5800万ポンドの価値はあるか⁉ チェルシーがドルトムントのプリシッチ獲得!
20歳のアメリカ代表ウインガーの価格には、若いプレーヤーゆえの期待料が入っているのだと思われますが、今季のスタッツを見る限りではいささか高いように感じます。プレミアリーグから出ていったジェイドン・サンチョにポジションを奪われ、ブンデスリーガ11試合1ゴール2アシスト。ドルトムントのツォルクSDは、「クリスティアンは、プレミアリーグでプレイするのが夢だった。契約を延長できなかったため、チェルシーからのいいオファーを受け入れた」といっていますが、控え選手に5000万ポンド以上の話が来たタイミングを売り時と判断したのでしょう。ここ数年で移籍金の相場は大きく変わってはいるものの、2012年にエデン・アザールを購入した際の4000万ユーロの1.5倍以上というタグには、相当な期待がかかっていると捉えるべきでしょう。
最も気になるのは、今季プレミアリーグで20試合10ゴール9アシストという出色の数字を残しているエースの去就です。プリシッチはアザールの後釜なのか、相棒なのか。マリア・グラノフスカイアさんが「最も人気があるヤングプレーヤーのひとり」としか表現していない原石は、ブンデスリーガで戦った3年半で10ゴールしか決めておらず、いきなり10番と同じような結果を出せというのは酷でしょう。30代になったウィリアンとペドロに取って代わる存在といわれたほうがしっくりくる選手であり、アザール問題とは切り離して考えたほうが納得感があります。
そしてもうひとつ、気になるのは「チェルシーはストライカーを獲りにいくのか」。ヴィクター・モーゼスやカラム・ハドソン=オドイを使えるウイングよりも、モラタとジルーでプレミアリーグ6ゴールに留まっているポジションの強化のほうが、緊急度が高いテーマです。噂になっていたイグアインの移籍は、ミランのレオナルドSDが否定。アストン・ヴィラで20試合16ゴールと大暴れしているタミー・アブラハムにウルヴスが触手を伸ばしているという報道があっても、チェルシーに未完の大器を呼び戻す気配はありません。ビッグ6で最もゴールが少ないチームは、アザールのゼロトップをメイン戦術としながら後半戦を乗り切ろうとしているのでしょうか。「今までとは違う何かが必要」と語るサッリ監督に、経営ボードが応えるかどうかはわかりません。
「Chelsea ‘madness’ – the view in Germany」。チェルシーの狂気という「BBC」の記事の見出しは、ベンチにいることが多い選手に払う金額としては大きすぎるというドイツメディアの見解を紹介したものです。このディールが妥当かどうかは、夏以降に参入するウインガーのプレイを追いかけてみなければわかりませんが、前線に飛び道具を加えなければ、CL出場権の確保が難しくなるのではないかと思います。…いや、冬のマーケットは始まったばかりでしたね。チェルシーの次なる補強に注目しましょう。(クリスティアン・プリシッチ 写真著作者/Reto Stauffer)
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今冬じゃないんですね。もちろんシーズン中は色々と難しいと思いますが、何かテコ入れしないと厳しい現状をどうにかして欲しいです。