無駄がなく、敵ながらあっぱれでした。ベジェリン、ラムジー、ジャカの軽率なプレーでの失点は痛かったです。特にベジェリンと復帰したムスタフィの連携が悪かった印章で改善の余地ありかと思います。ただし、おっしゃるように最も運動量を求められるサイドバックをなか一日でローテーション出来なかったことが最も問題だと思います。

    ゲームは三点目を入れられてからボーンマスが試合をたたみに来たことも幸いし、サンチェスの奮闘にハートの強いチェンバレン、ルーカス、ジルーが見事に答えてくれました!特にルーカスは数々のチームを渡り歩いてきたハングリーさが漸く実を結び、プレミア初得点したのは収穫ですね。苦労人の今後に期待したいです!

    ムスタフィの不敗神話が継続中になったことは救いですが、コクラン、コシルニーを欠いたスタッツを今後どう回すのか、ヴェンゲルさんの真価が問われると思います。ボランチをレンタルで補強するか、ヴィエリク等の若手を抜擢するかの選択になるのでしょうか。幸い2月頭のチェルシー戦まで強豪とのゲームがないので、出来れば若手の抜擢を望みます。

    ただ、サイドバックだけは、やはり手薄なのでチェルシーとの一騎討ちが伝えられている、両サイドプレイ可能なヴォルクスブルクのリカルド ロドリゲスを本気で取りにいって欲しいです!

  2. りっきー より:

    観ていて残念な試合でした。。
    全体的に動きが重かったこともありますが何よりも気になったのが同点後のリアクションですね。
    ゴールセレブレーションはいいから早くリスタートして欲しかったです。
    同点で満足してしまった選手とリスタートを急かしていた選手の意識の違いが気になってしまいました。
    こういうところが優勝するチームとの違いかなと思ってしまいます。サンチェスなんかはチームのああいうところも見てるような気がしますね(笑)

    ボーンマスの3点目はベジェリンに対してのファールじゃないかと思いましたが、それを抜きにしても散々な内容でした。

    チームの精神的な柱となる選手が欲しいです

  3. 新参 より:

    中1日、アウェイ、難敵と厄介な要素がこれだけ重なると厳しいですね。チェルシーが独走しているだけに手痛いドローですが、チェルシーに何も起きないとも限らないので、アーセナルは自分たちの戦いに集中する他ないです。チェルシー戦は益々必勝の試合になってきました。

    バックの選手が疲労困憊なので、とにかく攻め続けるか、引いて守るエリアを減らしロングカウンターといった戦術的工夫を施してもいいかもしれません。

  4. ミハル より:

    アーセナルらしさがいい意味でも
    悪い意味でも存分に観られた試合でした。
    三点差で、この厳しい日程の中で、同点に
    追いついたことは凄いの一言です。
    ただコクラン、コシェルニーの負傷が気になります。
    どちらも要であり、優勝を目指す中でより厳しくなった。
    そう言わざるを得ません。

  5. makoto より:

    ヤンガナ大好き!さん>
    リヴァプール戦でラッキーボーイだったライアン・フレイザーが消えたのがターニングポイントとなりました。コクラン、コシールニーとは痛いところが倒れましたね。セントラルはビエリクに期待しているのですが、まだ厳しいですかね…。

    りっきーさん>
    アレクシス・サンチェスは試合終了直後に怒ってましたね。悪いイメージを残さなければいいのですが。

    新参さん>
    クリスタル・パレス戦のように、前で相手ボールを刈り取れるのが理想ですね。今月、残り3つは必勝です。

    ミハルさん>
    よく追いついたと思いつつ、勝てたのでは?という気持ちもあります。負傷者は長引かなければいいですね。

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