プレミアリーグ上位の主力にケガ人続出!耐えるチーム、落ちるチームはどこだ?
先日のマンチェスター・ダービーでいちばん感じたのは、マンチェスター・シティにおけるコンパニ離脱の影響の大きさです。彼がケガをしてチームを離れると、カーディフに負け、ハル・シティに手を焼き、ストークにあわやというところまで追い込まれるなど散々でしたが、ひとたび戻れば、復帰2試合めでマンチェスター・ユナイテッドをボコボコに叩くほどの強さです。彼が後ろにいることで、ヤヤ・トゥレが前に出る機会が増え、マークが分散し、空いたスペースにコラロフやサバレタが侵入すると、ゴール前の頭数が増え、ネグレドやアグエロがシュートを打ちまくる…と、ひとり選手が入っただけで、ここまで連鎖するんですね。
逆にファン・ペルシを欠いたマンチェスター・ユナイテッドは、ルーニーにマークが集中し、パスのバリエーションが減ったことから、無理めなサイドの選手の単独突破への依存度が上がってしまいました。こちらは、絵に描いたような負の連鎖。4-1という、実力差を考えるとやや極端にみえるスコアは、両者のケガ人の状況と密接に連動しているわけです。
さて、そんなわけで、最近になって各チームにケガ人が増えています。マンチェスター・シティでは、もうひとりのキーマン、ダヴィド・シルヴァがリタイア。リヴァプールからはコウチーニョが離脱し、チェルシーは、先のキャピタルワンカップでファン・ヒンケルとラミレスが途中退場しました。とりわけファン・ヒンケルが深刻で、十字靭帯断裂という重傷は、ワールドカップ欠場をも余儀なくされるかもしれません。このままマルコ・マリンの二の舞にならなければいいのですが…。ラミレスは臀部のケガで、全治はわかりませんが、今週末のトッテナムとのロンドンダービー出場は厳しいようです。トッテナムも、アデバヨルとレノンがベンチに入っておりません。
プレミアリーグ上位クラブで、先に紹介したマンチェスター・ユナイテッドやアーセナルも含め、これらのケガ人の影響が大きそうなクラブはどこでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドのファン・ペルシは早々に復帰できそうなのでいいとして、痛いのはアーセナルのウォルコットと、リヴァプールのコウチーニョでしょう。それぞれ、チーム内での役割としても、キャラクターとしても代わりとなる選手がいません。リヴァプールはスアレスの復帰というプラスはありますが、そこにうまくパスを供給したり、ドリブル突破でFWをフリーにしたりするコウチーニョがいないと、攻撃の迫力は30%オフといったところです。アーセナルも、エジル加入のプラスとサイドを疾走するイングランド代表離脱のマイナスの収支は、短期的には微妙です。せめてカソルラが健在であれば違ったのですが、これから数試合は、パスの出しどころに悩むエジルの姿が目立つのではないかと懸念しています。
今季のアーセナルは間違いなく強いので、独走で首位を走る可能性まであると先日書きましたが、この分だとしばらくは混戦が続きそうです。むしろどこかが抜け出すとすれば、マンチェスター・シティがその最有力候補でしょう。チェルシーもラミレスが長引くと厳しくなり、発展途上のリヴァプールと不調マンチェスター・ユナイテッドは、ここで離されると追いつくのは至難の業。当面、上位チームの合言葉は「マン・シティを走らせるな」ですね。
最後に「この選手がいなくなると明らかにチームのレベルが下がる」「代わりがいない」という、いわばプレミアリーグ上位チームのアキレス腱について、個人的な見立てを記してこの稿を締めるとしましょう。各クラブのサポーターのみなさんからすれば、異論・反論あるかもしれませんが、それはまた、おいおい。
マンチェスター・ユナイテッド⇒ファン・ペルシ、ルーニー、キャリック
チェルシー⇒ラミレス、チェフ
リヴァプール⇒ジェラード、コウチーニョ、スアレス、スタリッジ
マンチェスター・シティ⇒コンパニ、ヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ
アーセナル⇒ジルー、エジル、コシールニー
トッテナム⇒パウリーニョ、カイル・ウォーカー、フェルトンゲン
(ラミレス・サントス・ド・ナシメント 写真著作者/Warrenfish)
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ジェラードはどうでしょうね
他はなんの異論も無いです
一時のような「ジェラード依存」ではなくなりましたが、
まだ代わりを務められる選手が弱いのではないかと思います。