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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

史上最狂のジャイアントキリングは、5327人のハイベリー!アーセナルがリーグ2に負けるとは…!

「ハイベリー・スタジアムでレッドとホワイトのシャツを纏ったクラブがPK戦で勝った」というと、アーセナルの話のようですが、ミケル・アルテタ監督とワールドクラスの選手たちは史上最狂のアップセットで敗れたほうです。カラバオカップ4回戦を制したフリートウッドは、リーグ2(4部相当)で18位。先週末のエクスター戦を2-1で落としており、中2日の一戦でした。

マンチェスターから北に60マイルほど進むと、ランカシャー州ワイア自治区の小さな街に辿り着きます。フリートウッドの人口は26000人。ハイベリーは5327人しか入らず、近隣の自宅から試合を覗き見しているファンもいるようです。スタジアムの名前もシャツもアーセナルをリスペクトしまくりで、見た目は強そうですが、両者の順位差は84位。10回戦ったら9回は惨敗でしょう。

普段は味わえない異空間にワープしたプレミアリーグのチャンピオンは、CLのバイエルン戦をドローで終えた後、エヴァートンに2-0で完勝しています。ドイツの絶対王者を相手に2ゴールを決めた欧州の優勝候補が、攻め続けながら1ゴールに終わるとは、誰も予想できなかったでしょう。スタッツをチェックしてみると、どこからどう見てもアウェイチームの圧勝です。

ポゼッションは23%対77%、シュートは3対26、オンターゲットは2対7。ビッグチャンスは2対6、パス本数は99本と566本、敵陣ボックスでのタッチ数は8回対59回という大差です。前半のシュートは1対11だったのですが、スコアは1-0。GKレンチのロングフィードから始まった21分の先制ゴールは、ハリソン・ニールが前線に浮き球を出すまでは何でもないシーンでした。

ルーパロビにはマーリ・サーモンが着いていたのですが、最初のタッチであっさりかわされてしまいました。17歳のCBは必死のスライディングでボールを外に出したのですが、すぐに拾ったストライカーが左足でイラン・メリエの股間を抜きました。最終ラインのティンバー、モスケラ、サーモン、インカピエを、手抜きしすぎとはいえないでしょう。相手は、リーグ2で18位です。

まさかのビハインドでハーフタイムに突入したアルテタ監督は、マーリ・サーモンとティンバーを下げ、ベン・ホワイトとウーデゴーアを投入しました。同点ゴールは50分。ベン・ホワイトのサイドチェンジをタッチライン際でトラップしたオニールは、ボックス左から柔らかいクロスをゴール前に入れました。ギョケレスのフィニッシュは、スーパーショットなのか?

右足のアウトで押し込もうとして空振り、バウンドしたボールを左足でタッチした「ひとり時間差」。今季公式戦で初のゴールは、泥くさいという表現がぴったりでした。まさか、これが唯一のゴールとは…!66分にオニールをエゼに代え、82分にはコンサとブルーノ・ギマランイスが入ったのですが、追いついてからの14本はことごとく決まりませんでした。

「今までうまくいっていなかったギョケレスとカイ・ハヴェルツの縦関係を、最後まで続けたのはなぜか」「シュート7本のカイ・ハヴェルツはハットトリックを達成できたはずだ」…グーナーの怒りの声が聞こえてきそうですが、指揮官の采配、布陣、戦術に敗因を求めるても仕方がないでしょう。何しろ相手は、リーグ2で18位です。

メリエ、モスケラ、サーモン、ズビメンディ、オニール、ダウマンら若手とサブのチームでも、勝たなければならなかったとしかいいようがありません。85分にスライディングを受けて激高し、レッドカードをもらったダウマンは、アピールのチャンスだった大会を手離す一因となってしまいました。91分のベン・ホワイトの決定的なボレーが、ビッグセーブに阻まれなければ…!

楽勝と目されていた強者ゆえ、PK戦となると強烈なプレッシャーがかかります。全員成功の4‐3で、4人めのブルーノ・ギマランイスが小刻みにステップを踏むのを見て「やばっ!」と叫んでしまいました。GK目線でいうと、却ってタイミングを合わせやすくなります。右に蹴ったボールをレンチに弾かれた瞬間、終わったと思いました。

「カラバオカップで負けても、トレブルはめざせる」「フットボールが理不尽であることを教えてもらった」とつぶやいて忘れ、次に進むしかありません。試合後のフリートウッドの選手たちとサポーターは、ワールドカップで優勝したかのような大はしゃぎで、これもまたジャイアントキリングの醍醐味と実感しました。クラブ史上初のベスト8進出、おめでとうございます!


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