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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Burnley】10人のマン・シティは2-1辛勝。ペップはメディアの批判を一蹴できるか!?

ニューイヤーズ・デーの「スカイスポーツ」に、刺激的な見出しが掲載されていました。 「Pep Guardiola’s start at Man City has been ‘disappointing’, say the Sunday Supplement panel(サンデー・サプリメントのパネルは、ペップのマン・シティでのスタートは失望となりつつあると主張)」。番組に出演している「デイリ・ミラー」のジョン・クロス記者が強硬派、「サンデー・タイムズ」のジョナサン・ノースクラフト記者は穏健派でトーンは違うものの、今のマン・シティはペジェグリーニ時代と大して変わっていないという見方は一致しています。

昨季プレミアリーグ前半戦は11勝3分5敗、新監督は12勝3分4敗。勝ち点が3しか変わらないこともさることながら、批判のポイントは継続性や戦う姿勢の欠如にあります。とりわけ強調していたのは新戦力の貢献度の低さで、ジョン・クロス氏は「大金を費やしたジョン・ストーンズはどうなのか?ギュンドアンは負傷してしまった。ブラボはゲームを変えるようなセーブを見せたか?」と指摘。「ペップには時間が与えられるべき」としたジョナサン・ノースクラフト氏も、成功するには自身のアイデアをもっと打ち出さなければならないとしています。彼らがいいたいのは、打開策を見出せなかったプレミアリーグ前半戦最後のリヴァプール戦が、ペジェグリーニ監督の頃とオーバーラップしてみえたということでしょう。バルサのスペクタクルもバイエルンの自在性もなかったチームは、このままでは1年前と同様にプレミアリーグ4位を争うだけで終わってしまう…。

記事を読んだ後だったこともあり、私は、バーンリーとのホームゲームでペップがどうチームを鼓舞するのかに注目していました。敗戦のショックを引きずり、下位相手に取りこぼしてしまうのか、目の覚めるような快勝で次に向かうのか。今季プレミアリーグ10ゴールのアグエロと司令塔のダヴィド・シルヴァをベンチスタートとして、イヘアナチョ、スターリング、ヘスス・ナバス、デブライネ、ヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョを並べたスタメンは、ペジェグリーニ監督と同じ4-2-3-1。見慣れた感覚があるのは、ブラボ以外に新戦力がいないからでしょう。

慎重に立ち上がったマン・シティは、6分にいきなりチャンスを迎えます。敵陣でインターセプトに成功したスターリングのスルーパスで、GKと1対1になったのはイヘアナチョ。しかしそこには、今季プレミアリーグ最高とも称される守護神ヒートンがいました。ドリブルで右にかわそうとした20歳のストライカーのボールを左手ではじくと、こぼれ球をやはり左に持ち出そうとしたスターリングも両手でカット。先制ゴールでリヴァプール戦とは別な試合にしたかったホームチームは、絶好機を逃してしまいました。

8分には、ロングボールをクリアした後、フェルナンジーニョ、ヘスス・ナバス、ヤヤ・トゥレとスムーズにつながりラストパスがイヘアナチョへ。ボックスやや右から左足で巻いたシュートはゴール左隅を捉えられず、枠の外に消えていきます。19分のショートコーナーは、ヘスス・ナバスがニアに流したボールをヤヤ・トゥレがボレー。外から右隅に入ってきたボールは、ヒートンの素晴らしいセービングで阻まれます。事件が起こったのは、32分でした。縦パスをカットされたフェルナンジーニョがグドムンドソンにスライディングをかますと、レフェリーの手には赤いカード。両足ではさみにいったタックルは、確かに危険でした。ピッチ脇に立つ時間が長いペップは、ずっと難しい顔をしています。メディアの記者や私と同じく、この試合で致命的な敗戦を喫することを案じているのでしょう。決定機を創りながらも、前半は0-0。残りの45分でゴールを奪えなければ、首位はおろか、4位の背中も遠のくかもしれません。

10人のチームの指揮官は、後半の頭から大胆な交代策に打って出ました。イヘアナチョとヘスス・ナバスを引っ込め、アグエロとダヴィド・シルヴァが登場。ダイレクトパスで味方をいい態勢にできるダヴィド・シルヴァが攻撃を活性化します。51分、シルヴァ、デブライネとつながったボールを受けたスターリングが、切り返しから強烈なシュート。ベン・ミーが体を張ってブロックした後のルーズボールは、トラップしたアグエロが打ち切れませんでした。58分、マン・シティの波状攻撃。サニャのグラウンダーをニアで受けたデブライネの一撃がクリアされると、右SBの2度めのクロスは誰にも合わず逆サイドへ。クリシーがアーフィールドをかわすとは、しかも右足でファーポストの内側にぶつける完璧なシュートを打つとは想像できませんでした。脇役にまわることが多い左SBの値千金のミドルで、プレミアリーグ5位チームはようやく先制です。

「1人少ないと守備的になりがちだが、そうしたくなかった。デブライネ、スターリング、アグエロでカウンターを仕掛けたかった」。 試合後にこう語ったペップの狙いが形になったのは、62分でした。クロスのクリアを拾ったヤヤ・トゥレがデブライネに託したカウンター。右からスプリントしたスターリングは、ベン・ミーをかわしてヒートンと向き合うと、地面を蹴って転倒。ゴールラインを割って終わりかと思いきや、後ろからフォローしたエースが見せてくれました。角度のないところからニアポストをかすめた素晴らしいダイレクトショットは、ゴールの中に戻っていたロートンに当たってゴールイン。ポストの脇にいながら狭いすき間を抜かれたマイケル・キーンととともに、何が起こったか把握できていないかのように立ち尽くしています。2-0、これで決まりと思われたゲームは、バーンリーの反撃でおもしろくなります。

69分、ボイドのFKが壁に当たって、次はCK。試合後のインタビューでペップはキーパーチャージと主張しておりましたが、ニアの競り合いで高く浮いたボールにブラボのパンチが空振りしたとき、サム・ヴォークスはプレッシャーをかけておらず、こぼれ球をプッシュしたベン・ミーのシュートは、ゴールラインテクノロジーがインとジャッジしています。77分、アーフィールドのクロスに頭を振ったサム・ヴォークスのシュートは左にアウト。91分、左でサイドチェンジのボールを拾ったウォードのクロスは、マイケル・キーンが左足でうまく合わせたものの、ブラボが指先で上に弾き出します。最後はジョン・ストーンズまで投入した10人のマン・シティが、2-1で何とか逃げ切りました。

指揮官も選手もナーバスだったゲーム。数的不利を強いられながら、勝ち点3をゲットできたのは何よりでした。枠内シュート3対3というきわどい勝負になったのは、人数のせいなのか、タイトなスケジュールに体力と積極性を蝕まれているのか、記者たちの指摘が当たっているのか。事実としてあるのは、プレミアリーグ上位相手のすべてのゲームでイニシアティブを握っていた強いチームであること、とはいえ開幕6連勝の頃の強烈なプレスを見られる時間が減ったこと、セルチック戦やレスター戦のような極端にテンションが低いゲームがなくならないことです。彼らの課題がどこにあるのかは、60分を10人で過ごしたゲームで語らず、エヴァートン、トッテナムと難敵が続く次戦以降に持ち越すことにしましょう。ペップのチームは、リヴァプール戦のショックを引きずらなかった」。今は、そこまでです。

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“【MAN.CITY×Burnley】10人のマン・シティは2-1辛勝。ペップはメディアの批判を一蹴できるか!?” への2件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    かなり厳しい試合でした
    フェルナンジーニョの退場は妥当ですね
    今季獲得した選手が活躍しているとは言えません
    特にブラボはハートより足下がうまいですが
    プレミアでやるには高さやフィジカルが足らないと思います
    もう開幕のような試合はできないのですかね?

  2. makoto より:

    シティふぁんさん>
    あの頃は素晴らしかったですよね。疲労、一部選手の自信喪失など、いくつか停滞要因がありそうですね。凄く悪くなるイメージはないのですが、よくなるまで時間がかかりそうでもあります。来季も見据えて、CBとセントラルMFは、冬に新しい選手を獲ったほうがいいと思います。

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