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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Leicester×Tottenham】圧巻スパーズ!4発決めたハリー・ケインが得点王争いのトップを奪取!

プレミアリーグ34節の延期試合、レスターVSトッテナム。私の注目は、レスターのほうでした。この試合と日曜日で、奇跡の優勝チームの見納めをしようと考えていたのです。チャンピオンズリーグという魅力的なステージがあった今季は、カンテを除く全員が残留しましたが、おとぎ話が終わったこの夏にはラニエリの魔法がかかった素晴らしいチームは解体されるでしょう。セヴィージャに勝ったサッカーを、最後にもう一度見せてほしい。昨季プレミアリーグで優勝を争ったチーム同士の対決は、エキサイティングなゲームになるはずと期待していたのですが、私の思惑とはまったく違う凄いものを見せつけられてしまいました。

試合の流れをつぶさに記すよりも、主役2人を追いかけたほうがいいでしょう。ハリー・ケインとソン・フンミン。5分に速攻を仕掛け、ハリー・ケインが前線に通したラストパスをソン・フンミンがダイレクトで左に外したのが、ショータイムの始まりの合図でした。エリクセンがベンチというアウェイチームのマイナスよりも、ウェズ・モーガンとフートのCBコンビがいないホームチームの混乱のほうが、より大きく感じられます。ソン・フンミンは、8分にもベン・デイヴィスが左から出したパスを持ち込み、右足で巻くミドルシュート。ボールは狙い通りに落ちず、シュマイケルの頭上を越えていきますが、黄色いシャツのチームにはゴールの予感が充満しています。レスターはすぐさま反撃に入り、中に斬り込んだマフレズが右に流した巧みなパスでヴァーディがフリー。右足で放った強烈な一撃は、プレミアリーグ屈指の守護神ロリスがキャッチしてしまいます。

15分、敵陣でデル・アリが競り合ったボールが右のソン・フンミンに届くと、フリーのシュートチャンスを得た7番はシュートを浮かしてしまいました。レスターの守備陣は、前線で楔の役目を果たすハリー・ケインやデル・アリを空けすぎです。25分、最後方のアルデルヴァイレルトから絶妙なロングフィードがラインの裏に出たソン・フンミンに通り、ニアへの折り返しをハリー・ケインが体ごと飛び込むようなボレー。0-1としたトッテナムが勢いに乗り、左右からのパスを受けたデル・アリが再三シュートを放ちます。36分の2点めは、ソン・フンミンの技ありのゴールでした。ワニャマからパスをもらったデル・アリがDFの間を抜ける浮き球を入れると、韓国代表のストライカーは後ろからのボールをダイレクトでボレー。ボールはきれいに左隅に吸い込まれ、プレミアリーグ最少失点クラブがリードを広げました。

本拠地キングパワーで押されていたレスターは、後半開始から攻撃に転じますが、FKを叩いたベナルアンのヘッドはバーを越え、マフレズのミドルはロリスの正面。56分、ワニャマのパスを受けたのは、今度はハリー・ケイン。ラインの裏に走ったソン・フンミンに浮き球を通したところまでは2点めとそっくりでしたが、バイシクルはうまく当たらず右に逸れていきます。すると59分、レスターがカウンターから1点をゲット。エンディディからヴァーディへのパスはオフサイドに見えましたが笛は鳴らず、ボックスを飛び出したロリスのクリアはエンディディがキープ。左で空いていたチルウェルにボールが渡り、中央に持ち込んで丁寧に狙ったシュートは、ゴールマウスに戻ったばかりで体勢が整っていなかったロリスの脇を抜けていきます。1-2となり、レスターの逆転もあるかと思いきや、ここからケイン&ソンの大爆発第2弾が始まります。

ホームチームのゴールの4分後、シソコが右サイドに流したボールをオーバーラップしたアルデルルヴァイレルトが高く上げると、ファーサイドに入ったワニャマがヘディングで折り返し、ハリー・ケインが頭でプッシュ。70分には自陣からのカウンター。ソン・フンミンに預けたハリー・ケインがドリブルで上がる7番を追い越して左に出ると、ソン・フンミンはフェイントでエンディディをかわして右に進路を変え、右隅を狙ったシュートがサイドネットを揺らします。レスターはホームサポーターに支えられて何とか戦っていましたが、速攻でハリー・ケインを止められないのは明らかです。

78分にソン・フンミンに代わったフィンセント・ヤンセンは、86分にデル・アリのグラウンダーを押し込みますが、これはオフサイド。ハリー・ケインがとどめを刺したのは88分でした。プレミアリーグデビューを飾った21歳のレスニアクからのパスで前を向き、シンプソンの股間を抜くミドルをズドン。ハットトリックでルカクをかわし、得点王争いのトップに立ったエースは、92分にもアマーティのチェックの甘さを突いて左隅に強烈なシュートを決め、今季プレミアリーグでのゴール数を26に伸ばしました。

アトレティコ・マドリード相手に最後まで夢を見たチャンピオンズリーグベスト8が、キングパワーで6失点するとは思いませんでした。前半で退いた岡崎慎司の名前を出す暇もないスパーズの圧勝。彼らの明暗、すなわちレスターの低迷は、今季プレミアリーグの大きなトピックスのひとつ。ハリー・ケインのラッシュに興奮しつつ、昨季の後半戦で11失点しかしなかったチームが崩壊していく様を見続けるのは、なかなかせつない時間でした。レスターの最終節は、TOP10フィニッシュをめざす直接対決、ボーンマス戦です。ホームサポーターの前で岡崎慎司に決めていただき、順位表の上半分に食い込んで苦しかったシーズンを締めていただければと思います。

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