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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Stoke】低調な75分と別世界の15分…終わってみればアーセナルが3発快勝!

プレミアリーグ4位のトッテナムとは13ポイント差。チャンピオンズリーグ出場権獲得が厳しくなっているアーセナルは、ヨーロッパリーグ制覇によるチケット獲得を目論んでいるものと思われますが、7位バーンリーが2差まで迫ってきており、国内でも負けるわけにはいきません。19位ストークは、こちらも必勝。チャーリー・アダムが前節で退場となり、アフェライが練習から追放されるなどチーム状態はいいとはいえませんが、エミレーツのゲームではキックオフ直後から積極的に攻めています。4分には、右から中に入ってきたシャキリがこぼれ球を拾い、左足でカーブをかける得意のシュートを放ちますが、惜しくもファーポストの外。ガナーズ守備陣は、バイタルエリアで彼をフリーにしてはいけません。

GKオスピナ、DFベジェリン、チャンバース、ムスタフィ、モンレアル。ラムジーとエルネニーがセンターに入り、エジル、ウィルシャー、ウェルベックが2列め。最前線は、1月のアーセナル入団以降、プレミアリーグ5試合3発のオーバメヤンです。空席が目立つエミレーツ。10分を過ぎても、静かなざわめきが歓声に変わるシーンはありません。ウィルシャーやラムジーにミスパスが目立ち、フィニッシュまでいけないガナーズ。23分、ウィルシャーが右のベジェリンを走らせ、グラウンダーに飛び込むと、宙に浮いたボールをバトランドがパンチ。落ちたところに走り込んだラムジーが軽く浮かしたシュートは、バーの上を叩いてゴール裏に抜けていきます。

29分、ボックス手前で2人をかわしたウィルシャーが脇のラムジーに打たせると、ボールはDFに当たってCK。オンターゲットゼロに終わったアーセナルの前半のチャンスは、この2回ぐらいでした。全体的にもらいにいく動きが少なく、ウィルシャーは持ちすぎ。エジルが左から蹴った2度のFKも、チャンバースがヘッドを枠に入れられず、ハーフタイムを示す笛が鳴ると選手たちは浮かない顔でロッカールームに引き上げます。

淡々と進むセカンドハーフ。53分、モンレアルの縦パスがウェルベックにつながり、ニアに走ったラムジーの左足シュートはDFがブロック。エジルの速いボールがオーバメヤン、ウェルベックとつながると、23番のシュートは右に切れていきます。直後、ラムジーが右のエジルに預け、縦パスを受けたベジェリンがグラウンダーを入れたチャンスは、エルネニーのフリーのボレーが渋滞につかまり、フォローしたモンレアルの左足シュートはバトランドがキャッチします。61分、ポール・ランバート監督がディウフをベラヒーノに代えると、ヴェンゲル監督はウェルベックをラカゼット。プレミアリーグ9ゴールのフランス代表FWが、オーバメヤンとタッグを組む形となります。

69分、右から蹴ったシャキリのCKが鋭く曲がってオスピナを越え、ポストを直撃。命拾いしたガナーズは1分後、エジルの完璧なスルーパスでオーバメヤンがラインの裏に抜け出します。バトランドとの1対1は、素晴らしいポジショニングでコースを切って体に当てたGKの勝ち。直後のCKも、ゴールの真ん前でノーマークだったチャンバースがうまく打てずにバトランドに捕られてしまいます。チャンスが増えていたガナーズが、ようやく先制したのは75分でした。左からボックスに入ったエジルがマルティンス・インディに後ろから足をかけられ、PK。オーバメヤンが冷静に右隅に決めると、ヴェンゲル監督はこのタイミングでウィルシャーとエルネニーを下げ、ミキとジャカを投入します。

縦パス1本でラムジーが最前線に飛び出したチャンスは、ドリブルでバトランドまでかわした8番のシュートを必死に戻ったGKがブロック。85分、ラカゼットの縦パスでボックス右に走り込んだミキのシュートもイングランド代表の守護神がセーブし、エジルが中央から狙ったミドルもバトランドに弾き出されます。86分、勝負を決める2点めはエースの見事なボレー。エジルのCKをニアのムスタフィが競り、後ろに流れたボールをオーバメヤンがきっちり決めました。88分、ベジェリンの縦パスを追ったラカゼットを後ろから倒したエンディアエのプレイは不要でした。2回めのPKはラカゼット。右隅に決まった1発は、プレミアリーグ10ゴールめです。ラスト15分から怒涛のアタックを見せたガナーズが、終わってみれば3-0完勝でした。

ミキとジャカが入ってから、空気が一変。エジルの孤軍奮闘だった中盤が活性化し、決定機の数が激増しました。PK2発とCKからのゴールと、守備を崩して奪ったゴールはなかったものの、ELのCSKAモスクワ戦にいいイメージをつなげる勝利だったのではないでしょうか。敗れたストークは、おそらく降格となるでしょう。最終ラインと中盤は連携を欠き、何とかして勝ち点を奪おうというチームとしての意志が感じられませんでした。木曜日の大事なゲームには、ミキ、ジャカ、ラカゼットが先発するものと思われます。次は前半からアグレッシブな攻撃を見せていただき、セカンドレグを待たずに4強進出を決めるような圧勝を期待しましょう。

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“【Arsenal×Stoke】低調な75分と別世界の15分…終わってみればアーセナルが3発快勝!” への5件のフィードバック

  1. makoto より:

    前半はエジルの孤軍奮闘を情けなく思いながら見ていたのですが、主力二人が入った途端別チームになりましたね。
    捌くことが出来ずロストするウィルシャーと
    何も出来なかったウェルベック。
    主力と控えの差を嫌と言うほど見せつけられた気がします。
    しかし、オーバメヤンとラカゼットの共存が可能だと見せつけることが出来たのは収穫だと思います。ELで同時に見れないのは残念ですが、今後に期待です。

    —–
    ぐなきちさん>
    オーバメヤンがラカゼットにPK譲ったのを見て、涙腺が緩みました。いいヤツですよね…。

  2. えれ より:

    プレミア初ハットトリックが目前なのにラカゼットに譲ったのはオーバメヤンがチーム全体のことを考えてくれてるのが分かって嬉しかったですねー
    本気で狙いに行くべきELでラカゼットの力が絶対必要なのでここでゴールを取らせてあげることにより勢いを与えようというか
    自分が出れない分、他の選手に気を配ってくれてめちゃめちゃ良い奴だなと思いました

  3. 新参 より:

    オーバメヤンが得点を挙げて、クリーンシートで勝ったというのは、とてもポジティブな結果ですが、プロセスが頂けないですね。ロンドンダービーが後にあったので、余計にそれを感じました。例え、ヨーロッパリーグを制することができても、大きな改革が必要であるとフロントが危機感を抱けているか、それ次第でクラブの将来は大きく変わるのではないでしょうか。リバプールやトッテナムがクロップ・ポチェッティーノが来るまで再建に長きにわたってかかったこと、チェルシーが優勝という栄光に輝いた監督を翌年に切るという非常さを見せつつ上位を維持しようとしていることから、学ぶべき点は多々あると思います。

  4. トマシュ より:

    ゲームとは関係ないんですが、最高のニュースが。
    Wilfred Ndidi contacted over Gunners move …
    metoroですけどね。

    ジャカとムヒタリアンが入った瞬間のメンバーが攻撃に関しては最高のユニットだろうと思います。確かに魅力的でどんな監督でも彼らを使ってプレミアを戦ってみたいと思うでしょう。

    ですがやはりどうしても中盤の守備なんですよね。誰もが知っている通り、今日のように攻撃だけで押し切れるほどPLは楽ではないですし。そして今戦っているELも。

    ウィルシャーがブレイクした年には隣にソングがいました。(神格化されてる)カソルラの横には彼と組んだ時だけ守備に専心したコクランがいました。
    ウィルシャーやラムジーはもちろん、もしかしたらジャカも、彼に守備をさせるのではなく守備の選手と組ませることで大きく化けるかもしれません。

    センターハーフも必要ですが、DMFがとにかく欲しい。Ndidiなんて最高だよなぁ。ELでは中盤の守備を切り裂かれないか、ただただ心配です。ホントに。

  5. グーナーです より:

    僕はジルーを愛してやまない男ですが、
    オーバメヤンがPKを決めた瞬間に宙返りを披露した時、
    「これはわざと前向きに振る舞っているのだな」と少し感じました。
    チームが暗いムードだったなか、PKで得点というパッとしない得点でしたし、淡々とセレブレーションする選択肢もあったと思います。
    それでも、ガラガラのエミレーツとチームに対して「素直に得点を喜ぼうぜ」というメッセージだったのではないかと。深読みしすぎですかね。

    その役割を担っていたのが他でもないジルーであったため、彼のいない今、そういう「大事な仕事」をしてくれる選手がいるのは嬉しいです。

    そしてそのあと、ラカゼットにPKを譲ったときもまた、
    チームとしての雰囲気を大事に考えている選手なのだなと思いました。(来る前はよく知らなかったので、我の強そうな奴だなと思ってたので笑)

    プロセスはともかく勝ち点3。
    ELに集中です。

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