おとぎ話の終焉…スロースタートのアーセナルがリンカーンに5発圧勝でFAカップ4強進出!
14分、CKのクリアを拾ったギブスがファーにクロスを上げると、競り合ったボールの落ち際をボレーで叩いたのはウォルコット。右隅に飛んだボールはGKファーマンが見事にセーブし、ポストに当たったボールをコシールニーが中に入れると、ウォーターフォールがジルーの前でブロックします。27分、足を痛めたチェンバレンがリタイア。代わって入ったのは、体調不良でチームを離れ、バイエルン戦で復帰したばかりのメスト・エジルです。昨季プレミアリーグアシスト王は、復調のきっかけをつかめるでしょうか。29分、右からボックスに侵入し、切り返しでコシールニーをかわしたアーノルドの左足シュートにはヒヤリとさせられました。足元に入り過ぎて強く当たらなかったボールは、チェフが右に飛んでセーブ。どうした、ガナーズ。33分にアレクシス・サンチェスが左から入れたグラウンダーは、トラップしたウォルコットが体を反転させて左足でシュートしますが、マークに入ったDFの足に当たってファーマンがキャッチします。
ベジェリンのクロスをジルーが競ったこぼれ球は、ラムジーのボレーが左にアウト。44分のチャンスを決められなかったガナーズは、終了間際にようやく先制点を決めました。右サイドにいたエジルがファーにいたムスタフィにロングボールを通すと、裏への浮き球がギブスに通り、ダイレクトパスのやりとりからウォルコットがシュート。DFに当たってコースが変わったボールは、ゴール右隅に吸い込まれました。6分という長い追加タイムには何も起こらず、ハーフタイムは1-0。シュート6本は、下部リーグのクラブとホームで戦うプレミアリーグのクラブとしては、もの足りない数字です。
48分のエジルのミドルは相手に当たってCK。2分後、ロングフィードに前線で追いついたジルーが左から持ち込んでシュートを放つと、GKが弾いたボールをウォルコットが中に浮かしますが、ギブスのヘッドは高く浮いてしまいます。エジルのクロスを叩いたジルーのボレーは強さが足りず。左サイドを再三崩していたア―セナルは、52分に決定的な2点めを奪いました。エジルの左からのグラウンダーがウォルコットに通ると、アレクシス・サンチェスとのワンツーで右からえぐったベジェリンが中央に完璧なラストパス。ジルーがこれを右足で強引にねじ込み、リンカーンに勝負を諦めさせました。
中に斬り込んでくることが多いベジェリンは、56分にボックス手前でひとりかわすと、きわどいシュートを右のポストぎりぎりに飛ばします。58分の3点めは、エジルが左のアレクシスに出したサイドチェンジのボールから。内から縦にスプリントしたギブスに7番からの優しいパスが通ると、高速グラウンダーはウォーターホールが触って枠に入れてしまいました。61分、ジャカに代わってコクラン。エミレーツの空気はすっかり弛緩しています。ジルーに代わって入ったルーカス・ぺレスは結果を出したいところ。リンカーンは、依然として左から攻めてくるガナーズに防戦一方です。
72分、前線でパスを受けたアレクシス・サンチェスが右隅にコントロールショットを決めて4-0。最後のゴールはその3分後、ボックス手前でインターセプトしたボールが左のアレクシスに出ると、逆サイドに通ったパスをラムジーがフリーでトラップし、GKを抜き去って無人のゴールに蹴り込みました。リンカーンサポーターは、赤いスカーフを掲げてここまで辿り着いたクラブの健闘を称えています。FAカップらしい雰囲気のなか、おとぎ話はついに最後のページを閉じました。5-0、アーセナル。リンカーンは、プレミアリーグのトップクラブ相手には奇跡を起こせませんでした。ガナーズとしては、エジルやルーカス・ペレスのコンディションを上げつつ、ゴールの感触を確認できたのが収穫でしょう。調子を崩しているチームにとっては、勝利が最高の良薬です。ベスト4進出が決まったFAカップはもちろん、WBA、マンチェスター・シティと難敵が続くプレミアリーグでの巻き返しにも期待しています。
【FAカップ準々決勝結果・組み合わせ】
ミドルズブラ 0-2 マンチェスター・シティ
アーセナル 5-0 リンカーン
トッテナム VS ミルウォール
チェルシー VS マンチェスター・ユナイテッド
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