直近26戦3勝&観客減少はさすがにきつい…WBAの「残留請負人」トニー・ピューリスがついに解任!
10位という昨季の最終順位と開幕2連勝に目を奪われてしまいましたが、凋落への道は3月から続いていたのでしょう。2016-17シーズンの26節まで11勝7分8敗と勝ち越していたWBAは、突然ゴール欠乏症に陥り、最後の12試合を1勝2分9敗と失速。最終ラインのドーソン、マコーリー、ジョニー・エヴァンス、ニョムはスタメン固定で、前線にはサロモン・ロンドンとロブソン=カヌしかいなかったチームは、主力に25歳以下がゼロ。30代が6人おり、ベテランの経験値を活かして春まではがんばったものの、プレミアリーグで4番めに走るサッカーを続けているうちに疲労が抜けなくなったのではないでしょうか。今季プレミアリーグにおける2勝4分6敗は勝率16.7%ですが、2015年の就任から昨季終了までは29勝27分38敗で勝率30.9%。ピューリス監督の勝率が最も低かったのは1992年~94年のボーンマス時代の29%で、これよりもはるかに悪い数字となれば、「簡単にはしない決断(ジョン・ウィリアムズチェアマン)」に走ったクラブを責められないでしょう。
それでも、クラブを降格させたことがない監督を切ることに対して、異議のある方もいらっしゃるでしょう。「残留が目標のクラブにとって、彼ほど実績を残した監督はなかなかいない」という主張に対しては、WBAの経営陣はこちらの数字をプレゼンしたほうがいいと思われます。「BBC」によると、ピューリス監督が就任した2014-15シーズンは平均観客数が25064人だった本拠地ホーソンズは、昨季は23876人に減少しています。ポゼッション率40.6%はプレミアリーグ最下位、1試合あたりのシュート数8.6は下から2番め。盛り上がるシーンが少ないチームはサポーターの不興を買っており、「利益のため」と語ったチェアマンの言葉からはマッチデイ収入の減少を看過しないという意志が感じられます。ここまでお伝えしてきたことが解任の理由であることは、次のメッセージからも明白です。
「We are in a results business and over the back end of last season and this season to date, ours have been very disappointing.(われわれは結果のビジネスであり、昨シーズンのバックエンドと今季のここまでの日々に大きな失望があった)/ジョン・ウィリアムズチェアマン)」
フランク・デブール、クレイグ・シェイクスピア、ロナルド・クーマン、スラヴェン・ビリッチ、そしてトニー・ピューリス。今季プレミアリーグで解任の憂き目に遭った5人のうち、戦績を見て非情という言葉が浮かぶのは、負けた4試合がアーセナル、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプールだったレスターの監督ぐらいです。プレミアリーグの直近26試合を3勝6分15敗では、「クラブもそれなりに我慢した」という言葉にうなずかざるをえません。直近10年で、年間の監督交代(シーズン終了後も含む)が最も少なかったのは、2010-11シーズンと2014-15シーズンの9人。このペースなら、年明けまでに職を失う監督がもう1~2人は出るのではないでしょうか。下位5クラブを見ると、解任されていない指揮官がひとりだけいます。スウォンジーのポール・クレメント監督は、アブラハム以外で点が取れないチームを早期に改善しなければなりません。
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更新ご苦労様です。
ついにピューリスも湖の流れには逆らえなかったですね。昨シーズンホーソンズの来場者数が落ちているという報道を耳にした事があった記憶がありますが、この流れは続いていたんですね。
厄介なチームがいつのまにか与し易い相手になってしまいましたね。こういう時は後任はピューリスかビッグサムでしたが、ピューリス去った今後任が気になるところです。
Macki さん>
後任のイメージはないですね。主力に長期離脱がなければ、残留を勝ち取ることはできそうなスカッドなのですが、ピューリスイズムがどこまで大きかったのかはフタを開けてみないとわかりませんね。