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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

40歳で契約延長!トム・ヒートンがマンチェスター・ユナイテッドに欠かせない存在といわれる理由。

マンチェスター・ユナイテッドのトップチームに加わったのは2005年の夏。現在もオールド・トラフォードにいるのですが、在籍10年でプレミアリーグの出場経験はありません。過去5シーズンの出場記録は、チャンピオンズリーグが1試合で、カラバオカップが2試合。4月に40歳になり、チームを離れるかと思いきや、クラブの公式サイトが「契約を1年延長した」と発表しました。

「われわれにとって非常に重要な存在。トレーニングでも試合前も、チームを鼓舞してくれる。彼自身がプレイしなくても、いつもチームを引っ張ってくれるんだ。どんなチームにも、彼のような選手が必要だ。ロッカールームで大きな力になっている。誰にとっても、欠かせない存在なんだ」。ベテランのカゼミーロにここまで激賞される選手は、なかなかいないでしょう。

マンチェスター・ユナイテッドの過去3シーズンで、出場した試合がひとつもないトム・ヒートンは、フツーの第3GKではありません。ロッカールームではリーダーシップグループの一員であり、監督やコーチと選手たちのパイプ役を務め、キャプテンのブルーノ・フェルナンデスの相談相手としても大きな役割を果たしています。

昨年の夏に加わったセネ・ラメンスの秀逸なパフォーマンスの裏には、ヒートンの献身的なサポートがあったといわれています。ベルギーのアントワープから来た若いGKが、フィジカルの強さを求められるプレミアリーグにフィットできるよう、対戦するチームと選手、スタジアムなどの情報を提供し、的確なアドバイスを与え続けたそうです。

自身のキャリアは苦労人という言葉がぴったりで、19歳でプロデビューを果たしてからの5シーズンは、スウィンドン、ロイヤル・アントワープ、カーディフ・シティ、QPR、ロッチデール、ウィコムとローン移籍を繰り返しています。2010年の夏にオールド・トラフォードを離れ、その後はカーディフからブリストル、バーンリーと居場所を変えました。

プレミアリーグで初めてプレイしたのは、バーンリーに移籍して2年めとなる2014-15シーズン。ヒートンは既に28歳になっていました。ショーン・ダイク監督とともに戦ったターフムーアで、リーダーとして若手の指導を任されたことが、現在の役割につながっています。バーンリーとアストン・ヴィラで8年を過ごし、マンチェスター・ユナイテッドに戻ってきたのは2021年でした。

それまでの経験で指導者の仕事に魅力を抱いたGKは、さまざまなライセンスを手に入れています。UEFAのフィールドコーチのA級ライセンスに加えて、UEFAのフットボールマネジメント資格も取得し、スポーツディレクターコースでは優秀な成績を修めています。さらに、オックスフォード大学のエグゼクティブリーダーシップコースも修了。こちらは経営幹部が対象です。

監督や選手から絶大な信頼を得ただけでなく、経営ボードに手離したくないと思わせることができたのは、私利私欲を捨ててチームや個々の選手に貢献してきたからでしょう。リーダーに必要なスキルを学んだからといって、人の心まで動かせるわけではありません。「引退後のことは決めていない」そうですが、マンチェスターに残る可能性が高いといっていいでしょう。

最後にピッチに立ったのは、2022-23シーズンのカラバオカップ準決勝セカンドレグ。ノッティンガム・フォレストを相手にクリーンシートを記録してから、1226日が経過しています。2026-27シーズンもヒートンの出番がなければ、「ラメンスは好調」といえるのではないでしょうか。引き続き、キャリントンとロッカールームでの素晴らしい仕事を期待しましょう。


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