優勝が決まるピッチに彼はいるのか?今季プレミアリーグでTOPとなった遠藤航らしい2つのスタッツ!

左足の強烈なダイレクトショットは、GKハーマンセンのグローブを弾いてネットへ。足首の負傷が癒え、5分前にピッチに入ったばかりのSBはシャツを脱ぎ捨て、喜びを爆発させました。リヴァプールに入団して20年。人生の大半を過ごしたクラブで決める最後のゴールになるかもしれないという思いが、イエロー必至のゴールセレブレーションにつながったのでしょう。
2位に13ポイント差でも、優勝間近となるとプレッシャーがかかるのでしょうか。シュート28本、オンターゲット10本と容赦ない猛攻を続けたリヴァプールは、ビッグチャンスミス10回という信じられない数字を残しています。3分に右から抜け出し、GKと1対1になったサラーはファーポストに当て、唯一のゴールを生んだ混戦でもサラーとジョッタがポストとバーに阻まれています。
それでもレジェンドと称えるべきフルバックが決めて、何とかリードしました。この展開は、彼の出番です。32歳になった日本代表のキャプテン、遠藤航。しかしスロット監督は、守備を強化するより攻め切ったほうがベターと判断したようです。90分にルイス・ディアスと代わったのは、カーティス・ジョーンズでした。
次節のスパーズ戦に勝てば、稲本潤一、香川真司、岡崎慎司、南野拓実に続く日本人で5人めのプレミアリーグ制覇が決まります。彼にとってこの1年は、誇らしい時間なのか、苦渋の季節だったのか。プレミアリーグ出場は16試合ながら、先発はゼロ。チャンピオンズリーグでキックオフを控えるピッチに立ったのは、消化試合となったPSVアイントホーフェン戦のみです。
FAカップとカラバオカップで6試合に先発しているものの、ファーストレグを1‐0で落としたスパーズとのカラバオカップ準決勝は、必勝の2戦めをベンチで過ごしています。出番すら得られなかったのは、4‐0となったからでしょうか。ウェンブリーの決勝も、当然のようにスタメンから外れ、敗れ去るチームを見守っていました。
「フットボールプレーヤーとしても、ひとりの人間としても、とても高く評価している。チームがどれほど彼を必要とするかに関係なく、常に準備ができている。彼が特別なのは、どんな状況でも全力を尽くすこと。何曜日でも、試合に出ても出なくても、トレーニングで最高のパフォーマンスを見せてくれている。その積み重ねによって、必要な状況で必ず結果を出している」
アルネ・スロット監督は、遠藤航の人間力を信頼しながらも、勝ちにいく試合で先発させる選手ではないと評価していたのでしょう。フラーフェンベルフやマック・アリスターのバックアッパーという役割から抜け出せずに終わりそうですが、プレミアリーグのトロフィーとカラバオカップのシルバーのメダルは、ピッチの外でも戦い抜いた選手が胸を張って掲げるべき勲章です。
今季プレミアリーグで、遠藤航がリーグTOPを記録しているスタッツが2つあるのをご存じでしょうか。90分あたりのタックル成功3.8回は、3.0回のカゼミーロと2.6回のタイラー・アダムスを上回っており、成功率75%はTOP50のなかでもNo.1です。もうひとつは90分あたりのファール数7.5回で、2位のウイル・ヒューズの2.9回をぶっちぎるワースト…いやリーグ1位です。
激しい選手ではあれど、ダーティーではないという証拠として、TOP30で唯一イエローもレッドもゼロという事実を添えておきましょう。おそらく優勝が決まるであろうアンフィールドのスパーズ戦で、タイムアップの笛が鳴った瞬間、彼はどこにいるのでしょうか。笑顔でピッチから戻り、指揮官とハグをかわす姿を見られればと願うばかりであります。
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