今季最後か!? 降格危機のサウサンプトンがペジェグリーノ監督をついに解任!
こう書くと、セインツは指揮官に短期的な成果を求めるクラブのように受け取られるかもしれません。実際は、ポチェッティーノ監督時代に大真面目にチャンピオンズリーグ出場を目標としていたクラブであり、「目の前の結果」ではなく「要求が高い」というニュアンスのほうがしっくりきます。そんな彼らは、今季は相当我慢したという認識です。11月29日のプレミアリーグ14節でマンチェスター・シティに敗れてから、17試合で1勝9分7敗という大混乱。「ポストファン・ダイク問題」「ストライカーの不振」「レドモンドの空回り」ことが主な理由だと思われます。
ファン・ダイクという大きな柱を失ったのは、実質的には足首を痛めて長期離脱に入った昨季の22節でしょう。吉田麻也の奮闘と若いスティーブンスのブレイクで、その後の16試合を22失点で切り抜けましたが、ウェズレイ・フートを獲得した新シーズンはCBに悩み続けました。9月末に復帰したファン・ダイクはコンディションが上がらず、それでも吉田麻也&ファン・ダイクで戦う試合が多かったこともあって、フートはプレミアリーグにフィットするのが遅れました。昨季はがんばっていたスティーブンスも、いつ出番がくるかわからない状況のなかで、同じクオリティをキープできず。中盤にユヴェントスからレミナを獲得し、悪くない船出に見えた新チームは、堅守だったクーマン時代とは別なチームになってしまいました。
攻撃面では、チームの戦い方に合ったストライカーを呼べなかったのが大きいのではないでしょうか。あるいは、「ペジェグリーノ監督が自らの色にチームを染められず、半ば前任者踏襲の中途半端なスタイルで戦ってしまった」という表現が的確なのかもしれません。2016-17シーズンのプレミアリーグで、セインツはリーグNo.1の947本のクロスを入れています。今季も1位のトッテナムに10本差に迫る2番手。バートランド、セドリク・ソアレス、タディッチ、ウォード=プラウズらがひたすら中央にクロスを上げるなら、クーマン時代のグラツイアーノ・ペッレのような高くて強いストライカーがいたほうがチャンスは増えるでしょう。期待されていたチャーリー・オースティンは年末の1ヵ月しか活躍できず、ラインの裏を突くボールと脇からのグラウンダーが好きなガッビアディーニを活かすパサーはいませんでした。クーマン監督の下で2ケタゴールをゲットしたシェーン・ロングも、21試合1ゴールと完全に沈黙してしまいました。
昨季はプレミアリーグ37試合7ゴールと素晴らしかったレドモンドは、中に斬り込んでくる怖さを失い、ここまでノーゴール。守備も攻撃もクオリティが落ちたセインツは、もっと早く決断をしてもよかったのかもしれません。「BBCラジオ5」でコメントを求められたクラブOBのフランシス・ベナリ氏は、ホームで敗れて9戦連続勝利なしとなったクリスタル・パレス戦の後がそのタイミングだったのではないかと指摘しています。停滞が始まって3ヵ月、ピッチ上の世界を何も変えられなかった指揮官が解任の憂き目に遭うのはやむなしです。
2015-16シーズンにプレミアリーグ6位でフィニッシュし、EL出場権を獲得したときのメンバーが数多く残っているクラブだけに、戦い方さえ明確になれば残留争いからは脱出できるはずです。次の監督は誰になるのでしょうか。ああ、あと2ヵ月ジャッジが早ければ、プレミアリーグで36勝15分25敗とクラブ史上最高の戦績を残した現オランダ代表監督を復帰させられたかもしれません。後任は、見慣れた残留請負人でないことを祈っております。パーデュー、アラダイス、ポール・ランバート、モイーズ、ホジソン…そろそろ誰がどこで指揮しているのか混乱し始めておりまして。
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更新ご苦労様です。
セインツの今後の相手チームは、スワンズ>ハマーズ>ガナーズ>チェルシー>レスター>ボーンマスと厳しい相手が続きますね。私はピューリスと思いましたがボロの監督してましたね、、、。個人的見解ですが、何気にセインツの降格の確率が高いのではないでしょうか、、、。