10月MVPはサネ、最優秀監督はペップ!最強マンチェスター・シティは鬼門を克服できるか?
プレミアリーグ11戦10勝1分、積み上げたゴールは38発、得失点差は2位マンチェスター・ユナイテッドを13も上回る31。開幕当初はエヴァートン戦で引き分け、ボーンマス戦はラストプレーで勝ち点3をゲットするなど苦戦が目立ちましたが、リヴァプールを5-0で粉砕してからは攻撃陣が完全にフィットして連戦連勝。チェンピオンズリーグはフェイエノールト、シャフタル・ドネツク、ナポリ、ナポリと4連勝でラウンド16進出を早々に決めており、ウルヴスにPK戦に持ち込まれたカラバオカップを勝利とカウント(オフィシャルにはドロー)すれば、公式戦15連勝です。「未だ弱点は見当たらない」とペップのチームを絶賛するアラン・シアラーは、マン・シティが強い理由のひとつとして、多彩なオプションを挙げています。
「彼らはどこよりも多くのオプションを持っている。セルヒオ・アグエロが負傷しても、ガブリエウ・ジェズスがいる。これに対してチェルシーがアルヴァロ・モラタを欠いたら同じようにはいかない。ハリー・ケインを欠いたトッテナムも同じようにはいかない。マンチェスター・ユナイテッドのロメウ・ルカクは今、少し苦労しているが、やはりノット・ザ・セイムだ」(アラン・シアラー)
プレミアリーグ歴代最多ゴール記録を持つレジェンドが、唯一懸念として挙げているのは、年末年始のタイトなスケジュールです。昨季プレミアリーグでは、12月は3勝3敗、1月は1勝1分1敗。「彼はドイツとスペインでタイトルを獲得しており、ラインを越える方法を知っている」と指揮官を評価しながらも、過去2シーズンのマンチェスター・シティがロケットスタートの後に沈んでいると指摘し、負傷やコンディション不良による停滞の可能性に言及しています。今季のスケジュールを見ると、12月にはマンチェスターダービーとトッテナム戦が控えており、年明けにはリヴェンジを狙うリヴァプールとアンフィールドで戦わなくてはなりません。ペップも、この季節をうまく乗り切ることが重要と捉えており、こんなコメントを残しています。
「結果を分析しただけでは議論したことにはならないが、われわれは12月のスケジュールによって何が起こり得るかを把握して、改善を図らなければならない」(ペップ・グアルディオラ)
今季のジョン・ストーンズの成長をリスペクトし、「昨季の彼は週に3試合プレイする最初のシーズンだったことを忘れてはいけない。エヴァートンでは週1回でよかったからね。チャンピオンズリーグですぐにプレイするためには、それをうまくこなすプロセスが必要なんだ」と語っていた指揮官は、同時に自らにも言い聞かせていたのかもしれません。
マンチェスター・シティのウィークポイントは、「クオリティが高すぎる中盤」ではないでしょうか。デブライネ、ダヴィド・シルヴァ、フェルナンジーニョはプレミアリーグ全試合先発出場。彼らのいずれかが負傷欠場となれば、代わりに入るのは途中出場6試合のみのギュンドアンか、2試合のヤヤ・トゥレです。今季プレミアリーグでアシストランキングTOPのダヴィド・シルヴァと、2位のデブライネの穴は誰にも埋められないでしょう。
アンタッチャブルなダブルプレーメイカーと何でもできるセントラルMFは、最強の武器であるとともに、控え選手の経験値UPを妨げる諸刃の剣なのだと思います。事実、彼らが全員揃っていなかったカラバオカップの2試合とチャンピオンズリーグのナポリとのアウェイゲームは、セカンドハーフの半ばまで同点というきわどい展開の試合でした。鬼門の12月を、今までのペースで走り抜けるのは難しいのではないか…。「We can do better」と繰り返していたペップの采配に注目したいと思います。
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