2026.11.07 チームの話題(全体・他クラブ)
ブライトンはなぜ強い?スカッドの強化とクラブの利益を両取りするタレント発掘力に注目!
公式戦16試合で10勝3分3敗は、経営ボードも予想していなかったロケットスタートでしょう。今やダークホースではなく、「プレミアリーグのトロフィーを獲得する可能性がある」と真顔で語る記者もいます。昨シーズンのリーグで13発のウェルベックをチェルシーに抜かれ、前線のキーマンの三笘薫とヤンクバ・ミンテが出場ゼロなのに、これほど戦えるとは…!
ブライトンはなぜ、これほど強くなったのか。「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、「欧州屈指のタレント発掘力」といっています。トニー・ブルームオーナーとスタッフが、過去10年で行った高額の売却ランキングを見てみましょう。1億1500万ポンドでチェルシーに移籍したモイセス・カイセドは、エクアドルのインデペンディエンテから400万ポンドで引き入れた選手です。
2023年にリールから2300万ポンドで手に入れたカルロス・バレバは、最大7000万ポンドでマンチェスター・ユナイテッドへ。ブライトンにとってチェルシーはビッグクライアントで、マルク・ククレジャとジョアン・ペドロも6000万ポンドでお買い上げいただいています。オランダのNACブレダに200万ポンドを支払ったファン・ヘッケは、5200万ポンドでスパーズに移籍しました。
アーセナルが5000万ポンドを費やしたベン・ホワイトはアカデミー出身。リヴァプールに向かったマック・アリスターは、アドオンを入れると5500万ポンドで、買い値の8倍に跳ね上がる可能性があります。トニー・ブルームが構築した独自のデータベースには、将来性がある原石、伸び悩む若手、フリーのベテランがリストアップされており、大半の仕入れは2000万ポンド以下です。
プレミアリーグで初めてTOP10に食い込んだ2021-22シーズン以降、最も活発に投資を行ったのは、即戦力を獲ろうとしないオーナーを見限ったロベルト・デ・ゼルビが退任した直後でした。ファビアン・ヒュルツェラーの新チームに加わったヤンクバ・ミンテ、ヴィーファー、ヤルクエ、ルター、マット・オライリー、ディエゴ・ゴメスは、現在の中核を成しています。
積極補強といっても、それぞれはお手頃価格で、3000万ポンド以上の投資は2人だけです。PSR違反を怖れたニューカッスルから獲ったヤンクバ・ミンテは3000万ポンド。リーズにいたルターの4000万ポンドは、当時のクラブレコードでした。昨夏の補強も、ボスカリとデカイペルは安値で、出戻りのパスカル・グロスはフリー。最高額のコストゥラスでも、2980万ポンドでした。
過去2年の獲得リストから、「前線の主力がごっそりいなくなったのに、なぜ強いのか」という冒頭の問いの答えが見えてきます。ウェルベックの後継者のコストゥラスと、ウインガーの不在をフォローするディエゴ・ゴメスとデカイペルが既にヒュルツェラー戦術にフィットしていたからです。この夏のマーケットでも、ヴシュコヴィッチとチェマ・アンドレスは大当たりでしょう。
19歳のヴシュコヴィッチにクラブレコードを超える4600万ポンドを投じたのは、ファン・ヘッケとのトレード案件だったからで、チェマ・アンドレス、パスカル・ストライク、アジャム、コスティニャは2000万ポンド以下でした。「安く仕入れて高く売る」を貫く驚異のスカウティングは、リーグの上位進出と欧州の出場権獲得、クラブの安定的な収益をすべて実現させています。
優勝候補といわれるようなチームを構築したヒュルツェラー監督も、ビッグクラブ向けの高額商品が並ぶショーケースに入っているのかもしれません。プレミアリーグの最多ゴールに加えて、ビッグチャンスクリエイト35回、セットピース7ゴール、1試合あたりのロングフィード28.3本とファイナルサードでのボール奪取6.3回もすべてTOPと、あまりにも魅力的なチームです。
ここまでは順調ですが、マンツーマンプレスで走りまわるチームは、キーマンの負傷が最大のリスクです。ショートパスをハイテンポでつなぐビルドアップにはフェルブルッヘンが必要で、公式戦16試合4ゴール6アシストのパスカル・グロスは欠かせない存在です。最後までトロフィーを争うのか、いずれTOP4から転落してしまうのか。優勝候補の立ちまわりに注目しましょう。
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