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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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バルセロナに相性のいいチェルシー、いよいよ決戦!コンテ監督の戦術を予想してみました。

リーガ・エスパニョーラで19勝5分と負けなしのチームと、プレミアリーグで16勝5分6敗の3位に留まり連覇は絶望的なチーム。今季の戦績だけで判断すれば、バルセロナがチェルシーに敗れる要素はありません。エルネスト・バルベルデ監督のチームの懸念を探せば、2月に入ってからエスパニョールとヘタフェに引き分けるなど得点力を落としていることですが、チェルシーはさらに悪く、1月末のボーンマス戦で0-3完敗、次戦のワトフォードは4-1で惨敗。昨季プレミアリーグ王者は、ラ・リーガ制覇を確実にしているバルサの軍門に下ると考えるのが自然でしょう。しかし、チャンピオンズリーグにおける両者の対戦成績と今季の戦いぶりを重ね合わせれば、見方は変わってきます。プレミアリーグ勢で最もバルサを苦にしていないのがチェルシーであるのは一目瞭然です。

過去12試合は、チェルシーの5勝4分3敗。直近7試合はチェルシーが2勝5分と負けておりません。リオネル・メッシは対チェルシー8戦ノーゴール。バルセロナは、プレミアリーグ勢と当たった過去7回のうち6回を勝ち抜いていますが、唯一敗れたのは2011-12シーズンのセミファイナルで戦ったチェルシーでした。ペップ・グアルディオラが率いた最後のシーズン。圧倒的なポゼッションサッカーに自陣で耐えることを強いられたチェルシーは、初戦をドログバの1発で制すと、アウェイではブスケツとイニエスタのゴールでひっくり返された直後にラミレスが貴重な同点ゴールをゲット。バルサは2試合トータルで勝ち越しとなる3点めを奪えず、追加タイムにフェルナンド・トーレスにとどめを刺されて大会を終えました。この年、チェルシーはクラブ史上初めてビッグイヤーを獲得しており、サポーターにとってバルサ戦はいいイメージしか残っていないでしょう。

今季のバルサを追いかけてみると、チャンピオンズリーグでのゴールの少なさが目につきます。ユヴェントス、オリンピアコス、スポルティングCPという「普通の組」に入ったスペインの名門は、4勝2分で得点9失点1とまずまずの数字を残していますが、問題は9ゴールの内訳です。3つまでがオウンゴールで、1試合あたりの自力の得点は1.0に留まっています。国内では得点王争いでワンツーのメッシとスアレスは、欧州ではメッシが3ゴール、スアレスは6戦不発。アウェイの3試合で1ゴールという貧攻は、守備が堅いチェルシーがスタンフォード・ブリッジで完封できる可能性が低くはないことを示しています。

とはいえ、バルサはCLで10シーズン連続ベスト8の強豪クラブ。彼らに勝ち切るのは並大抵のことではありません。コンテ監督は、どんな戦い方をイメージしているのでしょうか。「メッシへのマンマークに集中するばかりでは、危険なことになりかねない」「彼らはボールを持ったときは素晴らしいけど、ボールがないときに弱点がある。そこを狙わないといけない」。バルサを徹底的に分析したと語るチェルシーの指揮官は、WBを下げた5-4-1を選ぶのではないかと思います。

瞬発力に難があるケーヒルを落とし、リュディガー、クリステンセン、アスピリクエタ。注目のサイドは、マルコス・アロンソが間に合わなければザッパコスタとヴィクター・モーゼスでしょうか。カンテの相棒は、前線へのロングフィード1発で景色を変えられるセスクを推したいところ。ウィリアンの運動量をメッシのケアに当て、10番のチェイスに忙殺されないエリアに置きたいエデン・アザールのドリブル突破は最高の希望です。前線は、裏を狙えるモラタよりもボールを収められるオリヴィエ・ジルーのほうが機能しそうです。ウィリアンの正確なキックは、セットプレーで威力を発揮してくれるのではないかと思います。

選手の名前を挙げていると否応なくテンションが上がりますが、チェルシーはアドバンテージを持ってカンプ・ノウに乗り込むことができるでしょうか。私は、充分いけると考えています。今季限りでクラブを去るという噂が絶えないコンテ監督は、イタリアに帰るとしてもロンドンに残るとしても、最高の2年めを過ごしているのではないかと思います。プレミアリーグを制したチームで、世界最高のクラブと戦えるのですから。WBAとハル・シティにクリーンシートで勝ち、最悪の状態から脱したようにみえる青いチームに、彼ららしい速攻連発による胸のすくような勝利を期待しています。

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“バルセロナに相性のいいチェルシー、いよいよ決戦!コンテ監督の戦術を予想してみました。” への4件のフィードバック

  1. mw より:

    そういえば私の贔屓のチームがポルトに0-5で勝って得点ランキング見ながら騒いでいたとき違和感を覚え、なんだろうと考えたらそれはバルサの選手がいないことだったんですよね
    メッシ、スアレスは殿堂入りか何なのかと・・・そういうことだったんですね
    まぁそれはさておきプレミア勢は応援しているのでチェルシー頑張ってほしいです
    因縁対決という体でベスト8であてがわれたら困るというのもありますが

  2. ナニ より:

    プレミアリーグのファンとしてチェルシーに勝ってほしいですが難しいと思います。
    チェルシーといえば堅守速攻、バルサといえば圧倒的な攻撃力というイメージが先に来ますが今季のチェルシーは守備が甘く格下相手にすら複数失点を喫することが多くなっています。
    一方のバルサは攻撃力こそ例年よりは低いとはいえ守備の固さは歴代でも上位に来るレベルじゃないでしょうか。
    両者の戦力差は歴然としていますがコンテはこの戦力差をひっくり返すほどの戦術を見せてくれるかどうかが楽しみです。
    もしも明日のスタンフォードブリッジで複数失点をしてしまえばほぼ敗退が確定してしまうので大事な一戦になりますね。

  3. ルイスガルシアラバー より:

    いつも大変楽しく拝見させていただいております。
    私はリヴァプールファンですが、チャンピオンズリーグでは殆どの場合心から他のプレミアリーグのチームを応援できるのがいいですね。
    普段手強いライバルが仲間のように感じられる点でもCLはとても好きな大会です。
    ぜひプレミア勢には勝ち進んでほしいです!

  4. テリーとチェルシー より:

    期待の持てる文章ありがとうございます!
    チェルシーファンとしてだけではなく、プレミア復権に向けてプレミア勢としてぜったいに勝って欲しいです!

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