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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Aston Villa】明暗を分けた最終盤の攻防。決定機を逃したヴィラ、激痛の敗戦!

グヴァルディオルが左サイドのジェレミー・ドクにパスを通したのは94分。エティハドにアストン・ヴィラを迎えたマンチェスター・シティは、1‐1のままで終わると6位に転落する可能性があります。2年連続のCL出場権獲得をめざすウナイ・エメリにとっても、必勝の一戦。ドローで6位は、喜べる結果ではありません。

74分にジェームズ・マカティーと代わって入ったドクは、90分あたりのドリブル成功が6.8回。2位のヌワネリは3.6回で、ぶっちぎりのTOPですが、ここまでは1回しか決めていませんでした。右足のアウトでトラップすると、ボールはタッチラインのほうに流れ、ディサシはすぐにでも触れそうでした。映像を何度も確認したのですが、このタッチは狙い通りではなかったはずです。

チェルシーからローンで加わったSBが足を出した瞬間、カットして終わりと思ったのですが、ドクの次のタッチが想像以上に速く、一気にトップギアに入りました。ディサシはついていけず、カバーしようとしたコンサは間に合わず、右足のアウトにかけたグラウンダーがニアに詰めたギュンドアンの前を横切りました。ボックスに入る前に、ファーの状況を見ていたのでしょう。

マルムシュは届かず、外から走り込んだマテウス・ヌネスの足元へ。エミ・マルティネスがグラウンダーをキャッチしにいかなければ、角度が厳しかったシュートはセーブできていたでしょう。倒れ込んだGKが立ち上がる前に、右足のワンタッチはゴールラインを越え、エティハドは大歓声に包まれました。ペップはガッツポーズ。エメリは呆然としています。

何としても勝ちたかったマン・シティは、ニューカッスルとノッティンガム・フォレストをまとめてかわして暫定3位に浮上。プレミアリーグで5連勝だったヴィラにとっては、激痛の敗戦でした。正直にいいましょう。私はヴィラの勝利を祈っていました。パリをあと1歩まで追い詰めたチームを、来季のチャンピオンズリーグでも観たいと思っていたからです。

あらためて、試合の展開を振り返りましょう。キックオフからすぐにエミ・マルティネスが敵陣中央に浮かし、競り合いのこぼれ球を奪ったティーレマンスが左にラストパス。ドリブルでルベン・ディアスを振り回したラシュフォードが左足で右隅を狙うと、ポストに当たったボールはオルテガの懐に戻ってきました。ピンチをしのいだホームチームは、7分にあっさり先制します。

ルベン・ディアスのサイドチェンジを胸で止めたマルムシュが、マティ・キャッシュをかわしてニアにラストパスを出すと、コンサが触ったボールが中央に転がりました。走り込んできたベルナルド・シウヴァがダイレクトで打った一撃はコースが甘かったのですが、エミ・マルティネスは後ろに逸らしてしまいました。

リードしてから、自分たちのペースをつかんだマン・シティは、15分にラシュフォードが仕掛けたカウンターから失点を喫しました。左サイドから上がった9番が強引にカットインしようと中にタッチすると、ボールを拾って縦に出たジェイコブ・ラムジーが転倒。オンフィールドレビューの映像を見ると、外から体を寄せたルベン・ディアスの足がかかっているように見えます。

ジャッジはPK。ぎりぎりまでGKを見たラシュフォードが、冷静に右に流し込みました。ここからのマン・シティはチャンスを創れず、オライリーのクロス以外に期待感が高まるシーンはありませんでした。デブライネの偽9番は、妥当な戦術だったのか。アグレッシブな仕掛けが目を引いたマルムシュをセンターで活かしたほうが、きわどいシーンが増えたのではないでしょうか。

39分にディーニュのロングフィードでラインの裏を取ったラシュフォードは、オルテガとの1対1から頭上に浮かそうとしたラストタッチをミス。1‐1の後半もポゼッションはマン・シティですが、チェンジ・オブ・ペースがないサイドアタックは機能せず。ヴィラの守備陣がきわどい対応を強いられるのは、デブライネのクロス、オライリーの攻め上がりとセットピースだけでした。

61分、デブライネの絶妙なフィードでブバカル・カマラの裏を取ったジェームズ・マカティーは、左足のループシュートがファーにアウト。2分後、モーガン・ロジャースの縦パスで右から突破を図ったラシュフォードは、オルテガを抜き去ったもののニアに外しました。GKとの1対1が3回あった9番がひとつでも活かしていれば、ヴィラは望む結果を得られたかもしれません。

必勝だったはずのペップは、74分にマカティーをドクに代えただけで、グリーリッシュ、サヴィーニョ、フォーデンを起用しませんでした。ベルナルド・シウヴァとコヴァチッチがもたらす安定を捨てられないと判断したのでしょう。1‐1の90分に切った2枚めのカードは、デブライネをアカンジ。「ドローはやむなし、しかし敗戦は絶対回避」と腹をくくっていたのでしょうか。

アストン・ヴィラの残り4試合は、フラム、ボーンマス、スパーズ、マンチェスター・ユナイテッド。3月以降のプレミアリーグで負け越している不振のチームばかりで、4連勝はリアルな目標です。すべて勝てれば、つぶし合いがあるノッティンガム・フォレスト、チェルシー、ニューカッスルをかわせる可能性があり、着実にポイントを積み上げていくのみです。

安全第一で勝ち切ったペップは、ウルヴス、セインツ、ボーンマス、フラムならTOP5で終われそうです。シュート14本のうち6本がセットピースで、4本はミドルレンジ。興奮も感動もない一戦でしたが、ライバルを上にいかせないという目標は達成しました。シティズンのみなさんはストレスを溜めているかもしれませんが、我慢を重ねて得た3ポイントを大いに称えたいと思います。


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