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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

香川真司、マタだけじゃない…明日が見えない不遇のベンチウォーマーたち(前篇)

プレミアリーグも5節を消化しましたが、残念ながら香川真司、吉田麻也、李忠成ら日本人プレイヤーは、未だ出場を果たしていません。香川と吉田については、やはりコンフェデレーションズカップの影響は大きかったですね。香川真司は新監督のチームづくりの段階でいいパフォーマンスを見せられなかったこと、吉田麻也は調子を崩し、デヤン・ロブレンという鳴り物入りの入団に対して、ライバルとしてもパートナーとしても存在価値をアピールする機会自体がほとんどなかったことがここまでの「敗因」かと思われます。とはいえ、まだ5節。彼らについては、カップ戦もあるなか、今後あらためてアピールのチャンスが巡ってくるでしょう。楽観視はできませんが、「まだまだこれから」ということで期待していいのではないでしょうか。

さて、香川と吉田の名前が出たところで、プレミアリーグ全体を見渡せば、彼らと同等もしくはそれ以上に「明日が見えない」不遇をかこつベンチウォーマーが存在することに気づきます。使われない本当の理由は監督に聞いてみないとわかりませんが、ここでは彼らがベンチを温めざるを得ない要因を探りつつ、今後の展望についても触れていければと思います。

世が世ならバリバリのレギュラーを張っていてもおかしくない選手が、ベンチにいる理由として考えられるのは「ライバルが強すぎる」「チームに適応できていない」「チームの戦略・戦術にはまらない」「本人のメンタルやコンディションの問題」とまあ、こんなところでしょうか。「ライバルが強すぎる」の代表は、アストン・ヴィラのニクラス・ヘレニウスでしょう。デンマークリーグの得点王として、ヴィラ入団時は話題になりましたが、バリバリのCFである彼のライバルは、今をときめくベンテケです。フィジカルが強く、ありえない態勢からでもゴールを決めてしまうベルギー代表CFからポジションを奪うのは至難の業で、ヴァイマン、アグボンラホルとの3トップが機能している現在、2トップのひとりとして起用される可能性も低いでしょう。先日、ベンテケが負傷したので使われる機会は増えそうですが、よほどの活躍がなければ、エースの復帰で自動的にベンチに逆戻りとなる見通し。控え生活が長引いてコンディションを崩し、期待されていた頃が嘘のような凡庸な選手となった先輩ベントナーと同じ道を歩まないことを祈るばかりです。

ヨヴェティッチ、ナスリ、ヘスス・ナバス、ダヴィド・シルヴァ、アグエロと攻撃的な選手が揃うマンチェスター・シティにおいて、ミルナーとロドウェルのイングランドコンビは、強いライバルの牙城を崩せず便利屋扱いとなっています。プレミアリーグとチャンピオンズリーグの合間の国内カップ戦ではスタメン起用もありそうですが、リーグ戦でスタメンの機会が増えるイメージがないですね。成長余力のあるロドウェルはまだしも、27歳と油が乗っているはずのミルナーはいいのでしょうか。イングランド代表の僚友、ギャレス・バリーは出場機会を求めて移籍しましたが、この状況が続けば、出られるはずのワールドカップも棒にふってしまうリスクすらあるように思います。動くなら1月ですが、どうするのでしょう。ご本人にあまり危機感はないようですが…。

ライバルとの関係というより、多分に自身に問題がありそうなのが、サウサンプトンのガストン・ラミレス、マンチェスター・ユナイテッドのナニとアンデルソンでしょう。ガストン・ラミレスは、ウルグアイ代表としても13ゲームに出場している期待のMFです。その才能から、即戦力といわれていたものの、昨季セインツに入団してすぐの頃から「イングランドに適応できていない」という声がありました。才能があるのは間違いないのですが、感情の起伏が激しくプレイにムラがあり、ポチェッティーノ監督から1試合をまかせられることなく、今季の総出場時間は90分に届いていません。今季のセインツにはオズヴァルドが加わり、リッキー・リー・ランバート、ジェイ・ロドリゲス、ララナという顔ぶれが並ぶ攻撃陣の一角を崩すのはそれなりに大変ですが、いいときのラミレスを観るにつけ、決して不可能ではないと思われます。「チャンピオンズリーグ出場権獲得をめざす」と大きな目標を掲げるポチェッティーノ監督の信頼を得るべく、将来ウルグアイを背負って立つであろう22歳には、常時力を発揮できるプレイヤーへの成長を期待します。

そしてマンチェスター・ユナイテッドのふたりですが…長くなりました。以下、後篇に続きます。

香川真司、マタだけじゃない…明日が見えない不遇のベンチウォーマーたち(後篇)

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