2026.05.17 監督トピックス
好調の翌シーズンに停滞、終盤の大敗…ロジャース、テン・ハフ、アルネ・スロットの共通項。
セットピースからの20失点はウルヴスやバーンリーを上回る最多で、CKからの11失点はプレミアリーグにおけるクラブ史上最悪の数字です。フリンポンの度重なる負傷や、ブラッドリーとレオーニのシーズンアウトは誤算だったのかもしれませんが、最終ラインの層の薄さは開幕当初からの懸念でした。冬にDFを補強しなかったのも、3月から不振に陥った理由のひとつでしょう。
戦績を見ていて気になるのは、アウェイで勝てていないことです。TOP9との8試合は1分7敗で20失点。唯一のポイントはアーセナルとのスコアレスドローで、3失点以上が5試合もあります。最終節でブレントフォードに負ければ、敵地で上位に勝つことなくシーズンを終えることになり、チャンピオンズリーグの出場権をさらわれてしまうかもしれません。
マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アストン・ヴィラの難敵3連戦は、厳しい戦いになると見ていたものの、1ポイントしか積めないとは思いませんでした。プレスルームで負傷者の多さを嘆くアルネ・スロットを見ていると、2014-15シーズンのブレンダン・ロジャースや、2023-24シーズンのエリック・テン・ハフを思い出します。
3人の共通項は、「前年が好調」「補強が空転」「エースが不振」「終盤に戦績が悪化」の4点です。2013-14シーズンのブレンダン・ロジャースは、スアレス・アンド・スタリッジ(SAS)の大爆発でラスト2戦まで首位をキープしていました。ジェラードのスリップがきっかけでチェルシーに敗れ、2位でシーズンを終えると、スアレスがバルセロナに移籍してしまいました。
絶対的エースが残した資金で獲得したのは、バロテッリ、リッキー・ランバート、オリギ、エムレ・ジャン、ララナ、マルコヴィッチ、アルベルト・モレノ、デヤン・ロブレン。後方の補強はまずまずでしたが、ストライカーは大誤算でした。ラスト10戦は3勝2分5敗で、最終節はストークに6-1の大敗。6位に転落したチームは翌シーズンも振るわず、指揮官は10月に解任されました。
テン・ハフの就任初年度のプレミアリーグは3位で、カラバオカップを制覇。カゼミーロ、エリクセン、ヴァランといったベテランの獲得は大成功で、アントニーの不振は気になりませんでした。8位に沈んだ翌シーズンは、カゼミーロ、エリクセン、ヴァラン、ラシュフォードら主力の不振に、新戦力のオナナの混乱やメイソン・マウントの負傷が重なったのが停滞の要因でした。
こちらも最後の10戦は3勝4分3敗という微妙な戦績で、FAカップを制して留任となった指揮官は、ロジャースと同じ10月にジ・エンドとなっています。「あちらはクロップでこっちはアモリムか」と思うと、ため息が漏れますが、それはさておき。2つの事例は、ローテンションでシーズンを終えると、次のスタートで出遅れることがあると示唆しています。
ベンテケ、イングス、フィルミーノ、ミルナー、ジョー・ゴメスを加えたロジャースも、ザークツィー、ウガルテ、マズラウィ、レニー・ヨロ、デ・リフトを手に入れたテン・ハフも、新戦力がフィットする前に時間切れとなった感があります。過去の話を長々と続けたのは、3月以降の9試合を3勝2分4敗のスロットも、同じような泥沼にはまる可能性があると危惧したからです。
初年度はリーグ制覇、2年めは5位。スアレスの退団とサラーの衰退、バロテッリとイサクの空回りは重なって見えます。「トランスファーマーケットがもたらす効果を過小評価してはいけない」というスロット監督は、同じ轍を踏まないといえるのか。フェンウェイ・スポーツ・グループのボードメンバーやスタッフは、10年前に起こったことを把握しているはずですが…。
「昨シーズンの優勝監督を切れ」といっているわけではありません。上位のクラブに勝てなくなったり、守備が崩れる試合が増えたりした最大の理由がメンタルの問題なら、ともに戦った指揮官が立て直すのは難易度が高そうと考える次第であります。サラーとロバートソンがいないロッカールームはどうなるのか、35歳になるファン・ダイクはトップレベルをキープできるのか…。
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