「デル・アリは世代最高の選手」…スパーズ指揮官の激賞を「スカイスポーツ」がデータで検証!
19歳で鮮烈なプレミアリーグデビューを果たした2015‐16シーズンは33試合10ゴール9アシスト、獅子奮迅の活躍でクラブの2位フィニッシュに貢献した2016-17シーズンは37試合18ゴール7アシスト。21歳にしてプレミアリーグ通算99試合出場のデル・アリは、ここまでのゴールとアシストを足すと59となります。過去のプレミアリーグにおける22歳までの記録をチェックすると、この数字を上回る選手は5人しかいません。82ゴール15アシストの「ゴッド」ロビー・ファウラー、73ゴール21アシストの「ワンダーボーイ」マイケル・オーウェンが2トップ。3位が59ゴール21アシストのウェイン・ルーニーで、46ゴール22アシストのクリス・サットンが4位に入っています。MFとして最上位にいるのは、17ゴール46アシストのセスク・ファブレガス。デル・アリはアーセナルの元キャプテンに4つ及ばず、4月のチェルシー戦とストーク戦で爆発しなければ、34ゴール25アシストの6位でラインを通過することになります。
ここまではプレミアリーグのレジェンドたちとの比較ですが、ポチェッティーノ監督が主張する「彼の世代」にフォーカスしてみましょう。2015年8月のデル・アリのファーストチームデビュー以降、同世代の選手で最もゴールとアシストが多かったのは、RBライプツィヒで活躍するティモ・ヴェルナーの37ゴール11アシスト。既に22歳になったストライカーは、デル・アリを11も下回っています。20歳のバルセロナFWウスマン・デンベレは18ゴール21アシスト、マンチェスター・シティの左サイドを担うレロイ・サネは、22歳になった年明けまでで19ゴール18アシスト。昨年の12月で22歳のアントニー・マルシアルは、2016-17シーズンの4ゴールが祟って21ゴール14アシストです。デル・アリをかわす勢いだったデンベレは、バルサで今季ノーゴールと急ブレーキ。それならスパーズのMFの独壇場かと思いきや、上には上がいるものです。
19歳3ヵ月のキリアン・ムバッペは、モナコとパリ・サンジェルマンで29ゴール17アシスト。今季リーグ・アンで13ゴール8アシストとアンダー21のトップを快走するアタッカーが、隠れ1位であることは疑う余地がありません。ちなみにデル・アリは6ゴール9アシストで、13ゴール2アシストとブレイクしたセルタ・デ・ヴィーゴのウルグアイ代表FWマキシ・ゴメスと並んで2位。この数字は、いささか気になります。前線のメンバーが変わっていないトッテナムは、ハリー・ケイン、エリクセン、ソン・フンミンが昨季と変わらないペースでゴールを決めているのに対して、18発だったデル・アリのみが6ゴールと大きく数字を落としています。2位だったチームは現在4位で、チェルシーとのCL出場権争い。デル・アリが足を引っ張ったというわけではなく、「彼がフィニッシュする形が減った」と捉えるべきだと思われますが、この変化は何を意味するのでしょうか。
昨シーズンのデル・アリといえば、年明けのチェルシー戦でエリクセンのクロスに飛び込んだヘディング2発を思い出します。ニアに入るハリー・ケインを見ながら逆サイドに走ったり、ラインの裏を取る動きが秀逸だったMFは、貪欲にゴールを狙うプレイを見せないままタイムアップとなる試合が増えました。1年前が凄すぎたのか、あるいはプレースタイルに変化があったのか。デル・アリにそんな心配をするのは気が早すぎると苦笑しつつも、ファウラー、オーウェンなど10代からめざましい活躍を見せた選手が20代半ば以降に輝きを失うケースが目立つ国だけに、少し気になるところではあります。
もとい、今しばらくはポチェッティーノ監督の激賞に同意しつつ、ワールドカップでの活躍を楽しみにしたいと思います。「スカイスポーツ」は、「過去2年ほどではないが、彼は依然として欧州の若手のなかではトップクラス」と評しており、MFでリーグ戦34ゴールは世代No.1。ここ数年のイングランドにはいなかったタイプの選手であり、ハリー・ケインとセットで前線をまかせられれば、バルサ、レアル・マドリード、パリSGらの購買意欲をそそる大爆発もあるかもしれません。来季もスパーズの彼を見たい私としては、痛しかゆしではありますが…。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す