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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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大丈夫か、チェルシー!プレミアリーグレコードとなる2億6240万ポンドの大赤字と代理人マージン!

UEFAのFSRと、プレミアリーグのPSR。近年はクラブの財政に対するチェックが厳しくなっており、15年前の赤字のレコードが塗り替えられるとは思いませんでした。チェルシーがまたしても、衝撃的なニュースを提供しました。昨シーズンの財務報告における税引前の損失は、2億6240万ポンド。円に換算すると、554億円です。

これまでのプレミアリーグにおける最大の赤字は、2010-11シーズンにマンチェスター・シティが計上した1億9750万ポンドでした。今回チェルシーが発表した驚愕の数字は、かつてのレコードを6500万ポンドも上回る異次元の規模となっています。さらに驚くべきは、代理人に支払ったマージンの額です。

2025年2月からの1年で、チェルシーが代理人に支払った総額は6510万ポンドに達しています。これはプレミアリーグ全20クラブのなかでダントツのTOPで、2位のアストン・ヴィラは3840万ポンドに留まっています。3位のマンチェスター・シティは3736万ポンド、4位リヴァプールは3388万ポンド。リーグの総額は約4億6030万ポンドで、チェルシーは全体の14%を占めています。

彼らはなぜ、歴史的な大赤字を計上することになったのでしょうか。クラブの説明によると、前年度から大幅に増加した運営コストが原因だそうです。欧州復帰に伴い、マッチデー関連の経費が増加。多くの新戦力獲得によって、巨大なスカッドを抱えることになったため、移籍金と人件費が跳ね上がり、損益を悪化させています。

ここまでの話はネガティブですが、チェルシーは売上も伸びており、前期の4億9090万ポンドはクラブ史上2番目に高い数字となっています。好調な収益のベースとなったのは、クラブワールドカップ制覇のインセンティブ、カンファレンスリーグの優勝によるマッチデー収入の増加、4位に食い込んだプレミアリーグの放映権料で、ピッチ上での成功が財政面での支えになっています。

実はチェルシーは、前年度の決算では1億2840万ポンドの黒字でした。その内訳を見ると、ブルーコのグループ内で2つのホテル、駐車場、女子チームを売却したことによる収益が大きく、2億7500万ポンドの帳簿上の利益を差し引くと、1億4000万ポンドを超える赤字になります。今後は、同じ手段でプレミアリーグのPSRをクリアすることはできないでしょう。

若手シフトの補強によるサラリーの抑制、超長期契約による単年の減価償却費の軽減、グループ内の取引を使った利益創出…。これ以上「コストの先送り」をかますと、チームが不振に陥ったときに身動きが取れなくなります。「サラリーが安い若手は売りやすい」のは確かですが、成長すればフィーをUPせざるをえず、伸び悩めば放出による収益が下がります。

コートを脱ぎ、スーツもシャツも脱ぎ捨て、パンツのみで極上のシャンパンとキャビアを愉しんでいるのが今のチェルシーです。代理人への大盤振る舞いを止めなければ、「過去3年の累積赤字が1億500万ポンド以内」というPSRのラインに届かなくなります。どのコストを下げ、どこで収益を生み出すのか。コンパクトなスタンフォード・ブリッジも、財政的なリスクのひとつです。

2億6240万ポンドの赤字と6500万ポンドの代理人マージンという前代未聞の数字は、ハイリスク&ハイリターンのプロジェクトの現在地を雄弁に物語っています。プレミアリーグで5位以内に食い込めず、CLの出場権を取り逃したら、思うようにスポンサー獲得が進まなくなるでしょう。フットボールクラブが利益を出すための大前提は、スターが活躍する強いチームであることです。


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