競争が芽生えたリヴァプール、真価が問われるやっかいな中堅クラブとの3連戦
昨季も、ベストメンバーが揃えばトップ4とも互角の試合ができるチームではあったのですが、いかんせん選手層が薄く、レギュラーメンバーがコンディションを落とすと、たちまちそこが穴になる脆弱さがありました。しかし今季は、その悩みは大きく解消するでしょう。9月2日には3連勝の陰で、ママドゥ・サコとティアゴ・イロリのCBコンビを獲得。ホセ・エンリケ、グレン・ジョンソン、コロ・トゥレ、アッガーのスタメンに、シュクルテル、ケリー、シソコ、セバスティアン・コアテス、成長株ウィズダムが控えており、さらに若手が加わったDF陣には新しい競争が芽生えています。
ミカ・リチャーズ、コンパニ、デミチェリスが離脱して使えるDFが5人しかいないマンチェスター・シティや、派手な補強はしたもののDFラインは強化されていないトッテナムと比べれば、ますますリヴァプ―ルDF陣の豊富な顔ぶれと堅守ぶりが光ります。チャンピオンズリーグ出場権を持っておらず、選手を引っ張ってくるための口説き文句が弱かった状況を考えれば、ブレンダン・ロジャースとフロントは、よくぞここまで補強できたな、と思います。チームづくりも新選手獲得も、ここまでは合格点でしょう。
しかし、ロケットスタートは決めたものの、ここからの戦い方が重要です。次節からスウォンジー、サウサンプトン、サンダーランドと「大型補強クラブ」とのゲームが続きます。昨季は、WBAをはじめ、プレミアリーグ中位クラブに勝率5割そこそこしか残せなかったことが、リヴァプールが上位に顔を出せない要因となってしまいました。ジャッケリーニやダレン・ベントなどの代表クラスを獲得したものの、まだチームができておらず、不振にあえぐサンダーランドはいいとしても、ウィルフリード・ボニーやシェルベイが馴染みはじめ、3節にWBAをアウェイで下したスウォンジーは要注意。上位と当たっていないのに1勝1分1敗と地味なサウサンプトンも、デヤン・ロブレンやワニヤマの加入で守備が締まり、ローマから獲ったオスヴァルドがフィットし始め、虎視眈々とジャイアントキリングを狙っています。
リヴァプールの短期的な命題は「スウォンジーとサウサンプトンから、いかにして得点を奪って快勝するか」でしょう。イングランド代表をケガで辞退したスタリッジは、月曜日のプレミアリーグに間に合うのでしょうか。出場停止が明けるまで、もう2週間ほど必要なスアレスと、両エースが不在だとすれば、カギを握るのはイアゴ・アスパス、ヘンダーソン、そしてモーゼスとみます。コウチーニョ、モーゼス、ヘンダーソンのチャンスメークから、ここまで苦しんでいるアスパスの思い切りのいいシュートが復活すれば、大事な2連戦で星を落とさず、エースの復活でさらにエンジンがかかるという最高のシナリオが現実のものとなります。攻撃陣にタレントが揃うチーム相手なので、派手な攻め合いを期待したいところですが、ここまで得点も失点も1試合平均で1点にも満たないサウサンプトンとのゲームは、渋い展開になるかもしれません。
先週負けて悔しい思いをしたばかりなのに、どうもリヴァプールの話には熱くなってしまいます。これもまた、伝統のなせる技なのかもしれませんね。
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