2026.05.23 マンチェスター・シティの話題
「めちゃくちゃ楽しかった」退団を発表したペップ・グアルディオラがクラブに残したメッセージ。
プレミアリーグ2025-26シーズンの最終節を控えたプレスカンファレンスで、何を聞かれるか察していたペップ・グアルディオラは、「Aston Villa, guys, allez(アストン・ヴィラ、行くぞ!)」とかましながら席に着きました。「契約はあと1年残っている」といい続けてきた指揮官は、自らの決断とその理由について、語り始めました。
「10年は長い時間だ。クラブには新しい監督とエネルギーが必要だと思う。ここにいる素晴らしい選手たちとともに、次なるキャプチャーを書き始めるべきだ」。もう1年、続けるエネルギーが残っていないという言葉を聞いて、ユルゲン・クロップが脳裏をよぎりました。2024年の秋に、それまで経験したことがない絶不調に陥ったことが、彼の心をすり減らしたのかもしれません。
ガリー・ネビルとジェイミー・キャラガーが「史上最高の監督だ」といっていたと聞くと、「一緒にビールでも飲もうか」とかわし、客観的な評価や議論より自分が成したことを実感できることのほうが大事と返しました。これまでにもらった最高のほめ言葉は、水曜日にサー・アレックス・ファーガソンから届いたメッセージだったそうです。
プレミアリーグ優勝6回、FAカップ制覇3回、カラバオカップ5回、コミュニティシールド3回。2022-23シーズンにはチャンピオンズリーグを制し、イングランドで2チームめとなるトレブルを達成。語り尽くされた戦績より、「プレミアリーグを変えた監督」「フットボールの母国がめざす未来を指示した人物」というほうが、彼の存在意義を的確に表現しているように思います。
退任後もシティ・フットボール・グループとの関係を継続し、グローバル・アンバサダーとしてクラブに技術的なアドバイスを提供したり、さまざまなプロジェクトやコラボレーションに取り組んだりするとアナウンスされています。今までと違う視点でフットボールに関わった後、いずれピッチに戻ってくるのでしょう。
金曜日の朝、ハルドゥーン・アル・ムバラク会長からかかってきた電話について語るとき、声を震わせたのは、マンチェスターに来てからの10年で得た最高の栄誉だったからでしょう。エティハドのノーススタンドは、「ペップ・グアルディオラ・スタンド」と呼ばれるようになります。アストン・ヴィラ戦を終えたら、彼はクラブの歴史になるのだとあらためて実感しました。
選手たちに報告をするとき、緊張して最悪のスピーチをしてしまったと嘆いたボスは、クラブの公式サイトで自ら脚本を書いた動画を配信しています。何度も見直しながら、この人が隣町のライバルクラブにいくと決まったときから、深く嫉妬していたのだと気づきました。シティズンのみなさんは、既に見たでしょう。素敵な動画です。メッセージの全文を紹介して、この稿を終えることとしましょう。
「ここに来て、最初のインタビューはノエル・ギャラガーだった。『ノエルがここにいるのか?おもしろくなりそうだ』と思った。私たちは、とても素晴らしい時間をともに過ごした。ここを離れる理由は聞かないでほしい。理由などない。心の奥底で、今がその時だとわかっている。永遠なんてない。永遠があるなら、ずっといるだろう。でもマンチェスター・シティへの想い、人々、思い出、そして愛情は永遠だ」
「この街は労働によって築かれた。懸命な努力で立ち上がった。レンガの色を見ればわかる。早朝から出勤し、遅くまで残業した人々。ファクトリー。パンクハースト。労働組合。音楽。まさに産業革命だ。それらによって、世界がどのように変わったのかがわかるようになった。チームも理解したと思う。私たちは働き、苦しみ、戦い、自分たちのやり方で事を成し遂げた。そう、自分たちのやり方で」
「ハードワークにはさまざまな形がある。プレミアリーグで敗れ去ったボーンマス遠征に、みんながいてくれた。イスタンブールへの旅でも、そこにいてくれた。マンチェスター・アリーナの襲撃事件を覚えているだろうか。あのとき、この街は世界に真の強さとは何かを示した。怒りでも、恐怖でもなく、愛、コミュニティ、連帯、そして団結した姿だった」
「コロナ禍で母を亡くしたとき、クラブが支えてくれたことを覚えている。ファン、スタッフ、マンチェスターの人々、みなさんは私が最も必要としていたときに力を与えてくれた。クリス、子どもたち、家族全員、いつもそばにいてくれた。そうだ、ハルドゥーン、君もそばにいたね」
「選手たちは決して忘れないだろう。あらゆる瞬間、すべての出来事、私とスタッフ、このクラブ、そのすべてを。私たちが成し遂げたことは、すべてみんなのためにやったことだ。君たちは、本当に素晴らしかった。まだ気づいていないかもしれないけど、後世に伝わるレガシーを残したのだ」
「私の時間は終わろうとしているけど、ハッピーだろう。オアシスが戻ってきたじゃないか!ここまで見てくれたみなさん、私を信頼してくれて、ありがとう。背中を押してくれて、ありがとう。突き動かしてくれて、ありがとう。トニー・ウォルシュは、あの忘れられない詩のなかで、『this is the place』といった。トニー、申し訳ないけど、ここは私の場所だ」
「ノエル…どうやら私がいったことは当たったみたいだ。めちゃくちゃ楽しかったよ。みんな、愛してる」
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