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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

前半は最高のレッズ、後半は…3-0から追いつかれたリヴァプールは痛恨のドローで最終節勝負!

プレミアリーグ5位のリヴァプールと、ラ・リーガ5位のセヴィージャの一戦は、両者にとって今季チャンピオンズリーグにおける最初の大勝負。直前のゲームでスパルタク・モスクワがドローに終わったため、クロップ監督のチームは勝てば首位通過が決まり、敗れても最終節のスパルタク・モスクワ戦でドローならラウンド16進出決定。セヴィージャもここで勝てば決勝トーナメント行きが確定します。プレミアリーグ12節のサウサンプトン戦を3-0で快勝したレッズは、ミニョレとアレクサンダー・アーノルドが控えにまわっただけで9人が同じメンバーです。GKロリス・カリウス、DFジョー・ゴメス、デヤン・ロブレン、クラヴァン、アルベルト・モレノ。中盤にはコウチーニョ、ヘンダーソン、ワイナルドゥムが並び、フィルミーノ、マネ、サラーは最強の3トップです。2分、いきなりリヴァプールが先制しました。コウチーニョのCKをワイナルドゥムがヘッドでファーに流すと、走り込んだフィルミーノが左足で完璧なシュート。レッズの9番は、早くも今季CL4ゴールめです。

リヴァプールは前線から厳しいプレスをかけ、セヴィージャは相手の3トップから自由を奪うべく縦パスをチェック。10分を過ぎ、スペインのチームがボールを支配する展開が続きます。12分、セヴィージャに最初のチャンス。左サイドから仕掛けたノリートが縦に流したボールで、サラーのマークを外したエスクデロがフリー。左足のシュートは、外からサイドネットに引っかかります。15分のレッズのアタックは、左サイドを突破したフィルミーノの折り返しをサラーが打てず。19分、ワイナルドゥムがヘンダーソンに戻したボールが短く、奪ったセヴィージャがショートカウンターを仕掛けます。ゴール前でジョー・ゴメスをかわしたノリートのプレイは完璧。右隅を狙ったシュートは入ったかに思われましたが、ロリス・カリウスがかろうじて触り、ポストにヒットしたリバウンドはGKがキャッチ。さらに1分後、サラビアが右でフリーになっていたベン・イェデルに決定的なラストパスを通すと、飛び出したロリス・カリウスの脇を抜いた一撃はポストの外に切れてしまいます。

2度のピンチを切り抜けたレッズは、すかさず反撃。ヘンダーソンの縦パスでフィルミーノがGKリコと1対1になりますが、GKが体に当ててCKに逃れます。キッカーはもちろんコウチーニョ。中央に入れたキックはクオリティが高く、フィルミーノがファーに流すと今度はマネがダイビングヘッド!レッズのリードは2点となり、セヴィージャはとにかく攻めるしかありません。しかし30分、縦1本のカウンターからゴールを決めたのは、またもプレミアリーグのクラブです。マネがドリブルで独走し、左からボックスに入ってリコの左を狙うと、GKが弾いたボールが中央からフォローしたフィルミーノの足元に転がりました。無人のゴールに左足のシュートが突き刺さり、0-3。ここまでのセヴィージャは、完全なる敗者でした。

36分、コウチーニョのCKが届いたファーのデヤン・ロブレンはノーマーク。ボレーは空振りして4点めはならなかったものの、セヴィージャはセットピースの対応を修正しなければなりません。39分、コウチーニョのスルーパスでサラーがGKと1対1。またもリコが止め、ボールはゴール前に高く浮きますが、さすがのフィルミーノも今度は触れませんでした。前半は0-3のまま終了。ポゼッション37%のリヴァプールは、4-5-1といったほうがぴったりの布陣です。プレミアリーグの得点王レースでトップに立ったサラーがおとなしくても、フィルミーノ、コウチーニョ、マネが今日の出来ならやはり破壊力は抜群です。

エンゾンジをバスケスに代えて後半に臨んだセヴィージャは、ロングフィードを前線に送ってレッズのラインを下げさせる戦術にスイッチ。51分、アルベルト・モレノのファールで得た右からのFKに、ニアに入ってモレノに競り勝ったベン・イェデルがヘディングで合わせて1点を返します。レッズは下がりすぎてはいけません。執拗にサイドを攻めるセヴィージャに対して、レッズの中央の守備は集中して対応していたのですが、58分にアルベルト・モレノが痛恨のミスを犯してしまいます。トラップミスを取り返そうとしてベン・イェデルの足を踏んでしまい、PK。右隅に決めたキックがやり直しとなったベン・イェデルは、落ち着いて左に流し込みました。62分にエスクデロがゴール前でフリーになり、ボレーをバーに当てたシーンはノリートがオフサイドを取られたようです。クロップ監督はアルベルト・モレノとコウチーニョを下げ、ミルナーとエムレ・ジャンで消火を目論みます。

徐々に押し返したレッズは、71分に久しぶりに決定機をつかみます。バイタルエリアでフィルミーノがインターセプトに成功し、サラーがダイレクトで狙うもDFがブロック。セヴィージャの捨て身の猛攻が始まる前に、4点めを奪って逃げ切りたいところです。ベリッソ監督の最後のカードは、ベン・イェデルをコレア。81分にエムレ・ジャンの縦パスでマネが前線に飛び出しますが、ダイレクトショットは左に外れてしまいます。86分、サラーが下がりチェンバレン。レッズはうまく時間を遣っていたのですが、苦手なセットピースで最後にやられてしまいました。CKのこぼれ球を押し込んだのはバネガ。リヴァプールは3点のリードを吐き出し、今節の勝ち抜けはお預けとなりました。

前半は最高のレッズ、後半もよく見るレッズ。最高の立ち上がりだったアウェイチームは、最悪の入り方で後半を戦い、一気に1点差に迫られてしまいました。アルベルト・モレノ、痛恨のミス3発。今季プレミアリーグで再評価されていたSBは、以前に何度も繰り返した軽率なプレイを咎められて2失点の原因となりました。CKへの対応など、守備についてチェックし始めれば相当長い文章を書けそうですが、あえてこういいましょう。4点めを決められなかったのが痛かった、と。引いたら凡庸なチームとなるリヴァプールは、前線からのプレスを徹底して攻め勝つことだけを考えるべきでしょう。今日の反省を活かして、最終節のアンフィールドではスパルタク・モスクワ相手に胸のすくような圧勝で、トップ通過を決めていただければと思います。(ウィサム・ベン・イェデル 写真著作者/GuillaumeG)

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“前半は最高のレッズ、後半は…3-0から追いつかれたリヴァプールは痛恨のドローで最終節勝負!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    省エネモードでの戦い方はこのレベルのチームには通じないですし、レッズカラーではないですね(苦笑)モレノはまたしてもやってしまいましたね、、、。クロップが彼に対する考えをどうするか気になります。両チーム共セットプレーの守備が悪いので、ドローは結果妥当と思うことにします。
    まあ今回はマリボルの奮闘に感謝です(笑)

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    キャラガー怒りのモレノ叩きに期待します笑笑

    しかしこんな普通に勝つより難しい試合よくやりますね・・・
    ファンがどうこの試合を処理してるのか気になるところ。予算があったのに守備陣にテコ入れをしなかったクロップには今でもかなりムカついています

  3. タムコップ より:

    前半のうちからゲームそのものを支配してたのはセビージャだったと見てました。
    アウェイということもあってウェストハム戦でのカウンター志向をより強めた戦い方をしたレッズは前半こそ3-0とスコア上では完璧だったものの、前半から縦にグラウンダーの縦パスをセンターとサイドのスペースに当て続けたジョブの効果が後半怒涛のポゼッション&スーパーアグレッシブなセビージャを産んだのかなと。
    要はセビージャが強かったってことなんですが、3点差を、況してやロスタイムに追いつかれるのはさすがに堪えました…泣
    モレノ云々よりもチームとして守りに入ったらやっぱレッズはらしさを失うことも再確認。
    中盤であれだけ主導権取られたらセビージャ相手だと厳しいですね。

  4. ル タレック より:

    最後のCKは決まると思ったリヴァプールファンは多いじゃないかなと思います。ほんとよく見る試合でしたね。筆者の言う通り攻め続けないとだめだと思います。もし守るのであれば、後半からコウチ、マネ、サラーの中から二人くらいミルナーとジャンに思い切って交代させるぐらいしないとだめですね。チェルシー戦さすがにロバートソン使わないとクロップ疑います。でもおそらくミルナーでしょうね。最後にSNSでどなたかが言われてましたがセビージャはリヴァプール戦の時はジャッジに恵まれてますね。

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    前半、もうひとつぐらい決められそうだったのに…と思ったのですが、3点獲ったチームに足りないというのもどうかと思いました(苦笑)。ハーフタイムの過ごし方がよくなかったのでしょうか。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    いや、ホントに。セットプレー、改善しないですね…。

    タムコップさん>
    チャンスの数では負けておらず、後半相手が出てくれば追加点を奪えると思ってました。レッズは、守らされることを想定してないですよね。押されると一気に冷静さを欠くのが気になります。

    ル タレックさん>
    私も胸騒ぎがしてました。ロバートソンは、なじめばかなりやってくれるのではないかと期待しています。

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