【Arsenal×Tottenham】 補強総額159億円VSゼロ円。満身創痍のアーセナル、魂のダービー勝利!
ASローマの核弾頭、アルゼンチン代表FWラメラ、21歳。デンマーク代表37キャップ「ラウドルップの再来」MFエリクセンも21歳。ルーマニア代表19キャップ、待望のCBキリケシュは23歳。めぼしい放出は、ベイル以外ではハドルストーンとデンプシー、コーカーのみ。これが今季に向けた、トッテナムの革命的大補強です。代表でバリバリのレギュラーを張っている選手を揃えただけでなく、エリクセンやラメラに至っては、3年後にレアル・マドリードに100億円で売ろうとしているはずです。これぞ、締まり屋トッテナム流極楽オークション術。レヴィ会長、あなどれません。かくして、今ひとつ突き抜けられないプレミアリーグで5番めのクラブは、マンチェスター・シティやチェルシーに決して引けをとらない、一流選手王国を建立したのです。ここは、サッカーの歴史の試験に必ず出るところです。覚えておきましょう。
対するアーセナルは、やっとの思いでマシュー・フラミニをフリートランスファーで獲得しました。同じく移籍金ゼロで獲得したヤヤ・サノゴと合わせて、今季は2名をゼロ円で獲得です。彼らが入ったことで、ケガ人続出、ツギハギだらけのスカッドに、やっとバックアッパーを置くことができます。…ヴェンゲル監督は、ご機嫌でしょう。
9月1日のノースロンドンダービーは、そんな2チームの戦いです。さっそく新戦力のラメラをベンチに置いて、意気揚々とエミレーツ・スタジアムに乗り込んできた白いユニフォームと、対するは目のうえの絆創膏が痛々しいコシールニーや、左足の裏を気にするギブス、「ケガで離脱報道」が毎週のように流れてくるラムジー、ロシツキらが、それでも眼光は鋭くピッチに登場する赤いホームチーム。より負けられないのは、既にアストン・ヴィラにまさかの敗戦を喫しているガナーズのほうです。2連勝のトッテナムは、それでもダービーは別格。最低でも勝ち点1は持ち帰りたいところです。
結果は1-0、アーセナルが競り合いを制しましたが、3-3のドローといわれても納得の攻め合い。勝敗を分けたのは、「気合い」と「気負い」の違いではないでしょうか。唯一の得点、23分のジルーは、アーセナルらしさが凝縮された集中力の高い一発。センターサークル付近で奪取したボールがロシツキへと渡り、絶妙のタイミングで裏に抜けたウォルコットに出されたパスを、フリーの右MFがここしかない、というコースにグラウンダーで送ると、GKの前に飛び出してきたジルーがロリスとゴールポストのほんのわずかなすき間を左足で通します。絶対に獲る、という気合い。三者三様の名人芸。ウォルコットを見失ってしまったスパーズDF陣にとっては、悔やみきれない瞬間でした。
一方、トッテナムは、ここぞというシーンでことごとくシュートをミスします。60分を過ぎると、トッテナムが一方的に押し込み、隙をついてアーセナルがカソルラやジルーを中心にカウンターを仕掛ける、という展開。ホームチームにとっては、長い長い30分でした。コシールニーやメルテザッカーを中心とした、気迫あふれる守備は素晴らしかったのですが、トッテナムの気負いがゴールを遠ざけてしまった感もあります。パウリーニョのミドルはミートせず、カイル・ウォーカーは2度の決定的チャンスをふかしてダフってふいにし、交代で入ったラメラのフェイントからのシュートはシュチェスニーの正面。逆にアーセナルのカウンターはシャープで、ジルーの正面からのシュートやウォルコットのボレー、2度のロリスとの1対1のシーンは、フランス人GKが絶好調じゃなかったら、軽く2点は入っていたでしょう。
ラスト10分の攻防はエキサイティングでした。とりわけ感動したのがジルーの守備。ゴール前で相手のシュートを弾き飛ばし、左SBのポジションまで走ってクリアする姿はアーセナルの気合いの象徴でした。タイムアップの笛が鳴った後、ジルーやロシツキが抱き合って喜ぶ姿は、プレミアリーグで優勝したかのよう。これ以上ライバルを走らせるわけにはいかない、と一致団結した魂の勝利です。これぞダービー。素晴らしいゲームでした。
最後にひとつだけ。「フラミニさん、お帰りなさい。ノースロンドンダービー出場、おめでとうございます」。(写真著作者/オリヴィエ・ジルー:Ed g2s ロベルト・ソルダード:CarlosRM)
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